オラオラ顔はどこから始まった? クルマ界を賑わすブームの開祖カーを探る

■Part04 クロスオーバーの“開祖”は誰だ?

●SUVのみがクロスオーバーにあらず! の視点で考える

 クロスオーバーというとSUVを想像しがちだが、今回は「何でもクロスしてればヨシ」という観点で開祖を選んでもらった。意外なクルマが顔を出す結果になったぞ。

●片岡英明の見解 → トヨタ 初代RAV4

トヨタ 初代RAV4…今や日産派になったキムタクをCMに起用していた初代RAV4。こちらはまっとうな選択
トヨタ 初代RAV4…今や日産派になったキムタクをCMに起用していた初代RAV4。こちらはまっとうな選択

 乗用車と同じモノコック構造のボディに、フルタイム4WDを採用したライトクロカンとして1994年に登場した初代RAV4が開祖といえる。

 エンジンはセリカなどと同じ2Lの直4を搭載。高性能版の3S-GE型DOHCも用意され、高速道路やワインディングでも豪快な走りを披露した。また、3ドアモデルはダートランナーとしても非凡な実力の持ち主だった。

●鈴木直也の見解 → 日産 初代プレーリー

日産 初代プレーリー…「何にでも使える、使い方がクロスオーバー」との理由で選ばれた初代プレーリー(1982年)
日産 初代プレーリー…「何にでも使える、使い方がクロスオーバー」との理由で選ばれた初代プレーリー(1982年)

 クロスオーバーという言葉を「複数領域をカバーする」という意味に捉えるなら、その元祖は初代プレーリーだ。

 有名なのはセンターピラーレス両側スライドドアだが、3列8人乗り仕様、横3人掛けベンチシート、回転対座シートなど、多彩な使い勝手はまさにクロスオーバー。リアサスのバネを横置きトーションバーとして低床化するなど、パッケージングも先進的。

●ベストカーで「決」を採ると… トヨタ 初代RAV4:3票 vs 日産 初代プレーリー:4票

 本企画担当は自信満々で初代RAV4に票を投じたのだが、結果はわずか1票差で初代プレーリー。そうかぁ、プレーリーかぁ……。

■結論:初代プレーリーこそ開祖!

■Part05 オラオラ顔の“開祖”は誰だ?

●威嚇して走ることの意味を、今は問わない

「オラついていることこそが正義」といわんばかりに幅を利かせる、昨今の一部のミニバンおよびセダン。紳士が眉をひそめる、そんな風潮を生み出した犯人を捜す。

●片岡英明の見解 → 日産 スカイラインスポーツ

日産 スカイラインスポーツ…1962年に発売されたスカイラインスポーツ。デザインはミケロッティ。ミケロッティ元凶説誕生
日産 スカイラインスポーツ…1962年に発売されたスカイラインスポーツ。デザインはミケロッティ。ミケロッティ元凶説誕生

 今から60年前のトリノショーで鮮烈なデビューを飾り、1962年春に発売されたのがスカイラインスポーツだ。最大の特徴は強烈なインパクトを放つ迫力満点のフロントマスクである。4灯式ヘッドライトを45度傾けて配置し、台形デザインのきらびやかなメッキグリルを組み合わせた。

 派手な顔を持つクーペとコンバーチブルのデザインを手がけたのは、イタリアのジョバンニ・ミケロッティだ。後ろから迫ってくると道を譲りたくなるオラオラ顔のスペシャルティカーだった。

●鈴木直也の見解→日産 初代エルグランド

アメ車を思わせる迫力の顔つきで人気に。でも2代目時にアルファードにオラつき返される
アメ車を思わせる迫力の顔つきで人気に。でも2代目時にアルファードにオラつき返される

 ラルゴ&セレナのハイウェイスターシリーズのヒットで、ミニバン系で新しいユーザー層を開拓した日産は、彼らの好みがいわゆる「オラオラ顔」にあるコトに気づいた。

 そしてそのブームを決定づけたのが、1997年デビューの初代エルグランドだ。その人気はトヨタをも焦らせ、グランビアやハイエースをベースに多くのオラオラ系モデルを誕生させるほどだったのだ。

 まあ、その後はアルファード/ヴェルファイアの登場で、今に至るしょんぼりな事態になるんだけどね。

●ベストカーで「決」を採ると… スカイラインスポーツ:2票 vs 初代エルグランド:5票

 こちらはほぼ順当な結果と言えるのではなかろうか。鈴木直也氏いわく「2代目エルグラもオラオラ顔文化に貢献した」とのこと。

■結論:初代エルグランドこそ開祖!

次ページは : ■終わりに

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