オラオラ顔はどこから始まった? クルマ界を賑わすブームの開祖カーを探る

■Part02 ミニバンの“開祖”は誰だ?

●日本的なクルマの使い方、その最適解がコレ

 自動車史で考えれば、1982年登場の日産・初代プレーリーが日本的ミニバンの開祖のはず。が、今回お願いしたお二方とも、少し違った考えをお持ちのようで……。

●片岡英明の見解 → ホンダ 初代オデッセイ

ホンダ 初代オデッセイ…1994年にデビューした初代オデッセイ。普通の乗用車感覚で乗れるミニバンとして大ヒット
ホンダ 初代オデッセイ…1994年にデビューした初代オデッセイ。普通の乗用車感覚で乗れるミニバンとして大ヒット

 オデッセイが登場するまでのミニバンは、商用の1BOXをベースに鼻先を追加しただけだった。が、1994年秋に登場したオデッセイは違う。アコードをベースに、伸びやかなワンモーションフォルムのボディを被せた。

 ホンダは生活を創造するクリエイティブムーバーと呼んでいる。セダン感覚の洗練されたハンドリングと乗り心地、快適に座れる広いキャビンがオーナーを魅了した。

●鈴木直也の見解 → マツダ 初代MPV

マツダ 初代MPV…1990年に日本に導入された初代MPVは、クロスオーバーSUV的な性格も併せ持っていた
マツダ 初代MPV…1990年に日本に導入された初代MPVは、クロスオーバーSUV的な性格も併せ持っていた

 昔は多人数乗用車といえば“ワンボックス”だったが、その実体は5ナンバー登録用にアレンジした商用車。今のミニバンと比べたら、走りも乗り心地も洗練性に欠けるものだった。

 そんな時代、FRレイアウトながら純粋なパッセンジャービークルとして生まれたのがマツダMPV。北米市場向けに企画されただけに、走りの洗練度はミニバンの名にふさわしいものがありました。

●ベストカーで「決」を採ると… ホンダ 初代オデッセイ:5票 vs マツダ 初代MPV:2票

 鈴木直也氏の解説には説得力があったが惜しくも敗退。ホンダの業績を回復させたオデッセイのような強力なエピソードがあれば……。

■結論:初代オデッセイこそ開祖!

■Part03 ハイパワーセダンの“開祖”は誰だ?

●スポーツカー顔負けの迫力ある加速が魅力!

 大人なナリしてヤンチャな心臓。多くのクルマ好きが思わず身を乗り出す、そんなパワフルセダンの開祖を探す。どうやら日産勢同士の対決となったもようだぞ。

●片岡英明の見解 → 日産 スカイラインGT

日産 スカイラインGT…第2回 日本GPのためグロリア用の直6を強引に押し込んだスカイラインGT(1964年)
日産 スカイラインGT…第2回 日本GPのためグロリア用の直6を強引に押し込んだスカイラインGT(1964年)

 第2回日本グランプリを制するために、1964年5月に限定発売されたスカイラインGTこそ、日本のハイパワーセダンの開祖であろう。

 スカイライン1500のボンネットを延ばし、グロリアの2L直6エンジンを押し込んだ。そしてスポーツキットも用意して高性能化を徹底。「羊の皮を被った狼」の異名をとり、レースでは敵なしの速さと強さを見せつけている。

●鈴木直也の見解 → 日産 初代シーマ

日産 初代シーマ…1988年に登場した初代シーマ。3L V6ターボの豪快な加速で、社会現象になるほど売れた
日産 初代シーマ…1988年に登場した初代シーマ。3L V6ターボの豪快な加速で、社会現象になるほど売れた

 大パワーエンジンはスポーツカー用というのが常識だった時代、VIP向けラグジュアリーセダンに3L V6ターボ255psをブチ込んで話題になったのが初代シーマだ。

 時あたかもバブル経済の上昇期だったこともあり、これが贅沢志向ユーザーのハートを捉えて大ヒット。一時は常勝クラウンを販売台数でぶち抜いて、トヨタの営業担当を狼狽させたと言われている。

●ベストカーで「決」を採ると… 日産 スカイラインGT:3票 vs 日産 初代シーマ:4票

「初代シーマは3ナンバープレミアムサルーンの開祖だけど、ハイパワーセダンの開祖かなぁ」とウメキは言っちょりますが……

■結論:初代シーマこそ開祖!

次ページは : ■Part04 クロスオーバーの“開祖”は誰だ?

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