■トヨタ ハリアー配点なしの理由は?(片岡英明氏)
上半期のハイライトは、コンパクトカー市場をけん引するヤリスとフィットだ。世界を舞台に優劣を競っている売れっ子の2車を中心に、前半の動向は推移した。
軽自動車も元気だ。こちらも人気の高いSUV感覚のハスラーやスーパーハイトワゴンのルークスなどが相次いで新型に生まれ変わっている。
軽クロスオーバーカーのタフトは東京オートサロンなどの会場で実車を見たし、クルマに乗り込むこともできた。だから採点に加えている。
だが、6月に登場したハリアーは提供された写真を見ただけだ。それなりの価格のSUVだし、期待度も高いから実車に触れて、乗ってみてから適切な評価を下そうと考えた。
また、同じメカニカルコンポーネントを使うRAV4との違いも気になったから、今回は5台のなかに選んでいない。だが、乗った人の評価は高かったので注目している。

■マツダ CX-30を10点にした理由は?どこを高く評価しましたか?(松田秀士氏)
ひと言でいえば、新しい技術にチャレンジする姿勢を評価した、わけである。
リーンバーン(希薄燃焼)をガソリンエンジンで、しかもディーゼルのような圧縮着火を行う。さらにドライブしてみると、言われなければわからないほどほかのガソリンエンジンと同じく普通によく走る。この先にさらに伸びしろがあることを予感させるし。
世の中、どちらかというとハイブリッドや電動化の技術に目を取られがちで、電動車はどれもこれもバッテリー容量やレイアウトへのチャレンジに終始している。これをイノベーションと捉えるには物足りない。もっと何か、例えば「40kWhのバッテリー容量で800km走ります」みたいな、誰もがあっと驚くような技術革新が電動化のなかにまだ見えない。
その意味で、既存のガソリンエンジンにはまだまだやれることがあると、研究を重ねてでき上がったSKYACTIV-Xを大いに評価したわけです。
■フィット&ヤリスよりハリアーを高く評価した理由(小沢コージ氏)
ヤリスはスーパー高効率のハイブリッド以外、コンセプト自体は古典的。簡単に言うとカッコと走りに特化したとても出来のいい欧風コンパクト。クォリティに感動こそすれ、考え方は昭和的で新しさなし。国内本命は来年あたりの新型アクアではないかと。
かたやフィットは、見た目優しく、走り優しく、室内広いイマドキの優しすぎるコンパクト。そういう意味ではヤリスより新鮮だが、ハリアーにはもっと度胆を抜かれた。根本はモテたい人のためのスタイリッシュSUVなのだ。

コンセプト的には1980年代に映画「私をスキーに連れてって」でのホイチョイプロダクション的な匂いすら感じるが、骨格はRAV4で鍛え上げられたTNGAプラットフォームであり、新型ハイブリッドシステムの実力も凄い。
だが、そこに頼り切らず選べるブラックカラーや雅な乗り味を実現。イマドキ歌謡曲をヒットさせるような豪腕コンセプトに懐かしさと驚き!
■配点0点だけどBMW2グランクーペはいい!!!(岡本幸一郎氏)
中身は1シリーズと基本的に共通で新鮮味はないし、他の配点したいクルマに点を投じた結果、0点になってしまったけど、決して評価が低いわけではない。むしろ買ってもいいくらい気に入ってる。なんといってもカッコイイ。
まず1シリーズについてだが、これまでFRだからこそ一目置いていた人は少なくなかった。特に日本では。ところがFFになった現行型は、激戦区であるCセグのハッチバック車のなかで、あえて選ぶ理由が薄れたのは否めず。実際あまり売れゆきも芳しくないようだ。
ところがグランクーペになると事情は異なる。そもそも4ドアクーペというものを出すことが許されるブランドはかぎられるし、こんなにスタイリッシュなんだから、それだけで存在価値がある。駆動方式が云々というのはあまり関係なくなってしまうわけだ。
それにしてもメルセデスもBMWも刻むな~。もちろん魅力的な選択肢が増えるのは大歓迎だけどね。

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