子どもが大きくなって家族揃ってクルマに乗る機会もなくなり、「そろそろ自分ひとりが楽しめるクルマ選びができるなぁ~」なんて考えている人もいるのでは。
次の愛車は自分のための“ひとりグルマ”で遊びたい。そんな人たちにとって「狙い目」のクルマは何だろう?
そこで今、おススメの国産車、輸入車、中古車をピックアップ! さらにそのクルマでの遊び方も提案しちゃいます!
●【画像ギャラリー】コペン スイスポ ロードスター! 一人を愉しむためのクルマたちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年1月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年2月26日号
■国産車で選ぶひとりグルマおススメ5選&遊びの提案
(TEXT/清水草一)
現在57歳、間もなく58歳の私は、近年めっきりクルマに多人数を乗せることが減りました。
かつてはずいぶん家族でドライブに出かけたもんだが、今子どもを乗せるのは、実家に帰ってきた時に自宅まで送る時とか、そんなもん。あとお墓参りとか。まだゼロじゃないけど、近年はほとんどひとりで乗ってるね。
そういう年齢になると、ドライブもひとりで楽しまなきゃしょうがない。ひとりで行くしかないんだよ、だって一緒に行ってくれる人がいないんだから! ひとりで乗ってひとりで楽しめる目的地を探すのは、中高年カーマニアの重要なミッションだと自覚しております!
で、どんなクルマでどこへ行くか。
もともと趣味がある人はいいけれど、そうじゃない場合、中高年になってからの趣味づくりってのは意外と難しい。もともとなんにもやってなかった場合、何をすりゃいいのかすらわからない。仲間もいないわけだし。
それを前提に、誰でもひとりで気軽に行ける場所を押さえつつ、お薦めの国産車を5台選んでみました。
■ロードスターで基地めぐり
おひとりさまの中高年だからこそ、夢のロードスターへゴーだ! たまにふたり乗れればそれでほとんど充分ってのが現実だべ? 無趣味な中高年は、クルマに載せる荷物も少ないし。
●マツダロードスター(260万1500〜388万3000円・2人乗り)

で、ロードスターでどこに行くかというと、自衛隊とか米軍とかの基地。できれば飛行場に行きましょう。軍用機見物はロマンがあるよ! なにせ非日常の乗り物だから。民間機と違って飛ぶ時間もよくわかんない。だからいいんだよね。
この間、百里基地(茨城県)に行って、退役間近のファントム見て涙が出ました。ロードスターなら戦闘機のカッコよさにも対抗できる! オレの戦闘機! って感じで盛り上がれるッス。
■スイフトスポーツで日帰り温泉めぐり
別にスイスポじゃなくてもいいんだけど、スイスポってもの凄く楽しいクルマだし、スイ~っと行ってスポッとお風呂に入るのに向いてるかな~って思って。
なにせ日帰り温泉は全国に腐るほどある。とりあえず温泉に浸かるっていう主目的があれば、近辺の観光だってしようかなって気になるっしょ。
ひなびた神社仏閣とか。とにかくスイスポはスポーティですっごくいいクルマだし、コンパクトで取り回しもいい。ひとりで乗るんだから、クルマはちっちゃいほうが絶対ラクチンで楽しいです。
●スズキ スイフトスポーツ(187万〜194万1500円・5人乗り・1.4L 直4 DOHCターボ)

■マツダ3で古戦場&お城めぐりなんてどうだろう
これは私も長年実践しておりますが、古戦場や城は日本中にあるわけで、遠征しないと話にならない。ロングドライブとなると燃費は大事だしトルクも欲しい。だからディーゼルが最適だ。
それでいてボディはコンパクトなほうがいいし、中高年だけにデザインにもこだわりたい。ACCも絶対ほしいよね。なのでマツダ3になりました。
●マツダ MAZDA3(222万1389〜368万8463円・5人乗り)

■コペンでラーメン食べ歩きも愉し
ラーメンが嫌いな人はそんなにいないっぺ。ラーメン食べ歩きは、誰でも今日から始められる趣味。猛烈にハードルが低い。
クルマは別にコペンじゃなくてもいーんだけど、「コペン」ってラーメンっぽくない? なんとなく。
ラーメン食べると体があったまるし、濃厚系を食べた後は冬でもオープンにしてニオイが車内にこもるのを予防! なんてね。
コペンはちっちゃいからコインパに入れるのもラク。気軽にオープンにできて楽しいですよ。
●ダイハツ コペン(188万6500〜238万円・2人乗り)

■N-VANがあれば「プラス車中泊」の可能性にも対応できる!
おひとりさまドライブの終着駅は、おひとりさま車中泊だろう。軽の車中泊はふたりだとかなり窮屈だけど、ひとりならオッサンのひとり王国。日帰り温泉に立ち寄りながら、全国を旅したいじゃないですか! 定年になったらぜひ。オレは定年ないけどさ。
●ホンダ N-VAN(129万1400〜183万2600円・2/4人乗り・0.66L 直3DOHCターボなど)

■輸入車で選ぶひとりグルマおススメ3選&遊びの提案
(TEXT/小沢コージ)
第2のオッサン青春期。小沢のお薦め筆頭は今まで乗りたくても乗れなかった独善ブリティッシュオープン2シーター。それもお気楽な660cc軽仕様のケータハム・セブン160でしょう。
●ケータハムセブン160(407万円・2人乗り・0.66L 直3DOHCターボ)

1950年代から続くロータス・セブンの末裔でルパンに似合いそうな独立フェンダーが超クール。ただし、存在感があまりに奇異なので一般人から変態扱いされるのは覚悟必至なのと、耐候性はぶっちゃけバイク並み。
しかし車重490kgで全長3m強だからダイレクト感は格別でフェラーリ、ポルシェより楽しい。しかも自主規制超えの80psスズキ製660ccターボは自動車税安くてお手頃。
コイツに年金で乗って、孫でも乗せて峠を攻めるべし。
お次はロシアのラーダ・ニーヴァ。1970年代から作られていた走るシーラカンスで、乗った時のレトロ感はベンツGクラス初期モデルの比じゃありません。とにかく乗るだけでタイムスリップ!
●ラーダ ニーヴァ(約300万〜390万円・4人乗り・1.7L 直4SOHCなど)

全体の手でプレスしたような精度の低いボディに最近すっかり忘れられた雨トイが付いており、バンパーは仕様にもよりますがアイアンバンパー!
それでいてサイズは全長3.6m強×全幅1.68mと扱いやすく、84ps/129Nmの1.7L直4エンジン&5MTは意外に乗りやすくて乗り心地も悪くない。
これで六本木ヒルズあたりに乗り込み、あえてベンツGの隣に止めて別格兵器感を楽しむべし。
最後は上記2台より全然フツウに全国ディーラーで買える最後の男のツール、ジープラングラーの3ドア。
●ジープラングラースポーツ(490万円・5人乗り・3.6L V6DOHC)

ラングラーは1940年代の軍用ジープを踏襲する元祖クロカン4WDで、変わらぬフレームボディに前後リジットサス、古典的4WDシステムが売り。
しかし一昨年4代目にフルチェンして超快適に! 男臭さと快適性のバランスはピカイチ。3ドアは受注生産ですが500万円以下の価格も魅力。
ベンツなら1000万円超えの実力とオーラを持ち、こちらは悪路走破性がハンパないので、孫を連れてテント持ってキャンプに行くべし。ヤング世代には教えられないワイルド体験ができるはず。