【時代に刻む名車の数々!!】スズキ100周年 記憶に残る革命車とその礎


1979年 初代アルト/「あるといいな」で47万円で登場!

「アルト、47万円」。昭和54年デビュー当時の広告に大きく書かれた初代アルトの全国統一47万円という低価格には大いに驚かされたものだ。今でも「アルト」というとこのモデルが思い浮かぶ人も多いはず。4ナンバー(貨物登録)のボンネット型バンを自家用に使うことで、低価格&低諸費用を実現させるという画期的なクルマだった

 が、1970年代になると軽自動車の販売は下降線をたどり、これにオイルショックと排ガス規制が追い打ちをかけている。スズキも例外ではなく排ガス対策に奔走した。

1975年秋に軽自動車は排気量を550ccに拡大したが、販売は上向きにならない。この危機を救ったのが、軽ボンネットバンの「アルト」だ。

 フロンテは1979年5月にFF方式に生まれ変わった。その商用車版として開発され、誕生したのが3ドアハッチバックのアルトだ。

 ベーシックに徹した潔いコンセプトで、合理性を徹底追及している。開発の指揮を執ったのはのちに社長、そして会長になる鈴木修氏だ。

 彼はコスト低減を徹底して50万円以下の低価格で販売できる新しい軽自動車を開発してほしい、と命じ、物品税がかからず、保険料も安い4ナンバーの軽商用車に目をつけた。

 エンジンは539ccの2サイクル3気筒だけと割り切り、グレード構成も1モデルだけに絞り込んでいる。

 世間をアッと言わせたのが常識破りの全国統一価格を採用したことだ。しかも47万円の低価格は衝撃だった。社名も鈴木修氏の鶴の一声「こんなクルマがあるといいな」から付けられたという。

 当然、空前のヒット作となり、ボンバンブームの火付け役となっている。1981年1月には4サイクルエンジンを投入。快適性を大きく向上させた。フロンテの販売を打ち切らせるほど売れに売れた稀代の名車、それが初代アルトだ。

1981年 2代目ジムニー/新境地を切り拓いた2代目こそ傑作車

1981年にデビューした2代目ジムニーは18年にわたって生産された

 この時期、スズキは「ジムニー」を第2代へとモデルチェンジした。ご存知のようにジムニーは、1970年4月に誕生した世界最小の本格的なクロスカントリー4WDだ。

 強靭なラダーフレームを採用し、サスペンションはリーフスプリングにリジッドアクスルの組み合わせだった。雪道はもちろん、砂浜でもガレ場でも軽快な走りを見せつけている。その2代目は1981年5月に登場した。

 街にも似合うデザインとなり、ボディタイプは3種類だ。ラダーフレームや4輪リジッドアクスルのサスペンションなどは同じ形式だが、すべて新設計だった。

 エンジンは539ccの2サイクル3気筒でスタートし、1982年6月に輸出仕様を手直しした4気筒エンジンを積むジムニー1000を加えている。

 1984年11月にはジムニー1300を設定した。バン登録車に加え、初めてワゴンを設定したが、トランスミッションは2段の副変速機を備えた5速MTとなっている。ブレーキも前輪にサーボ付きディスクを装備した。

 1990年春には軽自動車が新規格になったことに対応し、エンジンを657ccのF6A型直列3気筒SOHCに換装。

 その後もターボやジムニー1300に3速ATを加えるなど、時代に合わせて進化を続け、1998年秋まで第一線で活躍を続けている。

 現行ジムニーも爆発的なヒットを飛ばしているが、私はRVブームを先取りし、新境地を切り開いた傑作中の傑作として2代目ジムニーを挙げておきたいのだ。

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