【R32GT-R ロードスター NSX…】平成の30年を振り返る日本スポーツカー今昔物語


■PART3/平成のスポーツカーに賞典を贈りたい!

平成世代に生まれたスポーツカーの初代モデルと現行モデルたち

いわゆるスポーツカーらしいルックスを持ったスポーツカーを対象に、ここまで進めてきた本企画。前ページでは「総合力」という観点で10ベストカーを評論家に選出してもらったが、ここではあるテーマに基づいたトップ3を選出してもらった。

スタイル、ハンドリング、コストパフォーマンス。ちょっと変わったところでは「期待を裏切られたスポーツカー」なんていうテーマもある。

各評論家が選んだモデルを見てもらえれば、現在でも新車で買えるモデルが何台か選出されていることに気づくと思う。

スポーツカー不遇の時代などと言われる昨今だが、実は魅力的なモデルもちゃんと存在しているのだ。

それらのクルマは今この瞬間より、10年というような時を経た後に「名車」と言われている可能性が高い。平成年間最終コーナー、スポーツカーファンは実は幸せな時代に生きているかもしれない。

平成30年間で96台の国産スポーツカーが登場していながら、手放しで「カッコイイ!!」と言えるモデルがあまりにも少ないことに、改めて愕然としました。中身も含めればいいクルマは多数なれど、デザインだけ見て「ステキ……」とウットリできるクルマはメチャメチャ少なかった。

そんななか、手放しで「最高!」「世界一!」と言えるのが、1位に選んだ4代目ロードスターだ。スポーツカーに求められる色気がムンムンでありながら、青春感覚もビンビンの、若々しく熟した官能的なスタイリングはスバラシイ。

1位に選んだマツダロードスター。デザイン的に優れたスポーツカーはダントツでこれだという

2位はS660。この小ささでバランス抜群のフォルムを実現しているのはスゴイ。3位は平成3年登場のスバルアルシオーネSVX。なにしろジウジアーロ様ですから。

2位はS660。小さな車体ながらバランスのいいフォルムを絶賛

3位はG・ジウジアーロがデザインしたアルシオーネSVX。現行車は3台中2台だった

ライトウェイトスポーツといえば、どうしたってロードスターを外すわけにはいかないが、問題はどの世代を代表として選ぶか。初代が偉大なのは言うまでもないが、各世代ごとにそれぞれ個性があってみな捨てがたい。

悩んだ結果、やっぱり「新しいほどクルマとしてよくできている」という当たり前の理由で、現行NDロードスターをベストに選出した。

1位は新しいほどクルマがよくできているという理由で現行NDロードスター

ビートもS660と迷ったが、これは当時の華やかな記憶がビートに味方した感じ。懐古趣味でスイマセン。

スイスポは誰にでも薦められる優れた〝練習機〟である点を評価した。特に3代目はNAならではの自然な乗り味が秀逸。いまだに最高のドライビングトレーナーだと思う。

2位には軽自主規制枠一杯の64psNAで絞り出すホンダビート(1991年登場)をランクイン

3位の3代目スイフトスポーツは2011年11月デビュー

コーナリングスピードの速さではなく、作り手が走りのイメージを持って作り、そのイメージを読み取りながら操ることの面白さを持っているのがロードスターだ。人馬一体感は別格的に突出しているNA型初代ロードスターを1位に選んだ。

速さが評価の柱になりがちなスポーツカーにあって、操ることの面白さを持ち込んだという点で初代ロードスターの操縦性は別格的に突出している。

人馬一体感は別格的に突出しているNA型初代ロードスターを1位に選んだ

初代シビックタイプRは、現行ゴルフより約10年早くリアサスを積極的に使った操縦性を作り出していた。その精度の高さは、今のホンダのFFハンドリングの出発点だ。

2位にはFFハンドリングの出発点と評価した初代シビックタイプR

3位に選んだFD3S型RX-7は、フロントミドシップの教科書的な操縦性を持つ。特に最終型は前後重量配分とサスストロークを巧みにバランスさせた操縦性に仕上げられていた。

3位はフロントミドシップの教科書的な操縦性を持つというFD3S

1位は1.8Lエンジンを搭載するミドシップスポーツカーのMR-Sだ。価格は最廉価のBエディションなら168万円(税抜)。今のホンダS660が183万4000円(税抜)だから、激安のスポーツカーだった。

1位はなぜか現役時代より今のほうが評価が高いMR-S(1999年登場)

2位は初代シビックタイプR。最高出力が185psの1.6L、VTECエンジンを搭載して、峠道では抜群に速い。価格は199万8000円(税抜)だから、現行型の416万7000円(税抜)に比べると半額以下だった。

