【さらば愛しきビートル 80年の歴史に幕】購入への道と快楽

40年所有するオーナーが激白「ビートルの魅力とは?」

八木眞さん。年齢:67歳。職業:テニスコーチ。年式:1977年式
八木眞さん。年齢:67歳。職業:テニスコーチ。年式:1977年式

 最後に、VWビートルと長くつきあっていくうえで、メンテナンスや日頃の運転に関して気を付けることはあるのだろうか? そこで、実際に乗っているオーナーさんに話を聞いてみることにした。

 お話を聞いた東京都内にお住まいの八木眞さんは1977年式のビッグテール(インジェクション車)をCal-Lookにカスタム。

 なんと、40年以上も大事に所有しているそう! メンテナンスも8年前からFLAT4にて面倒を見てもらっており、今も元気(過激!?)に走り回っているのだ。しかも右ハンドルのヤナセものという貴重な車両! 八木さんに愛車の思いについて語ってもらった。

購入のきっかけは?

ステアリングはMOMO製で、標準ではメーターは一つだけだが、八木さんの愛車はポルシェ914のタコメーターを中心に7連メーターをレイアウト!
ステアリングはMOMO製で、標準ではメーターは一つだけだが、八木さんの愛車はポルシェ914のタコメーターを中心に7連メーターをレイアウト!
フロントシートだが、以前はリアシートのカラーリングに合わせた別のバケットシートを装着していたそうだが、今は配色の異なるRECARO製のシートを装着
フロントシートだが、以前はリアシートのカラーリングに合わせた別のバケットシートを装着していたそうだが、今は配色の異なるRECARO製のシートを装着

「購入のきっかけですが、この年式が欲しかったんですよね。というのも、ビートルって、スタイルは変わらないのですが、細かい所が年式によって変わってくるんですよ。

 この年代だと、フロントに曇り止め(デフロスター)が装備されているのです。この前の年式は付いていないので、これだけのために手に入れたようなものです(笑)。

 実はビートルは今の愛車も含め、4台を所有していました。最初のビートルは1963年式のモデルで、中古でボロボロの状態で手に入れて電装系が6Vということもあり、よくエンストして止まった覚えがありました。

 また、友人に作ってもらったロールスワーゲンというフロントとリアまわりが“ロールスロイス風”になっているビートルも所有していました。これは当時でも珍しいということで、ビートルのディーラーであったヤナセさんに貸し出して展示もしてもらった思い出があります。ボディカラーもイエローだったのでとにかく目立ちましたね(笑)。

 あと……当時のことで言うと、あの頃は国産車の性能も上がって、あっちの方がスペックは高いというのは分かりましたが、同じワーゲンを所有する仲間達の間では、愛車が追い抜かれても決して不快にならず、外車の誇りを持とうと(笑)。むしろ、大人のゆとりを見せるつもりで走ってましたね。

ビートルの魅力とは?

「隣に兄が住んでいて、その兄から言われるのですが『大人のおもちゃみたいだな』と言われます。(笑)。

 最近だと、街中で割と年配の外国人からサムアップされますね。良いクルマだとか、大切に乗っているね、という意味なのでしょう。一方では信号待ちで隣のクルマの人から声を掛けられるます。年式や生産国などを聞かれますね。昔乗っていたということで気になるみたいです。私自身も同じように、街でビートルを見るとドキッとして、気になって見てしまいますね。大人のおもちゃではあるけど、生き物みたいです。

 購入当時は40年も所有し続けると思いませんでした。気が付けばこんなに長く乗っていたという感じですね」

これまでに大きなトラブルは?

エンジンは1回目のオーバーホールを機に排気量を2007ccにまでUPしており出力も125psという驚異的なスペックを出している。マフラーはタコ足のようなレイアウトのバイソンマフラーが装着されている。ちなみに過去3回のオーバーホールやボディのレストア代だけを聞くと……、VWの現行ラインアップの中でもトップモデルが簡単に買えるくらいのお値段でした!
エンジンは1回目のオーバーホールを機に排気量を2007ccにまでUPしており出力も125psという驚異的なスペックを出している。マフラーはタコ足のようなレイアウトのバイソンマフラーが装着されている。ちなみに過去3回のオーバーホールやボディのレストア代だけを聞くと……、VWの現行ラインアップの中でもトップモデルが簡単に買えるくらいのお値段でした!

 「実はJAFに毎年お世話になっています(苦笑)。トラブルは慣れっこです。夏は鬼門ですね。以前に軽井沢へ出かけた時は渋滞にハマってしまって、油温がかなり上がってしまって急遽、クルマを止めてエンジンを冷ました時がありました……。

 行き交う人から『大丈夫ですか? どうしたんですか?』と言われたのだけど、こっちはエンジンを冷ましているだけなのでイヤイヤ、大丈夫ですと返事をしていました(笑)。

 ちなみにエアコンですがFLAT4で扱っているキットを装着しているのですが、これは冷却能力も高く、使用時もエンジンパワーが下がる事もないので便利です。あと、これから(秋)の季節は良いシーズンですよね」

今後もずっと乗り続けていく?

 オーバーホールにはじまり、ボディのレストアまで手がけたことで「当面は手を入れる所はない」という八木さん。愛車も、外観は当時の面影を残しつつも中身は最新! ということで灯火類も最新のLEDに変えられており、ETCの車載器もしっかり装備。今の道路事情に合わせた仕様になっているのだ。

 今後の愛車について聞くと「これからは環境問題でガソリンエンジンの行く末がどうなるか……ですよね。

 もしかしたら、EVの時代がやってくるかもしれません。でも、ビートルだと外観だけを残して中身をEVにするのもあるみたいですから」と、コメント。

 もしかしたら、外観はそのままに最新のEV技術を投入したビートルになるのかも! 八木さんのビートルはこれからも愛情をたっぷり注がれていくに違いない。

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