【さらば愛しきビートル 80年の歴史に幕】購入への道と快楽

これを読めば完璧!【空冷ビートル中古車購入ガイド】

 さて、日本では1953年~1978年まで正規販売され、2003年までメキシコで販売されてきたが、年式によってどこがどう違うのか、どの年式のモデルが人気なのか? 空冷VW専門店「FLAT4」に空冷ビートルの魅力をお聞きするとともに、空冷VW専門誌『ストリートVWs』編集部に中古車相場を聞いた。

 空冷ビートルは、VWファンの間で年代別に「スプリット」、「オーバル」、「ロクナナ」、「アイロンテール」、「ビッグテール」などの通称で呼ばれている。そうした通称&年代別に分けて紹介していこう。

 中古車相場について、空冷VW専門誌『ストリートVWs』編集部では、

「ビートルのプライスは、年式だけでなく、さまざまな理由で上下します。ボディの状態(腐っていることも多いです)、エンジンの調子(オーバーホールがしてあるだけで50万円以上アップします)、パーツがオリジナル(世界中から社外品が発売されています)、そして貴重なオプションが付いていると価格がアップする傾向にあります。

 また、カスタムやチューニングされた車両は、そのメニューによってプラスにもマイナスにもなります。30万円で買えたビートルが100万円の時代です。この10年で、相場は下がっていません。ドライブするのが楽しいビートルですから、投機目的よりも本当に欲しい人が求めた結果でしょう」。

 これを踏まえたうえで、各年式の中古車相場を紹介しよう。

スプリットウインドウ ~1953

1951年式タイプ1スピリットウインドウ。ベルギーから持ち込まれたヨーロピアンDXモデル
1951年式タイプ1スピリットウインドウ。ベルギーから持ち込まれたヨーロピアンDXモデル
エンジンは1131cc、25psを発生する強制空冷の水平対向4気筒を搭載
エンジンは1131cc、25psを発生する強制空冷の水平対向4気筒を搭載
2分割に分割されたウインドウからスプリットウインドウと呼ばれる
2分割に分割されたウインドウからスプリットウインドウと呼ばれる

 1953年までに生産されたモデル。外観での大きな特徴はリアウインドウが2分割になっていること。このことから「スプリットウインドウ」と呼ばれている。

 エンジンは強制空冷の水平対向4気筒で1131cc。誕生時からエンジンは強制空冷方式であり、後年に排気量は拡大され、出力も向上するものの、生産終了までこの方式は踏襲されていた。

 テールランプにも注目。反射鏡(リフレクター)のみで、ウインカーはセマフォーと呼ばれる格納式のウインカーが装備されている。

■中古車相場/スプリットウインドウ
 リアウインドウが2分割の初期のモデルです。1953年まで生産されました。カワイイというより、重厚な感じです。10年前までは300万円もあれば購入できましたが、今では世界中のクラシックカーブームに乗って投機対象になり、500万~700万円くらいです。1940年代のモデルには1000万円以上の値段が付くこともあります。

オーバルウインドウ 1953~1957

1955年式ならではのリフレクター付きの通称”ハートテールライト”やセマフォー、”涙目”と呼ばれるHELLA製フルーテッドヘッドライトレンズなどを装備するオーバルウインドウ
1955年式ならではのリフレクター付きの通称”ハートテールライト”やセマフォー、”涙目”と呼ばれるHELLA製フルーテッドヘッドライトレンズなどを装備するオーバルウインドウ
斜め後ろから見た美しいオーバルウインドウの姿
斜め後ろから見た美しいオーバルウインドウの姿
窓が楕円形、オーバルの形からオーバルウインドウと呼ばれている
窓が楕円形、オーバルの形からオーバルウインドウと呼ばれている

 1953年~57年にかけて生産された「オーバルウインドウ」。リアウインドウが楕円形のウインドウに変更されたことからその名称となっている。

 エンジンは1192ccに拡大され、出力も25psから30psにアップ。一方ではフロントボンネット下のトランクの容量も拡大され75Lから85Lとなり使い勝手も向上。

 なおUSモデルのみウインカーはセマフォーからブレットタイプに。バンパーも同モデルのみダブルバンパーが採用される。

■中古車相場/オーバルウインドウ
 リアウインドウが小さな楕円形のモデルです。世界中に輸出されて生産台数が爆発的に増えたこともあり、価格上昇はスプリットウインドウよりも緩やかです。それなりの状態のものは200万円から狙えます。しかしオリジナルに忠実にレストアされた個体は、500万円を超えます。

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