【現代の必需品】ドライブレコーダーの選び方 虎の巻

 ドライブレコーダー(以下ドラレコ)の2017年の販売台数は、調査会社によっては前年比140%近い伸びを示したという。

 実際、ドラレコはもはや必需品と言っていい。自分自身が充分に気をつけて運転をしていても、周囲に思いもよらぬ運転をするドライバーがいたり、対向車線から事故車が飛び込んでくるという事故の事例もある。そしてなにより「ドラレコがある」ということそれ自体が、そうした事態の抑止にもつながっているという事実がある。

 ドラレコの性能はどんどん上がっている、しかしそうなると「自分に扱えるのかな…?」と不安に思う方も出てくるだろう。しかし正直いってこれは待ったなし! このガイドをぜひ参考に、購入の検討を進めてもらえれば幸いだ。

※本稿は2017年のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2017年12月26日号


■画像のよさは重要!ワンボディ型が主流

 もともとトラックやタクシーなどの事業車両にはタコグラフと呼ばれる運行記録計が搭載されていたが、これ自体は速度や運転時間などから運転の仕方(クセ)などを記録することで運送事業者がドライバーに対して指導を行う際に活用されるものだった。しかしこれでは客観的なデータは取得できても、万が一の事故などリアルな状況を把握することはできない。そこで登場したドラレコの前身となるイベントレコーダーと組み合わせることで、ドラレコは事故分析などを客観的に行えるようになった。

 記録装置という点で基本的な考えは変わらないイベントレコーダーとドラレコだが、ドラレコの場合、民生用に展開する際に事故の記録だけでなく、車上荒らしへの対応やドライブ時の思い出を後で楽しむ「ドライブログ」など、エンタメ的な機能を持たせることで販売を伸ばしている。

■ドラレコの基本機能と「買い」のポイント

画質

 画質は年々向上していて、上級モデルでは300万画素(画素は画面の「きめ細やかさ」を示す単位だ)以上のものもある。できれば最低でも200万画素で録画できることがのぞましいだろう。また、画像補正機能を搭載した機種も増えていて、明暗差を解消した映像を実現している。明暗差に強いHDRやWDRといった機能も重要だ。

写真下が高画質モデルの記録画像。最近の上級モデルはフルハイビジョン以上の300万画素クラスの高画質を実現している。ナンバーの見え方にもかなり差が出る

G(加速度)センサー

 Gセンサーによって、急ブレーキや急加速、急ハンドルなどを検知すると、その前後数十秒の記録は保護される機能。上級モデルのほとんどに搭載されている。

駐車監視は、Gセンサーが衝撃をキャッチしたり、人の動きを感知すると記録が保護される機能

広角レンズ

 レンズにも様々な種類がある。広い範囲をボケることなく録画できるレンズのものを選ぼう。さらに四隅に歪みの少ないものであれば文句なしだ。

GPS受信

 人工衛星の電波をキャッチして、自車位置や時間、速度などの情報が得られる機能。カーナビなどでもおなじみの機能で、上級モデルには標準搭載されている。

駐車監視

 エンジンをかけていない時でも音と映像を記録できる機能。当て逃げなどの記録が残せる。衝撃を感知するタイプや周囲で動くものを感知するタイプがある。

 これらに、フレームレート機能(FPS=1秒間に記録できるコマ数。約30fps以上なら問題ないだろう)、駐車管理機能やそれを可能にするオプション拡張性、車線逸脱などの運転支援機能やWi-Fi機能などを好みでセレクトすればいいだろう。

■購入時のポイントは?

