スマートキーとプッシュボタンの注意点は?
■近年急増する「リレーアタック」への対応は?
ここ2年ほど「微弱な電波でスマートキーと車が交信することで、解錠・施錠やエンジン始動が可能」というスマートキー&プッシュボタンスタートの機構を逆手に取り、中継器で増幅して解錠し、エンジンを掛けて盗難するリレーアタックと呼ばれる犯罪が急増している。
リレーアタックを使った窃盗団に狙われると、キーを捻るタイプより作業が少ないぶん、短時間で車上荒らしや盗難に遭ってしまうため、上述の「スマートキー&プッシュボタンスタートは盗難されにくい」という定説は崩れつつある。
このリレーアタックによる車上荒らしや盗難を防ぐ代表的な対策は、以下の2つがあげられる。
【1】「節電モード」など微弱電波によるスマートキーと車の交信をストップするモードを選択する(※車種によってこの機能がない場合もある)
【2】微弱電波を遮断するために、スマートキーの電波を遮断するキーケースやコンビニなどで売っている携帯灰皿に入れる、家の玄関のすぐ近くに駐車するような場合にはスマートキーをお菓子の空き缶などに入れて保管する
ともに、スマートキーの利便性は半減してしまうが、車上荒らしや盗難に遭うリスクを考えれば、現状やむを得ないだろう。
■スマートキーが電池切れ! そんな時の対応法は?
車種によって異なるが、一例としては…
「スマートキー付属のメカニカルキーでドアを解錠」→「スマートキーをプッシュボタンに接触させ、エンジンを始動する」といった対処方法がある。
■「バレーパーキング」など一時的に愛車を預ける場合に注意
受付で愛車を預け、駐車は係の方に任せるバレーパーキングなどでスマートキーを持ったまま立ち去ると、エンジンを止めている場合には車を動かせずどうにもならなくなってしまう。
そのため車に乗る際、スマートキーはセンターコンソールなど決まった場所に置く習慣を付けた方が無難だ。
■キーの閉じこみにも要注意
スマートキーが車内にあれば、施錠されることはないはず。
だが、筆者は某人気輸入車の初期モデル(現行モデル)で、スマートキーを車内に置いていたのに施錠され、ひどい目に遭ったことがある。
このため、オフ会など目の届く範囲にクルマがあり、解錠したままクルマを置くケースでもスマートキーは身に着けておくか、スマートキーを車内に置く場合でも窓を開けておくなどの対策をしておいた方が無難だろう。
◆ ◆ ◆
今後、電気自動車が普及してくると「キーを捻ってエンジンを掛ける」という言葉は本当に死語になり、「ボタンを押して起動する」という言葉がよりポピュラーに使われるようになるかもしれない。
上記の点に注意しつつ、当たり前となった便利なスマートキーとプッシュボタンを有効に使ってほしい。
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