1995年 X90/2シーターのクロスオーバーSUV
なぜこんなクルマを出したのかと、最も謎に思うクルマがエスクードから派生したX90だ。
1993年の東京モーターショーに出品したショーカーの量産モデルで、本格的な副変速機付きのパートタイム4WDに1.6Lの4気筒SOHC16バルブエンジンを組み合わせていた。
脱着可能なTバールーフ構造のディタッチャブルトップを採用し、外観は愛らしいデザインだ。
が、2人乗りで、個性も強すぎたためか1995年の登場から2年ほどで消えていった。時代が早すぎたため失敗作に終わったが、今ならX90の魅力が理解できるかもしれない。
2005年 2代目スイフトスポーツ/200万円以下で買えるテンロクスポーツ
2ボックスは苦戦していたが、2000年に発売した世界戦略車のスイフトは海外で人気が高かった。日本でも評価を高め、メジャーブランドに押し上げたのは2004年に登場した2代目のスイフトだ。
軽自動車ベースではなく、専用プラットフォームを開発し、デザインも新しさを感じさせる。エンジンはすべて直列4気筒DOHCだ。サスペンションはフロントにストラットを採用するが、リアは新設計のトーションビームとした。
ファミリーグレードでも安心感のある走りを披露したが、とりわけ秀逸だったのは2005年10月に加わったスイフトスポーツである。
強化されたモンロー製ダンパーや4輪ディスクブレーキにより、ワインディングロードでは痛快な走りを存分に楽しめた。
自然吸気の1.6Lエンジンも約7000rpmという高回転まで軽やかに回る。意のままの気持ちいい走りを、安全に引き出せるクルマに成長したのが2代目のスイフトスポーツだった。
もちろん現行のスイフトスポーツも200万円以下で買えるスポーツハッチをして人気だが、後席は2代目スイフトスポーツの方が大きいと思う。
2014年 初代ハスラー/軽クロスオーバーSUVという発想
このように、スズキにはクルマ好きの度肝を抜く名車や傑作車が多い。最後の1台として挙げたいのは初代ハスラーだ。
デビューから6年間で48万台も販売した誰もが知るのがハスラーだ。ワゴンRをベースにクロスオーバーSUVスタイルに仕立てるという発想は、鈴木修会長によるものだ。
全国のスズキ販売店を回った際、店長や営業マンから、「かつてあったスズキkeiのような四駆のスタイルをした軽自動車が欲しい」という声を鈴木修会長が聞いて、新車開発部に進言してハスラーは誕生した。
まさにこのハスラーにスズキの「過去」、「現在」のクルマ作り、社風が出ていると思っている。
最後に創立100周年を迎えるにあたり、スズキ100周年記念サイトには、鈴木修代表取締役会長、鈴木俊宏代表取締役社長の連名で「ご挨拶」として掲載されているのでこれを結びとしたい。
この度、弊社は創立100周年を迎えました。
1920年3月15日 創業者である鈴木道雄により、
遠州の地に鈴木式織機株式会社として誕生しました。
時代の趨勢に合わせ、織機から二輪車 四輪車 船外機などへ事業展開し、市場も世界へと広がっています。
多くのお客様の毎日に寄り添いながら
100周年を迎えられましたことは
ひとえに皆様の御厚情の賜物と深く感謝申し上げます。
この節目にあたり、
創業者から受け継がれる「お客様の立場になって」という
変わらぬ想いをスズキグループ全社員が改めて抱き、
世界中のお客様に価値ある製品をお届けできるよう
なお一層努力してまいります。
そして101年目となる本年は更なる業績向上を目指して
全社一丸となって取り組んでまいります。
今後とも倍旧の御支援と御愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
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