 基本的な機能を抑えた上で、では実際にドラレコを購入する場合、どのような点を重視すればいいのだろうか。

 実はドラレコの機能は短期間で大きく進化しており、それまでのトレンドが古くなっている場合もある。また同機能であれば小型化、さらに低価格化も進みコスパは向上。逆に多機能になれば当然価格は上がるわけだが、その分昨今問題になっている車上荒らしや運転中のトラブルにも対応できるようになっている。

 まずタイプだが、カメラと録画した画像の確認や各種機能の設定確認のために液晶モニターを搭載した一体式、そしてこれらを分離しユニット自体をコンパクトにした別体式がある。一体式はカメラやモニターがひとつになった形状がほとんどだが、なかにはモニターを内蔵したルームミラーと一体化することで通常は普通のルームミラー、後で記録を確認する際には大きめのディスプレイで見られるモデルも販売されている。

 いっぽう、別体式の場合、昨今のトレンドはカーナビ(基本は同じメーカーでなければ接続はできない)のディスプレイ内で各種設定や操作、記録動画の確認などができる連携モデルが増えてきている。

 さらにもともとドライブレコーダーは道路運送車両法の保安基準において取り付け位置が決められているが、2017年6月の改定でこれまで前方を写す目的で限定されていたドラレコが前後方(車内も含む)へのカメラの装着が可能になった。これにより後方からの追突や昨今問題になっている「あおり運転」などの状況を記録することもできる。商品については一体式で前後または360度の録画ができるもの。カーナビに連携したリアカメラを活用し前後を同時に記録できる商品が増えている。

■取り付けタイプ別ドラレコガイド

ワンボディ型

 ワンボディ型はその名のとおりカメラやディスプレイが一体となったモデル。メリットとしては取り付けが簡単ということ。価格はピンキリだが全体的に低価格で購入できる。視界を妨げないようにボディ自体はコンパクトにせざるを得ないのでディスプレイが小さく、そのため設定操作などがしづらいのが難点。ただし、一番売れているのがこのタイプなので選択肢は多い。

セパレート型

 セパレート型のメリットはとにかくカメラ部分を小型化することでウィンドウに取り付けても目立たないし、手元での操作が可能なこと。さらに昨今増えている衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備はドラレコと干渉するケースが多く、取り付けには注意が必要だが、セパレート型ならばカメラが小型なので干渉を極力抑えることができる。

ルームミラー型

 ルームミラー自体にカメラとディスプレイを内蔵する一体型の別進化版とも言えるのがミラー型。装着は純正ミラーに被せるように行うので取り付けた際の仕上がりはスッキリしている。

 映像自体をそのまま見られるメリットがあるが、もともと自動防眩機能を搭載しているルームミラーの場合、その機能自体が使えなくなってしまうので注意。

2カメラ型

 1つの本体に2つのカメラユニットを搭載し、前後を同時に録画することができるもの。前方だけでなく、最近では後方からの追突などの記録に対するニーズが高まっており今後は増えていくだろう。デメリットはやや本体が大きくなることやフロントに対してリアカメラの画質がやや落ちる傾向の商品が多いこと。

360度カメラ型
 

 現在、理想の一台とも言われているのが360度を録画できるタイプ。全天球カメラと呼ばれるものを使うことで側面など今まで死角になっていたエリアもしっかり録画できる。さらに走行時だけでなく駐車時の監視機能にも効力を発揮する。デメリットとしてはまだ価格が高いことと、閲覧に専用のビュアーアプリなどが必要な点。

■素朴なギモンあれやこれや

 装着したいけれど、どこを調べても出てこない……と、多くの人が抱くギモンについて、ドライブレコーダーメーカーのデータシステムに聞いてみた。

どのくらいの暗さ、明るさまで撮影することが可能か?

 何メートル先までという明確な数値はないものの、ヘッドライトが届いて目視で見えている範囲にある障害物や対象物であれば、撮影可能です。

 明るい場合は、直射日光を受けていなければ、まわりが相当明るくても白飛びすることはなく、撮影することができます。ただ直射日光を受けた場合は、機械の中で白飛びをしないように処理をするため、画像が全体的に暗くなり、細かい部分が不鮮明になることがあります。

 HDR機能という白飛びを抑える機能がありますが、直射日光は得意とはいえません。

イタズラや盗難防止に効果的な、駐車監視機能とはどんな機能なのか?

