2022年1月26日、資源エネルギー庁が公開した資料によると、レギュラーガソリンの全国平均価格が170.2円/L(1/24時点)と、170円を超過。これを受けて、日本政府は石油元売り会社へ、1Lあたり3.4円の補助金を27日より支給すると発表しました。高騰を続けるガソリン価格は、この措置を受けて安くなってゆくのでしょうか?
文/ベストカーWeb編集部
写真/AdobeStock(アイキャッチ写真は@Norman01)、TOYOTA
■「明日からすぐ値下げ」というわけにはいかなそう…
近年高騰が続いているガソリン価格。レギュラーガソリンの全国平均価格が170円/Lを超えたのは約13年4か月ぶりとなる。今回発動されるガソリン価格の抑制策は、昨年(2021年)の追加経済対策に盛り込まれたもので、新型感染症により疲弊した経済を、ガソリン高騰によりさらに苦しめないための救済措置となる。
支給額はガソリンの市況価格によって決定され、明日からの支給は、基準額となる「170円/L」からの超過分「0.2円」に今週影響を受ける見込みぶん「3.2円」を足した、「3.4円/L」となる(事後精算で支給される。最大5円/L)。
支給されるのはあくまで「政府から石油元売り会社へ」となり、また細かい小売り価格は地域ごと、店舗ごとに異なるため、明日からすぐに「全国のスタンドで、1Lあたり3.4円ぶん、ガソリン価格が値下がりする」というわけではない。
また石油元売り各社や各ガソリンスタンド店舗には、これまで高値で購入してきたガソリンが備蓄されており、さらに各地域ごとに価格競争など細かい事情もあり、値下げは一週間程度かかる地域もあると見込まれる。
ただし、この措置を受けて石油元売り会社各社は「政府からの支給ぶんはガソリン小売り価格に反映させる方針」を発表しており、また政府も実際の小売り価格を注視(調査)していくことを公表。一定の値下げ効果は期待できそう。
一部ガソリンスタンドから明日以降徐々にガソリン価格の値下げが見込まれるので、給油期間に余裕のある方は、待てるだけ待ったほうがよさそう。
そのいっぽうで、近頃のガソリン高騰の根底にある国際情勢や原油市況価格をめぐる環境は依然悪化を続けており(たとえばウクライナ危機)、今後もガソリンの市況価格の先行きは不透明。景気に与えるマイナス影響も大きい。
一部野党からは法改正による「トリガー条項」(2010年に導入された景気対策のひとつ。ガソリン価格が一定以上高騰した場合、「揮発油税」、「地方揮発油税」の特別税率分25.1円を徴収しないようにする措置。東日本大震災の復興財源確保のため凍結中)の凍結解除を求める要望も出ているが、現時点では政府はこの要請にこたえる動きはない。ガソリンについては二重課税の問題もあり、また地方では特にガソリンは生活に直結したライフラインとなっているため、さらなる対策を求めたい。
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