■PART2/自動車評論家5人が選ぶ平成の国産スポーツカー・ベスト10
続いて、平成に生まれた国産スポーツカー96台のなかから、自動車評論家5人それぞれのベスト10を選んでもらった。
■鈴木直也が選ぶスポーツカー・ベスト10
R32GT-Rは、ボクの自動車ジャーナリスト人生のなかで、乗って感動したクルマのナンバー1。あとにも先にも、これほどその走りの進化に衝撃を受けた経験はありません。そのデビューに立ち会えて、ホント幸運だったと思っています。
現行NDロードスターは、25年間休まず進化を続けてついにここまで来たか! という感動があります。NDを平成元年に持って行ったら、完成度においては当時のポルシェ911に匹敵するくらいの傑作だと思う。
ほかには、いまだにデザインに惚れ惚れするFD3S型RX-7や、最高の運転練習機スイスポなどが印象的。やっぱ、スポーツカーはいいですねぇ。
■国沢光宏が選ぶスポーツカー・ベスト10
絶対的な性能で決めるなら日本一は間違いなく現行のR35GT-Rだと思う。されど今や世界規模という視点だとライバルが山ほどいて、市販車をベースにしたGT3車両でレースに出たって勝てない。
けれどR32のGT-Rは、おそらく市販された時点で世界一の高性能車だったと考えます。だからこそ世界中からGT-Rだけ拒絶された。
本来ならグループAの国際レースで戦うため開発されたのに、即座にレギュレーションを変えられてしまったのだった。出場していたら世界のツーリングカーレースを席巻していたことだろう。
そして超楽しかったのが初代インテグラタイプR。これほどキレのいいFFはなかなかありません。
■片岡英明が選ぶスポーツカー・ベスト10
基本的に、ちょっと頑張れば手が届くスポーツモデルを選んだ。上位2車は平成の最初の年に生まれたクルマで、30年を経た今、ステアリングを握っても楽しめる。
3位は直列6気筒エンジンに4WDを組み合わせたGT-Rの最後の作品、R34型をチョイスした。4位はロータリーターボの集大成とも言えるFD3S型のRX-7だ。
5位はエンジンの気持ちよさが光るインテグラのタイプRとした。6位は自動車史に残る不世出の名作、レクサスLFA。DOHC5バルブ、スーパーストラットのAE101型レビンも傑作といえる。スイスポも運転が楽しい。軽自動車は痛快なヴィヴィオとビートを選んだ。
■斎藤聡が選ぶスポーツカー・ベスト10
上位4台は1990年前後に登場したモデル。バブル期は制約が少なく、自由にクルマを作ることができた時代だったのが大きいのだろう。スポーツモデルがたくさん作られた時代だった。
そのなかでなぜ初代ロードスターなのかというと、「スポーツカーの価値は速さじゃない」という洞察があるから。そして、エンジニアの走りのイメージが明確だったことにも価値がある。基本教則をバックボーンに、こう走らせたい、という走りのイメージがクルマのセッティングに表れている。
今後は、クルマのFUNと背反する電子制御の壁をどう突き破るかがスポーツカーの魅力になっていくのだろうと思う。
■竹平素信が選ぶスポーツカー・ベスト10
楽しくなくちゃ、スポーツカーでない。それも多くのユーザーにいつまでも愛されるクルマならベストではないか。
後輪駆動のコンパクトなヤツが文句なく楽しい。そこそこのパワーでも充分だ。ワシも所有する初代ロードスターはまさにそのお手本。
官能的エンジン、人馬一体感を味わえるボディとシャシで走りは実に楽しい。S2000、RX-7、インテRに加え、身近ではないが超ごきげんゆえにGT-R、NSX、LFAもランクインさせた。
BRZはまさにボクらのスポーツカー、長らく愛されると思う。ランエボ、インプレッサSTIがノミネートにあれば上位に挙げていた。
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