市販型フェアレディZを完全予想 今わかっていることすべて


デザインで迷ったことは?

フロントフード(ボンネット)が低く、リアエンドが少し高い新型フェアレディZのシルエット。このサイドから見たシルエットが一番カッコいいかもしれない

 はじめからすんなりとこのデザインだったのだろうか? 苦労したところや迷いはなかったのか?

 この点について田井氏は、

 「全体のバランスをどうするか、迷いましたね。ボディサイドにキャラクターラインが入っていますが、上のラインと下のラインを切り上げている。昔は絶対なかった表現です。

 この線からどのあたりまで丸く、どのあたりをシャープに作るか、ヘッドランプをいかに薄く作るか、日々チューニングしながら進めてきました。

 フロントフード先端の高さやフード中央のバルジをどのように表現するのか、という点も苦労しましたね。開発段階で、ここのポジションを上げたり、下げたりしていましたね。

 ちょっといわせていただくと心象風景(心の中に思う浮かぶ光景)というか、みんなの気持ちのなかに残っているフェアレディZを作ったという方が正しいかもしれません。

 例えば2013年に出した日産IDx。あれは510ブルーバードをモチーフにしましたが、あれも心象風景です。

 それぞれが思い浮かべるプロポーションが、510そのもののデザインというのではなく、そうだよな、そうだったというか、昔を懐かしむ感じというか。

 そのあたりがこの新型フェアレディZプロトライプのデザインでわりとできたかな、と思っています。ちょと久々に、家にあってもいいかなと思っています。

 私は、新型フェアレディZプロトタイプの斜め後ろから見たリアスタイルが一番好きですね。シャープで落ちていくお尻とボリュームたっぷりのフェンダーがたまらなく美しいですね」。

 ちなみにリアトランクに付けたエンブレムは3週間くらい前は水平に入れていたという。直前になって初代と同じ、斜めにしたそうだ。

240Zのボンネットフードにあるバルジ
イエローのボディカラーのためになかなか見えにくいが、240Zからオマージュしたボンネットのバルジがある
S30型Z432のエンブレム
フェアレディZのエンブレムも初代S30型と同様、斜めに配置

なぜZ32のテールランプをモチーフにしたのか?

新型フェアレディZのLEDテールランプはZ32をモチーフにしている
アルフォンソ氏、田井氏ともに思い出深いというZ32

 アルフォンソ・アルバイサ氏が30年前、日産のデザイナーとして初めて日本に来た時、スタジオにあった300ZX(Z32型)を見て衝撃を受けたという。

 その時、田井氏は若いデザイナーとして、300ZX(Z32型)の開発段階から携わっていた。Z32型のリアテールランプをモチーフにしたのはこうした体験から来ている。

 田井氏は、「300ZXは自分で乗っていたから、デザインチームにいたからということもありますが、歴代Zを振り返ってみると、初代はもちろんそうですが、Z32型もミドシップみたいなことをやろうとした”革新”のクルマでした。リアビューは歴代Zをさんざん見てきましたが、Z32型がやっぱりいいなと思いました」。

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