ホンダのものづくりの現場「栃木研究所四輪開発本部」に直撃! ホンダらしさは感じられたのか?

ホンダのものづくりの現場「栃木研究所四輪開発本部」に直撃! ホンダらしさは感じられたのか?

 ホンダ車はどんなところで研究開発がなされているのをご存じだろうか? 今回、メディアを対象とした、栃木県宇都宮市郊外、芳賀郡にあるホンダの栃木研究所・四輪開発本部を見学する機会があったので紹介していきたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ

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ホンダの栃木研究所は驚きの連続だった!

栃木県郊外の芳賀郡にある本田技術研究所
栃木県郊外の芳賀郡にある本田技術研究所

 ホンダの生産工場を見学したり、テストコースでの試乗することはあっても本田技術研究所そのものは、外部の人間はなかなか見ることができない。今回、初めてメディア向けに四輪開発本部・栃木研究所を見学できるというので、ワクワクしながら栃木技術研究所の正門をくぐった。

 ホンダは、営業販売部門と研究開発部門を切り離し、本田技研工業と本田技術研究所としてそれぞれ独立させているのをご存じだろうか? 研究開発部門が独立しているのは、一人の天才が開発を率いていく、つまり個人ではなく集団でチャレンジしていき、新しい価値を創造していくという考えからだ。

 本田宗一郎という稀代の天才技術者が本田技研工業を1948年に創業して以来、これまで先進的かつ独創的な製品をこの世に送り出してきたのはこの営業と研究開発部門が独立しているために生まれた気質だろう。

東西1360m、南北1860m、約2.13km<sup>2</sup>の敷地に研究開発施設とプルービンググラウンドを備えている
東西1360m、南北1860m、約2.13km2の敷地に研究開発施設とプルービンググラウンドを備えている

 その気質とはホンダのフォロソフィーのなかにある、基本理念(人間尊重と3つの喜び)に記されている「自立」。この「自立」とは、「既成概念にとらわれず自由に発想し、自らの信念にもとづき主体性を持って行動し、その結果について責任を持つことです」。つまり、既成概念にとらわれない、自由な発想で新しいモノを生み出す、ホンダらしさであると思う。

 さて、このホンダの研究開発施設は日本を含め北米・中南米、中国、アジア・大洋州、欧州に拠点があり、日本には北海道地区、栃木地区、埼玉地区、東京地区、浜松地区、鈴鹿地区、熊本地区の7つの主要拠点がある。

 今回訪れたのは栃木県芳賀郡芳賀町にある四輪開発本部・栃木研究所である。東西1360m、南北1860m、約2.13km2の敷地に研究開発施設とプルービンググラウンドを備えている。ここで働いている従業員はなんと2万人。栃木プルービンググランドは1979年、栃木研究所は1986年の設立である。

 栃木研究所の四輪開発本部の建物に入って見学、といっても具体的にここが企画部門です、開発部門ですと言われたわけではなく、当然写真撮影は禁止。立ち入ることだけでも嬉しかった。とにかく、四輪開発本部の心臓部の人の多さに驚いた。

 写真撮影禁止なので、説明しづらいが、ぶっ通しの1フロアで、1区画に目算で500人×5フロア(ほど)もあった。ぶっ通しの1フロアにしたのは、ワイガヤの文化のためだろう。ワイガヤというのは職位や年齢にとらわれず徹底的に意見をぶつけあい、新しい思想や価値を生み出す、ホンダらしい社風である。

 ライトグレーの一人一人のデスクの上にはモニターが設置されていた。おもしろいのは、大型スーパーの駐車場にある、あの太いコンクリートの柱があり、その柱に30とか31とか番号がペイントされていたこと。さすがに「自分の机はどこにあったっけ?」と迷ってしまう人が多いのだろう。

 左側の5mの幅の通路には、ちょうど昼時ということもあって、川を泳ぐ鮎のように食堂へ一目散に向かう白い作業服を着たホンダの従業員たちが足早に移動していた。

 ちなみにホンダの制服は指定場所によって異なるが、上着は白(半袖、長袖あり)、ズボンは白か、紺色とのこと。

 通路側から、一人のモニター画面を凝視してみると、足回りパーツが映し出されていたので、「ここはシャシー設計の部署なのかな」とつぶやきながら後にした。

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