さらばG-BOOK!! 先進的カーナビの終焉は呆気ないものだった

■まさかの盲点にがっかり

筆者のプリウスPHVは最上位の「Gレザーパッケージ」、HDDナビやHUDが標準装備となる
筆者のプリウスPHVは最上位の「Gレザーパッケージ」、HDDナビやHUDが標準装備となる

 プロショップからの返事は「その気になればやれますが、かなり高額になる」「実車を見ないと何とも言えない」、前述した市販カーAVメーカーの記載と同じで「そのグレードは取り付け不可」というものまで様々だった。

 そして某ショップからの返事のひとつに「そこか~」と思わず肩を落としてしまった。

 そのショップによると「このグレードにはシンプルパーキングのような車庫入れ等をサポートする機能が付いているはずですが、これを機能させる「舵角センサーからの信号」がナビに接続されているはずです。

 またHUD(ヘッドアップディスプレイ)にもナビ案内が出せますが、ナビを交換するとこれらの機能は全て使えなくなります」とのことだった。

 それでも交換できないのか?と食い下がってみると「HUDは使わなくても済むが、舵角センサーを潰すわけにはいかないので安全性の面からもやめたほうがいい」とのこと。

 ちなみに舵角センサーはギアをバックに入れた際、ディスプレイ上に進行ラインが表示させる機能もあるが、ショップによると「バックカメラだけならば連動できる変換アダブターがあるが、シンプルパーキングのような機能はステアリング操作まで関わってくるし、各種センサーとの連携もあるので、やはりやめた方がいい」とのことだった。

■今後発生しそうな“テレマ難民”にはどう対応すればいいのか

 ここまで説明してくれたショップにも感謝だが、メーカー純正のテレマティクスサービスの利便性を今まで享受してきたユーザーにとってサービス終了は死活とまでは言わなくても深刻な問題だ。

 実際、IoTの進化に伴い、各自動車メーカーのテレマティクス環境は転換期に入っている。

 ・トヨタ→G-BOOKからT-Connect、そして次世代型への進化(OTA機能の搭載など)
 ・日産→カーウイングスから「NISSANConnect」へ
 ・ホンダ→インターナビから「Honda CONNECT」へ

 G-BOOKは終了したが、他社のサービスは車種ごとに現在並列で運用している、しかしいずれ現在最新のサービスに完全スイッチすることは容易に想像できる。

 また今後を考えると5G通信が車載側に実搭載(運用)された際にはさらなるサービスの進化(自動運転への応用も含む)も期待できるが、筆者のように現在これらのサービスを使っている現ユーザーは今後“テレマ難民(筆者命名)”になってしまう可能性がある。

 また中古車の購入を考えている人にとって、これらのシステムが搭載されている場合、どう選べば良いのだろうか。

■中古車選びはあえてシステム非搭載グレードを狙ってみる

旧型ノア/ヴォクシーなどに設定されている純正ディーラーオプションナビ。DCMだけなく個人所有の携帯電話を接続して「T-Connect」なども使うことができる
旧型ノア/ヴォクシーなどに設定されている純正ディーラーオプションナビ。DCMだけなく個人所有の携帯電話を接続して「T-Connect」なども使うことができる

 G-BOOKサービスは冒頭に述べたように2022年3月末で終了したが、実は先行してG-BOOKを標準搭載した「WiLLサイファ」は2019年3月末でサービスを終了している(システムが異なるため)。

 また極めて流通量は少ないが、マツダやSUBARUも一時期G-BOOKを採用していたこともあるのでそれらもチェックしておいたほうがいいだろう。

 こうなると中古車選びの際、G-BOOKが搭載されているモデルはテレマティクスが使えないので購入前には一度立ち止まって考えた方がいいだろう。

 工場装着のカーナビは昨今も含め、インテリアのデザインにこだわった結果、従来までの「DIN規格」ではない車両も増えてきた。筆者のようにセンサー関連の問題がなく、交換が可能だとしても、その際には専用取り付けキットなど導入時のコストアップも予測される。

 もちろん、この場合はポータブルカーナビや人気のスマホナビを使うという手もあるが、せっかくカーナビが付いているのにテレマティクスが使えないのは厳しい。

 ゆえに中古車選びの際にはあえてテレマティクス非搭載で、2DINサイスのユニット装着が可能、またはディーラーオプションのモデルが装着可能かを検討するという考え方をオススメする。

 メーカーごとの差や取り付け可能車種の制限はあるが、ディーラーオプションにはテレマティクス対応(トヨタで言えばT-Connect)のカーナビも用意されているので取り付けスペースが確保できるのであれば、ディーラーに相談してみるのも手だ。

 もちろん、2DINスペースが確保できるのであれば市販カーナビのテレマティクス対応モデルは選択肢も多く、コスパも高いのでこちらもオススメだ。

 逆に「もうテレマティクスはいらない、でもこの(純正)カーナビは使い続けたい」というのであれば、地図の更新が可能なのかをメーカーのホームページ等で確認することをオススメする。

 地図更新だけであれば概ねだが新車登場時から10年位はフォローしてくれるケースもある。ちなみに筆者のHDDナビの場合は技術料込みで2万3100円だった。

 冒頭に述べたように筆者の場合、現在純正カーナビも使ってはいるが、タブレットやスマホを並列で使っている。しかしこれらの機器は夏場を迎えるにあたり、熱問題のリスクも抱えることになる。

 個人的な気持ちとしてはこのストレスから脱出するためには車両自体を入れ替えるのも視野に入れざる得ないのかもしれない。先立つものは無いが……(号泣)。

【画像ギャラリー】サヨナラなんて言えないよ……G-BOOKがサービス終了!! 搭載車の機能はどうなる!?(6枚)画像ギャラリー

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