 駐車監視機能を搭載した製品は、常時電源を使用して動作しており、エンジンが切れている状態でも、バッテリーから電気を供給しています。

 あるメーカーの製品は、衝撃が加わったことをトリガーにして録画を開始しますが、それまでは消費電力を抑えるようになっています。ほかにもカメラだけが動いていて、映像に変化があると動作を開始するという製品もあります。こちらは消費電力も多くなるので、頻繁に乗らない人の場合はバッテリー電圧が低下してしまうことがあります。

 駐車監視機能を持ったドライブレコーダー向けには、専用の電源アダプターが別売されている製品が多く、バッテリー上がりを防止するため、ある電圧まで低下した場合、ドライブレコーダーへの電源供給を中止するセーフティ機能が採用されています。

ドライブレコーダーが自動ブレーキに電波干渉するという噂があるが本当なのか?

 確かにそういう話はあります。ただし実際に電波干渉を起こすのかを再現するのは、社外品メーカーでは安全性の面からも難しい状況です。

 昔から地デジなどは電波干渉しやすいということが確認されていて、今発売されている製品は地デジに影響を及ぼすような電波が漏れないように、ノイズ対策をした設計となっています。

 取扱説明書には、自動ブレーキのカメラなどがあるセンター部分から離して取り付けるようには書かれています。そうすれば電波干渉はしにくいのではないかと思われます。

 安いドライブレコーダー(型落ち品を除く)に関しては、このノイズ対策がされていないものが多いので、地デジが映らなくなるなどのトラブルが発生するということはよく聞きます。

ドライブレコーダーは、クルマのフロントガラスに貼り付けても問題ないのか?

 保安基準で「前面ガラスに道路及び交通状況に係る情報の入手のためのカメラを設置することができる」となっています。ただし場所も規定されており、ガラス高さ方向の上部20%とされています。その範囲に貼らないと、ドライブレコーダーであっても保安基準に違反しているとみなされます。

夏場にフロントガラスに貼ってあると心配。ドラレコは何℃まで撮影可能なのか?

 弊社のドライブレコーダーであれば、80℃の状態で8時間連続稼働させる条件で動作確認テストを行っています。この温度までであれば、正常に作動することを確認しています。

 ただし、通常使用している環境では、80℃まで達することはないと考えられます。真夏でも人が乗っている状態ではエアコンも使用しているので、高くても40〜50℃くらいと考えられますので、問題なく使用していただけます。

事故などもしもの際に必須。ドライブレコーダーをその場で見ることができるのか?

 製品によります。ディーラーオプションなどでモニターのないものは、その場での確認はできないと思います。

 弊社の製品も含めて、背面にモニターを搭載した製品に関しては、再生機能を搭載していますので、その場で確認することができます。しかし、モニターサイズが小さいので、ナンバーなど細部まで確認は難しいと思います。

 弊社の製品に関しては、HDMIとアナログのAV出力が付いているのでナビ連動も可能で、大きい画面で確認することもできます。録画した映像だけでなく、リアルタイムの映像も確認することができます。


【番外コラム】ドラレコは証拠として有効?

 いくらエンタメ性能が向上したからといってもドラレコの本質は万が一のトラブルの際の記録にある。それでは実際に事故が起きた時、記録された映像は裁判などで証拠として使えるのか? 実はこれが一番知りたかったりする。結論から言えば「確実ではないが、ないよりははるかにマシ」である。

 奥歯にものが挟まったような言い方だが、法的視点から見ると効力自体はない。しかし現実の事故や裁判では証拠として提出することで役立つケースは数多く存在する。

 刑事事件の場合、これらの映像は客観的証拠として求められるがドラレコの場合はあくまでも個人の映像のため客観性という点では劣るわけだ(防犯カメラなどは第三者のものなので効力が発生しやすい)。しかし、事故が起きてしまい自分が救急車で運ばれてしまって現場検証に立ち会えない場合など、ドラレコの映像は裁判では有益な証拠となることもある。

 重要なのは映像自体がきちんと記録されていること。ドラレコの高画質化にはきちんとした理由があるわけだ。

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