今や日本市場の販売台数におけるMT車の比率は、わずか2.6%(2017年)。スポーツカーのMTも年を追うごとに減り続け、ランボルギーニやフェラーリ、ポルシェなど、主要スポーツカーメーカーのトランスミッションは、いまやデュアルクラッチ式のDCTが主役だ。
日本ではマツダがCX-8以外の車種にMTを用意するなど、唯一、MTを充実させているが、ほかのメーカーは一部車種にとどまっている。
しかし、クルマの運転を楽しむならMTがイチバン! 自分の意志でクルマを自在に操る「意のままに操る感覚」はMTでしか味わえないものだ。
また、連日、高齢者のブレーキの踏み間違いによる悲惨な事故が発生しているが、高齢ドライバーは3ペダルのMT限定にした方がいいと意見も出ている。
そこで、再びMT車に注目してみようじゃありませんか! とはいえ、高額車はなかなか買うことができないので、今回は200万円以下で、走りが気持ちいい中古のMT車を探してみました!
文/萩原文博
写真/ベストカー編集部
まずは、新車で買えるMT車は?
中古車を探す前に、まずは新車で買えるMT車を紹介しておこう。現在、予算100万円以下で新車購入できるMT車は84万7800円のスズキアルトFの1車種だけ。
続いて、200万円以下で買える新車のMT車を探してみた。
軽自動車では、 S660βの198万720円のほか、 スズキワゴンR FAの119万7720円~119万9880円。そしてハスラーの110万520円~122万1480円、ジムニーの145万8000~174万4200円、アルトワークスの150万9840~165万5640円など、スズキの軽自動車がズラリと並ぶ。
一方の登録車ではさすがに100万円以下で購入できる車種はなく、200万円以下では、145万6920円のスズキスイフトXGリミテッドをはじめ、149万400円のマツダデミオ 15S、トヨタカローラアクシオ1.5Xの150万7680円など割安な価格で手に入るMT車となっている。
しかし、残念ながら、車種のラインアップとしては本格的に走りを楽しめる車種ではない。走りを楽しめる車種でMT車が設定されていると絞ると、アルトワークスの150万9840円、S660βの198万720円、スイフトスポーツの183万6000円、マーチニスモSの184万2480円。
そして変わったところでは輸入車のルノートゥインゴ ゼンの177万円というのを見つけることができる。200万円以下では、新車で走りを楽しめるMT車というと、ほとんど選択肢がないというのが現状なのだ。
ということで、予算200万円以内で買える、気持ちのいい走りが味わえるMT車を見ていこう。
旧型スイフトスポーツ 2011~2016
まず、取り上げるのは旧型のスイフトスポーツ。現行型は1.4L、直4ターボエンジンを搭載しているが、先代はハイオク仕様の1.6L、直4自然吸気エンジンを搭載。
最高出力136ps、最大トルク16.3㎏mを発生する1.6Lエンジンには6速MTが組み合わされ、最高出力136psを使い切るキレのよい走りが味わえる。
現行モデルでも200万円以内で買えるが、なぜあえて旧型を選んだのかというと、パワフルさでは現行型に譲るが、レッドゾーンまで回す楽しさは断然旧型に軍配が上がるからだ。
現在、旧型スイフトスポーツのMT車の中古車は約250台流通しており、価格帯は約45万~約170万円となっている。諸費用込み100万円まで用意できれば、長く付き合えそうな走行距離の少ない物件にも手が届く!
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