トヨタ紡織のスゴ技シートが北陸新幹線にも採用された!!

トヨタ紡織のスゴ技シートが北陸新幹線にも採用された!!

 トヨタ紡織開発の北陸新幹線E7系/W7系グランクラス用のシート。

 レクサス車など高級車用のシートを手がけてきた同社の開発ノウハウが存分に活かされている。リクライニング角度はグリーン車の35度を上回る45度。

クルマ用シートの開発ノウハウを活かしたこだわりの新幹線シート

 主にトヨタ車用のシートを開発しているトヨタ紡織。そのトヨタ紡織が開発した新幹線用のシートが話題を呼んでいるというので今回はそれを紹介しよう。

 同社がクルマ用シート以外では初となるシートを開発したのは、JR東&西日本の北陸新幹線の新型車両E7系&W7系「グランクラス」用シートだ。グランクラスとは’11年から東北新幹線で運行されている新たな客席グレードのことで、グリーン車よりも上のクラスとなる全18席で、利用するには運賃(乗車券)と特急料金(新幹線特急券)、それにグリーン車料金にプラス5000円程度のグランクラス料金が加算される。

 ただし、アテンダントサービスのない座席営業のみの場合はプラス3000円となる。

 で、トヨタ紡織のシートは昨年4月に486席分が受注されたもので、現在は東京~長野間を走るE7系「あさま」に導入されている(全3編成)。E7系&W7系新幹線は来年春には現在の終点である長野から金沢まで延伸開業されるのに向け、JR東日本とJR西日本で全27編成が導入される予定だ。

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北陸新幹線E7系車。車両デザインのコンセプトは「”和”の未来」で、シンプルな流線形
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背後から見たE7系グランクラスシート。座席幅はグリーン車よりも1割大きくなっている。

 このシート、同社がこれまで主に高級車用シートで長く培ってきた「人間工学に基づいた乗り心地」を追求しているそうで、フル電動となっている。素材には最高級の本革やアルミニウムを採用した高級感のあるデザインとなっており、「体格差やさまざまな着座姿勢でも身体全体をバランスよくサポートする形状」にこだわっているとのこと。

 快適な姿勢を維持できるように連動調整式となっていて、背中のズレを防止するための最適構造を採用したほか、背もたれや座面、レッグレストは個別での操作もできるようになっている。

 さらに座面には通気性を確保するために多くの小さな穴が開けられており、このあたりは自動車用シートの開発のノウハウが活かされているようだ。

E5系グランクラス用シート。マイバッハの後部席のリクライニングの動きを再現!

 E5系グランクラス用シート。マイバッハの後部席のリクライニングの動きを再現!

 また、快適性の追求へのこだわりはほかにもあり、リクライニング機構にもひと工夫されている。通常のシートはリクライニング時に背面だけが倒れるのだが、このシートでは座面も一体で倒れるようになっていて乗客の着ているシャツなどが引っ張られてしわになるのを防いでくれる。

 同社ではこのグランクラス用シートの受注額を明らかにしていないのだが、なにせ素材から機能に至るまで贅を尽くした逸品だけにかなり高額なのは間違いないだろう。

こちらは東北新幹線E5系のグランクラスで採用されたレカロ、日立製作所、川崎重工、JR東日本の4社コラボによる開発シート
東北新幹線E5系のグランクラスで採用されたレカロ、日立製作所、川崎重工、JR東日本の4社コラボによる開発シート

 ちなみに、すでに登場から3年が経っている東北新幹線E5系(はやぶさ/はやて/やまびこ/なすの)では、グランクラスシートにあのレカロと川崎重工、日立製作所がJR東日本とコラボして開発したシートを採用している。こちらはレカロによる「マイバッハの後部席のリクライニングの動きを再現」しているのがウリなんだとか。

 今後はクルマ以外の乗り物でクルマ関連シートメーカーが激しく競い合うことになるかも!?

世界の〝レカロ〟はクルマ以外でも引っ張りダコ!!

 クルマ以外に採用されているレカロの例を紹介。

 まずはスペースシャトル。米国NASAが’81~’11年までに135回打ち上げた有人宇宙船だが、実用化されたコロンビア、チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバーの座席にはレカロ社のシートが採用された。

スペースシャトルのコックピット内の様子。このシートにも実はレカロが採用されていたとは!
スペースシャトルのコックピット内の様子。このシートにも実はレカロが採用されていたとは!

 最近では飛行機にも数多く採用。軽量で頑丈なことからファーストクラスのみならずエコノミークラスにもJALなど各航空会社から続々採用されている。

 このほか、乗り物以外ではスポーツ施設に採用されているのが目立つ。

 プロ野球の東北楽天の本拠地である楽天Koboスタジアム宮城にはシートヒーター内蔵の防水本革シートが採用され、Jリーグ・川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力陸上競技場や大阪長居陸上競技場にもお目見えしている。

楽天Koboスタジアム宮城
楽天Koboスタジアム宮城
大阪長居陸上競技場のシート
大阪長居陸上競技場のシート
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スカンジナビア航空が’12年に1484席分をB737-800型に導入。1機あたり約360㎏軽減できたとか。 

 ほかに欧州のレアル・マドリードやマンチェスターUの本拠地でも採用!

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