【さらば愛しきビートル 80年の歴史に幕】購入への道と快楽

スモールスクエアウインドウ 1958~1964&ラージスクエアウインドウ 1965~1966 

1964年式のスモールスクエアウインドウ
オーバルウインドウの後に登場したスモールスクエアウインドウモデル

 1958年からはリアウインドウが拡大し四角の形状になった「スモールスクエアウインドウ」に。年式でリアのウインドウ面積が小さなスクエアタイプと大きなラージスクエアタイプと分かれているのだが、まとめて紹介することにする。

 スモールスクエアウインドウは1958年~1964年までのヘッドライトにカバーが備わり、目が大きく見えるのが特徴。年を追うごとにウインカーが大きくなり、1965年モデルからはリアウインドウがひと回り大きくなり、ラージスクエアウインドウと呼ばれる。

■中古車相場/スモールスクエアウインドウ&ラージスクエアウインドウ
 古いほど価格は高めとなりますが、それよりも程度によって左右します。50万円くらいで購入できるものは、それなりの腐食があるでしょう。この年代になると、新車時の塗装や内装がオリジナルのまま残っている個体もあり、300万円を超えてきます。

1965年式ラージスクエアウインドウモデル
1965年式ラージスクエアウインドウモデル
1965年からリアウインドウがさらに大きくなり、ラージスクエアウインドウと呼ばれる
1965年からリアウインドウがさらに大きくなり、ラージスクエアウインドウと呼ばれる

ロクナナ/1967

1967年製造のロクナナ。ボディは新しくペイントされ内装も一新されている。バンパーはダブルバンパーを装着しているほか、FLAT4オリジナルのBRMホイールが装着されている
1967年製造のロクナナ。ボディは新しくペイントされ内装も一新されている。バンパーはダブルバンパーを装着しているほか、FLAT4オリジナルのBRMホイールが装着されている
スプリット、オーバルに次いで人気のあるロクナナ。価格は高いもので300万円前後。テールランプは小判に似ているのでコバンテールと呼ばれている
スプリット、オーバルに次いで人気のあるロクナナ。価格は高いもので300万円前後。テールランプは小判に似ているのでコバンテールと呼ばれている
U.S.エクスポートモデルの特徴であるU.S.スタイルバンパー 、FLAT4 REVMASTERデュアルクワイエットマフラーを装着
U.S.エクスポートモデルの特徴であるU.S.スタイルバンパー 、FLAT4 REVMASTERデュアルクワイエットマフラーを装着
綺麗な状謳に保たれているインテリア。FLAT4のGTウッドステアリングを装着
綺麗な状謳に保たれているインテリア。FLAT4のGTウッドステアリングを装着

 電装系がそれまでの6Vから12Vに切り替わるという、タイプ1の歴史のなかでも非常に重要なターニングポイントとなるモデル。

 1966年8月から67年7月までにドイツ本国で生産されたタイプ1がいわゆるロクナナといわれているモデルだ。

 最大の特徴は、US&日本仕様では12V化と同時に、ヘッドライトの形状がフロントフェンダーのラインに沿ったスロープスタイルから、直立型に変更されたこと。なおかつ、ダブルバンパーを備える最後のモデルでもある。

 直立型ヘッドライトとダブルバンパー、ヴィンテージVWの味わいと、現代の交通事情でも安心して走れるパフォーマンス、双方の魅力を持ち合わせているモデル。

■中古車相場/ロクナナ
 1967年式の北米仕様(日本仕様も含む)に限り、ダブルバンパーでありながらヘッドライトが垂直になって、独特の表情です。さらにフロントフェンダー、リアフードのデザイン、リアダブルバンパーの形状、ドアハンドルなど1967年式しか採用されなかったディテールも多く、レースでも活躍したので熱狂的なマニアが存在する年式なのです。中古車相場は150万~300万円で、正しい1967年式のディテールをキープしているほど高価になります。

アイロン&ビッグテール 1968~1978

1969年式のアイロンテール
1969年式のアイロンテール
まるでアイロンのようなテールランプを持つことからアイロンテールと呼ばれる
まるでアイロンのようなテールランプを持つことからアイロンテールと呼ばれる

 1968年からは北米で新しい安全基準が設けられたため、安全性を考慮して、前後バンパーがプレス成形による直線的な形状となり、テールランプが大型化された。

 このテールランプがアイロンのような形をしていることから、1968〜72年のモデルは「アイロンテール」と呼ばれている。

 1973年以降はテールランプがさらに大型化されて金属製のハウジングを持たない仕様となり、こちらは「ビッグテール」と呼ばれる。

■中古車相場/アイロンテール&ビッグテール
 1968年~1978年までに生産され、大きなプレスバンパーが特徴です。1972年まではテールランプ形状から、アイロンやロケットと呼ばれ親しまれています。1973年からは大きな小判型のビッグテールになります。この年代になるとヤナセの正規輸入車が多く、30万円から探せますが、相場は100万円前後。新車時のオリジナルと保っていると150万円を超えてきます。

1978年式のビッグテール
1978年式のビッグテール
歴代モデルのなかで最も大きいテールランプを持つビッグテールモデル
歴代モデルのなかで最も大きいテールランプを持つビッグテールモデル

グローリービートル/1978

日本限定でわずか500台(ブラック/ホワイト各250台)しか生産されなかった貴重な限定モデル”GLORY  BEETLE(グローリービートル)”。開放感抜群のVW純正スライディングルーフやレッドチェックパターンのシート、National製AM/ FMラジオ等が標準装備されており、最終モデルに相応しい特別仕様となっている
日本限定でわずか500台(ブラック/ホワイト各250台)しか生産されなかった貴重な限定モデル”GLORY BEETLE(グローリービートル)”。開放感抜群のVW純正スライディングルーフやレッドチェックパターンのシート、National製AM/ FMラジオ等が標準装備されており、最終モデルに相応しい特別仕様となっている
比較的新しいモデルでドイツ生産にこだわるのであればグローリービートルがお薦め
比較的新しいモデルでドイツ生産にこだわるのであればグローリービートルがお薦め
グローリービートル専用のレッドチェックパターンのシート
グローリービートル専用のレッドチェックパターンのシート

 1978年にタイプ1はドイツでの生産を終了することになるが、その最終限定モデルがこのグローリービートル。ヤナセが500台を正規輸入した。チェック柄シートやAM/FMラジオ、シート柄と同じキーケースと工具入れにボストンバックまで装備するなど特別なモデルとなっている。

■中古車相場/グローリービートル
 やはり人気が高く、程度によっても幅がありますが、130万円前後から200万円を超えるものまでさまざま。グローリービートルの特徴でもあるチェック柄シートの破れや痛みなどがないかしっかりチェックしよう。

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