■シートの出来がよかったクルマ
(TEXT/渡辺陽一郎)
シートには優れたサポート性と長時間移動時の疲れにくさが求められる。シート生地の摩擦や伸縮性も影響する。
前席が最も快適なのはクラウンで1位。体の支え方が優れ、乗員に拘束感も与えにくい。買い物に出かけ、乗り降りを頻繁に繰り返す日本の使い方も考慮したから、乗降時の動作も滑らかに行える。
SUVではCX-5がいい。少し硬いが、体重の加わる座面の後方と背もたれの下側をしっかりと造り込んで2位。
左右に跳ね上げるミニバンの最後列は大半がダメだが、3位のグランエースの4列目は、座面だけを持ち上げて前方にスライドさせる方式だ。
着座姿勢と座り心地がいい。以前はこのタイプの最後列が少なくなかったが、今はほとんど絶滅。復活を切に望む。
■5m走り出しただけでそのよさがわかるクルマ
(TEXT/渡辺陽一郎)
5m走ってよさがわかるクルマは、運転感覚が急成長した時期に多かった。開発コスト低減の激しい昨今は、感動する機会も減った(私の老化も多分にあるが)。
最も印象に残るのはメルセデスベンツW124型の230Eだ。W124型の試乗経験はあったが、最廉価の230Eは販売店の代車で初めて乗った。
駐車場で発進して、最初にハンドルを回した瞬間に惚れた。重厚な乗り心地と4気筒の軽快感を併せ持ち、絶妙な心地よさを生み出していた。
9代目ブルーバードの足回りも絶品だった。RX-8はターボを備えないロータリーの回転感覚と前輪荷重の軽さが発進直後にわかった。
■使えるオートパーキングを持っているクルマ
(TEXT/渡辺陽一郎)
リーフのプロパイロットパーキングは全自動だ。駐車場所に近づくと、モニター画面に駐車位置が示され、スイッチを押すと車両が自動的に動いて駐車を開始する。
アクセル、ブレーキ、ステアリング、さらに前進と後退のレバー操作まで、すべて自動的に行う。ドライバーはスイッチを押すだけだ。
ヤリスのトヨタアドバンストパークも、駐車位置を設定すると、アクセル、ブレーキ、ステアリングは自動的に操作される。前進と後退のシフト操作はドライバーが行う。
オデッセイのパーキングアシストは、速度調節もブレーキペダルによってドライバーが行う。
■コネクテッドが役に立つクルマ
(TEXT/渡辺陽一郎)
クラウンなど設計の新しいトヨタ車では、大半の車種通信機能を搭載する。複数の機能があるが、最も注目されるのはヘルプネットだ。
エアバッグの作動を検知するとオペレーターが呼びかけを行い、応答がない時は消防や警察に自動通報する。
車両のデータから、事故による重症度を推定して送信することも可能だ。乗員がスイッチ操作で緊急通報することもできる。警告灯の情報も共有されてアドバイスを受けられる。
軽自動車では、デイズにヘルプネットが採用される。SOSコールスイッチで緊急事態を伝えることも可能だ。フリードなどのホンダ車もヘルプネット機能を用意する。
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