2位はハンドリング部門でも選出された初代シビックタイプR

3位はダイハツストーリアX4。モータースポーツのベース車で、713ccのターボと4WDを搭載する。前後輪にLSDも備えて価格を139万円(税抜)に抑えた。以上のような低価格のスポーツカーは、今の時代にも絶対必要だ。

3位はダイハツのストーリアX4(2003年登場)。ダートラやラリー車のベース車車両として大活躍した

平成元年10月に登場した2代目MR2の限界域での挙動はいまだに謎。格別トリッキーという印象はないのに、リアが滑り出すとダラダラととめどなく流れていって、最終的にスピンまでいってしまう。それを防ぐには、とにかくリアの滑りを最小限にとどめることしかない。

1位に選んだのはSW11型MR2。Ⅲ型以降はだいぶ安定性が増したが初期型はだいぶ怖かった

1993年登場のS14シルビアは、S13のデザイン完成度があまりにも高かったのが不運。走りが圧倒的によければ別だが、カッコ悪くなって走りも大差なしじゃガッカリ。これほど誰にも歓迎されなかったモデルチェンジも珍しい。

2位はS24シルビア。S13シルビアが偉大すぎた……。販売不振だったので1996年に吊り目にフェイスリストするも不評のまま終わった

NB型ロードスター(1998年登場)については、これまた初代があまりに偉大だったことの反動。NA型のあの可愛らしいキャラクターが、みんな好きだったんだよね。

リトラクタブルヘッドライトから普通のヘッドライトへ。やはり初期型のNAロードスターが偉大すぎたのか……

■PART4/「平成時代の日本のスポーツ」ベストランエボ、ベストインプはどれだ?

本企画、最後を飾るのは平成を代表する4WDスポーツ。そう、ともに切磋琢磨しながら進化を続けてきたランサーエボリューションとインプレッサWRX STIだ。

この2大スポーツのベストモデルを国沢光宏氏に選んでもらった。さて、どのモデルがベストランエボ、ベストインプになるのか?

ランエボ、インプレッサSTIともに2Lターボエンジンで初代から250psを超える出力を発生していたハイパワー4WD。市販車だけでなくWRCでもライバルとして名勝負を繰り広げた

海外で日本のスポーツモデルとして最も高い知名度を持つのは、当然の如くインプレッサWRXとランサーエボリューションだろう。

どちらも『イニシャルD』で大暴れしてるし、WRXはケンブロックの『ジムカーナ2』を見たら欲しくなっちゃう。ヨーロッパに行くとWRCで大暴れしたこの2車を知らないクルマ好きなど皆無。

今や海外で大きく販売台数を落としたスバルながら、依然としてスバルブルーのWRXは大人気なのだった。ランエボ人気も世界規模であります。

WRX STIは現在まで生き残っているが、ランエボは残念ながら生産終了。しかし、またいつの日かバトルを繰り広げる時が来るだろう

■ベストインプはGDB鷹の目!

それぞれベストモデルを選んでみたい。まずWRX STI。これはもう絶対的な性能でいっても、2代目(GDB)の鷹目モデル最終年度になると思う。

WRCで戦うべく熟成されたEJ20は、ノーマルのまま350ps/45.9㎏mくらいまで引き出せる。なんたってWRCで圧倒的に強かったモデルでもあります。

筑波のベストラップだってGDB。私もGDBのグループNを所有しており、思い切り楽しませていただきました。中古車相場は底値か?

ベストインプは鷹の目。2005年6月のマイナーチェンジで涙目から鷹の目に変更(後期F型、G型)。搭載されるEJ20型エンジンは280ps/43.0kgmを発生

■ベストランエボはエボⅥ!

ランエボもベストを選ぶのは簡単。エボⅥであります。初代ボディ使うエボⅢまでは今やクラシックの部類。性能的にも発展途上というイメージ。エボⅣ~Ⅵの第2世代を好むファンは多い。

RSなら車重1260㎏と軽く、マキネンの3連続ドライバーズチャンピオン獲得の相棒になった。チューニングカーのベースとしては最も高いポテンシャルを持つ。

ノーマル車として最も優れたバランス持つのはエボⅨだと思う。グループNのラリーではWRXを圧倒する成績を残している。

1999年1月に登場したエボⅥ。エンジンの馬力、トルク(280ps/38.0kgm)はエボVと変わらないが、冷却オイル路内蔵のクーリングチャンネル式ピストンの採用や冷却水レイアウトの変更、オイルクーラーの大型化など、エンジンの耐久性と信頼性を向上させている。また、RSには純正でチタンアルミ合金製タービンが採用され、タービンブレードの慣性力を50%低減

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