2020年9月16日9時30分、日産は新型フェアレディZプロトタイプを世界初公開。同日午後から、日産・横浜本社近くにある日産パビリオンにて、メディア向けの新型フェアレディZプロトタイプ見学会が開催された。
当日は、新型フェアレディZプロトタイプのほか、歴代モデルを展示。各車の撮影後に、歴代フェアレディZのグローバルデザイン担当専務執行役員アルフォンソ・アルバイサ氏とエグゼクティブデザインダイレクター田井悟氏が新型フェアレディZプロトタイプのデザインについて、キーポイントを説明。
また途中からチーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏が登壇し質疑応答に応えた。
ここでは、新型フェアレディZのキーポイントをテーマごとに分けて、取材で明らかになった事実と、予想を入れ込みながら解説していきたい。
文/ベストカーweb
写真/平野学 ベストカーweb
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初代S30型と4代目Z32型をモチーフにしつつモダン化
■新型フェアレディZ デザインのキーポイント
●「Zらしさを探そう」がテーマ
●フロントフードを低く、リアエンドを高くしたS30型のシルエットを再現
●エンジンフードのバルジは初代S30型をオマージュ
●LEDのディアドロップ状で2つの半円を組み合わせたヘッドライト
●シルバーのルーフラインは刀をイメージ
●Z32型をモチーフにしたリアテールランプ
●インテリアはS30型をモチーフにしつつも先進性を両立
日産パビリオンで新型フェアレディZプロトタイプ見学会に出席した。実車を初めて見た第一印象は、ロングノーズ&ショートデッキスタイルを持つ”初代S30Zの再来”。
会場に行く前、午前中にオンラインで公開された写真を見ていたのだが、写真よりもだんぜん実車のほうがカッコよかった。
240ZGをモチーフにしたという2つの半円形を組み合わせたティアドロップ形状のヘッドランプは、昔のデザインを復刻した単なるレトロ路線ではなく新たな提案だ。
フロントフード(ボンネット)上のバルジもS30型をオマージュしたものだ。フロントボンネットの先端、日産のロゴが取り付けられている部分は急激にストンと落ちており、これもまたS30型240ZGのGノーズを思わせるデザイン。
一方、リアテールランプはZ33、Z34とはまったく違うデザインで、フロントフェイスよりむしろテールランプのほうが衝撃を受けた。
これはZ32のテールランプをモチーフにしたものだが、Z32のテールデザインよりも薄く横長になっており、これも単に復刻したわけではなく、新たな提案である。
歴代モデルはそれぞれ、そのモデルを印象づけるアイコンを入れているが、240Zをモチーフにしたティアドロップ形状のヘッドランプ、Z32をモチーフにしたテールランプ、全体のシルエットを印象づけるために入れたという日本刀をイメージしたシルバーのルーフライン、この3つが新型フェアレディZのアイコンといえるだろう。
プロトタイプといっても実車を見たかぎりでは、完成度が高く、ほぼこのままの姿で市販されるだろう。
冒頭のプレゼンテーションで、グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏は、
「レトロ&モダンなテーマと、フューチャリズムを組み合わせることはわれわれにとっての挑戦でした。デザイナーたちは、歴代のモデルを振り返り、数えきれないほどのスケッチを描き、多くの議論を重ね、このフェアレディZプロトタイプのデザインに辿り着きました。
またLEDの2つの半円のデザインは、初代S30Z、240ZGをイメージしています。240ZGはヘッドライトのドーム型レンズによって円状のリフレクションを作り出すデザインを採用していました。
我々はユニークな特徴と、そのZらしさを大事にしフェアレディZ プロトタイプに反映しました」とコメント。
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