ハリアーとRAV4のボディサイズの違いは?
同じディメンジョンのGA−Kプラットフォームを用いることもあり、ハリアーとRAV4の寸法関係は非常によく似ている。全長はハリアーの側が140mm長いが全幅は同じ。全高もRAV4の側が25mm高いだけだ。
最低地上高は、ガソリン車195mm、ハイブリッド車190mmの最低地上高も両車は同じ(ただしRAV4アドベンチャーとG Zパッケージは200mm)、そしてホイールベースやトレッドも変わらない(RAV4は標準グレードでの比較)。
ただし、重量は同等仕様、装備と想定できるガソリン2L&4WDのGグレードで、40kgハリアーが重い。
これはRAV4より上質な乗り味を目指して投入された吸遮音材や制振材、加飾要素などの物量が多くを占めているものと思われる。
ちなみにGA−K系SUVはRAV4とハリアーのほかに、北米専売車種となるハイランダーの3モデルが展開されている。
内、ハイランダーは3列シートレイアウトを持つRAV4よりひと回り大きなモデルで、いかにもアメリカの生活様式に沿った多用途性と応用な乗り味が特徴のモデルだ。
そしてRAV4は日常での扱いやすさや快適な乗り心地とSUVらしいタフネスさを巧くバランスさせ、全世界で幅広い人気を得ている。それらと相まみえたところでハリアーはどういうキャラクターを目指すべきか。
社内の議論の結果は、四駆性能も使いやすさも二の次でいいから、とにかく見た目のカッコよさとオンロードでのクラスを超えた上質な走りを目指そうということになったという。
そんなわけでトップから後端にかけてなだらかにルーフラインが落ちるクーペフォルムを採用したハリアーだが、見た目の印象ほどに後席居住性は悪くない。
ホイールベースがRAV4と同じこともあって前後間ディスタンスは大人でも十二分の余裕があるし、天地側にも181cmの筆者が座って圧迫感や閉所感を覚えることもなかった。
小島主査曰く「そういうことは二の次でいいとこっちが言い切ると、担当者は恐怖感を抱くのか、奮起してピラーやルーフのライナー形状なんか一生懸命工夫してくれるんですよ。エンジニアの性なんでしょうね」とのことだから、割り切ったからといって雑に仕上げられているわけではないのだろう。
このあたりはなんとも生真面目なトヨタらしい。が、荷室は絞り込みの強い形状や開口部の枠繰りなどデザインを優先したところもあって、ゴルフバックの積載力は従来の4つから3つに落ちているという。
トヨタがゴルフバッグを諦めるというのも相当な事態だが、そういう特殊な積載事情を除けば、ハリアーは大人4人のロングドライブでも充分寛げる空間を有していることは間違いない。
検討当初からエルゴノミクスの担当も加わり、使用頻度の少ないボタン類をいかに目立たなく配置するかに拘ったというハリアーの内装は確かに見た目の印象もスッキリしているし、RAV4に比べると各部品の素材質感も確実に一枚上手だ。
馬の鞍をモチーフにしたというセンターコンソールからアームレストにかけての造型や仕上げがドアトリムにも反復しているあたりも、RAV4よりもいいもの感を匂わせる巧い演出になっている。
一方のRAV4は樹脂成形品が多いものの、クルマのコンセプトを鑑みれば、濡れ雑巾でゴシゴシ汚れを拭き取れそうなこの仕立てを望むユーザーも多いだろう。
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