■2024年以降も厳しい!? オペル日本市場への再上陸の可能性は消えた?
年明け早々の2020年2月18日には、日本法人であるグループPSAジャパンは、都内にて記者発表会を実施。改めて日本導入についてのアナウンスが行われた。
発表会場では、最新型の「コルサ」も披露し、再導入への強い意気込みを見せていた。
その計画では、初年度にBセグメントコンパクトカー「コルサ」、MPV「コンボライフ」、CセグメントSUV「グランドランドX」の3車種の導入することを発表。
さらに電動化モデルの追加だけでなく、順次、他車種も展開していくことが予告された。
新たな動きがあったのは、2021年8月4日のこと。オペル日本語版WEBサイトがオープンされ、同時にオペル車の発売とディーラー展開が、2022年上半期となると改めた。
さらに初期導入モデルが、BEV仕様を含めた「コルサ」、CセグメントSUV「グランドランド」に加え、BセグメントSUV「モッカ」に修正。MPV「コンボライフ」は、導入が遅れることが明かされた。
この時点で、導入が1年送りされた理由については「当初の想定を超える新型コロナウィルスの感染拡大と半導体の供給不足などの外的要因」と説明されていた。
当初の導入予定より約1年を迎えた今、オペルの日本公式サイトのアップデートはなく、その後を伝える公式アナウンスも一切ない状況だ。
グループPSAとフィアットクライスラーオートモビルズの合併により、オペルのインポーターとなるステランティスジャパンに確認したところ、「何も進展はなく、少なくとも2024年の導入はない」との回答を得た。
独自に情報を収集してみたが、当初は、本国よりオペル担当者が来日し、オペル再導入に向けて動いていた。
しかし、想定外となるコロナ禍を迎え、全方位で進展が望めない状況となり、担当者は帰国せざるを得ない状況となったと聞く。そして、コロナ明けの今、導入そのものの先行きにも暗雲が立ち込めてきた。
まずは為替による輸入車の価格上昇だ。ステランティスジャパンが導入する全てのブランドで、度々の価格改定が実施。全ブランドで、価格帯の上昇が見られた。
そのため、既存の購買層との乖離も起きており、販売自体の厳しさを増している。そのため、現在の乗用車8ブランドの中でも、より明暗が分かれてきてもいる。
正直、ブランド拡充よりも販売の立て直しが急務なのだ。さらにオペル自身も、2023年6月に、オーストリア・ウィーン工場の閉鎖を発表。
オペル側は、ギアボックス生産を行っている工場であるため、EVシフトの時代に、将来性がないということを理由とするが、これはオペルブランド自体の将来が大きく見直されているとも受け取れる。
また日本での正規ディーラーを担うのは、地場の自動車販売店であるため、自動車が売れない時代に生き残りを掛けた経営投資にはシビアだ。
一度、撤退したブランドでの挑戦は、リスキーだと判断している面も感じる。正直、オペルの再導入は、儚き夢と終わってしまうだろうと見ている。
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