中身は最新でも外見はクラシカル レトロなデザインの現行車たち

 近年は、ハイブリッド車やEVといったハイテクなクルマが増え、さらには、クルーズコントロールや自動ブレーキなど、先進の運転支援システムや安全装備も充実してきました。

 外観も内装も、子供のころに何かでみた「未来のクルマ」のかたちに近づいている昨今ですが、一方で、クラッシックカーのような、レトロな雰囲気を持つクルマに憧れる方も多いのではないでしょうか。筆者も、クラッシックカーを見かけて、「このクルマのデザインで、中身を現代の技術水準で作り直せないかなぁ」と、思うことがしばしば。

 最先端デザインのクルマは、確かにカッコいいのですが、すぐに次のデザインに取って代わりやすく、飽きやすい一方、レトロな雰囲気のクルマは、廃りにくく飽きがこないのが魅力です。本稿では、いま現在、新車販売されているクルマで、クラッシックカーとまではいきませんが、レトロな雰囲気を持つクルマを集めてみました。

文:吉川賢一
写真:MITSUOKA、BMW、FCAジャパン、Mercedes-Benz、Rolls Royce

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進化し続ける名作「MINI」

 MINIはもともと、イギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が製造販売していたクルマでしたが、1994年にBMWの傘下となりました。現在販売されているMINIは、2014年にデビューしたモデルで、「BMWミニ」となってから3世代目となります。

 他のどのクルマとも似ていない、MINIらしいエクステリアデザインを持ち、決して広くはない室内スペースですが、考え抜かれたパッケージング、そして、ゴーカートフィーリングと表現される機敏なハンドリングで、軽快なドライビングが味わえます。

 特に、3 DOORと5 DOORの両モデルで展開されている特別仕様車「MINI 60 YEARS EDITION」、そして3 DOORと5 DOORのベースグレードである「ONE」に設定された特別仕様車 「MINI VICTORIA」の雰囲気は格別。BMW傘下のメーカーではありますが、なんとなく、「ブリティッシュ」な空気を感じるのは、BMWがMINIの伝統を大切にしているからなのでしょう。

ゴーカートフィーリングと表現される機敏なハンドリングで、軽快なドライビングが味わえる

元祖KAWAIIクルマ「フィアット 500(チンクエチェント)」

 イタリアの自動車メーカー「フィアット」の小型自動車「500」は、なんと初代の登場が1936(昭和11)年という、長い歴史を持つクルマです。現在、日本市場のフィアット500は、2008年3月に登場した第2世代にあたります。ちなみにチンクエチェントとは、イタリア語でCinque=5 (チンクエ)、Cento=100(チェント)となり、「500」を意味します。

 現行フィアット500は、大ヒットした先代のNUOVA(ヌオーバ)500のデザインをモチーフとしており、一目で「フィアット500」だと分かる可愛らしいデザインが魅力です。

 既に欧州地域では、次期型のフィアット500がワールドプレミアされています。最大の特徴は、42kWhのリチウムイオンバッテリーを内蔵したEVとなったこと。まさに、レトロなデザインはそのままに、中身を最新技術で刷新したモデルです。

特徴的なプロポーションのおかげで、クルマ好きでなくても、フィアット500というのがはっきり分かる カジュアルなスタイリングは、少しずつデザイン変更されているが、かわいいイメージは不変だ

武骨SUVの頂点「メルセデスベンツ Gクラス」

 通称「ゲレンデ」と呼ばれる、メルセデスベンツのSUV「Gクラス」。軍用車両を民生用にアレンジさせたのが始まりのクルマです。初代Gクラスは1979年に登場、それから約40年後の2018年6月にフルモデルチェンジをしました。

 とはいえ、四角いボディや丸形ヘッドライト、張り出したフェンダー、フロントフェンダー上のウインカーなど、武骨なエクステリアの特徴はそのまま受け継いでいます。対照的に、インテリアは12.3インチのワイド液晶2枚を用いたインストルメントパネルなど、メルセデスの最新モデルらしいデザインも採り入れられました。

 また、最新の運転支援システムも採用しており、武骨なエクステリアからは想像がつかないほどに最新鋭のクルマです。

2018年にフルモデルチェンジ級のビッグマイナーによって一新されたGクラス 基本的なプロポーションは変わらないが、インテリアやエクステリアの細部は、様々手が加えられている

どこへでも行ける、何でもできる「Jeep ラングラー」

 ラングラー (Wrangler) は、アメリカの自動車メーカー、クライスラーが1987年から販売しているクルマです。現在販売されているモデルは2018年にデビューした4代目。

 まん丸のヘッドライト、縦7つのスロットが刻まれたグリル、台形型のホイールアーチ、垂直気味のフロントウィンドウ、外ヒンジのドアとエンジンフードなど、初代からほぼ変わらないそのデザインを持つクルマで、昔は多くの日本人が、この手のオフローダー車をすべて「ジープ」と呼んでいたほど、日本で浸透しているクルマです。

 「オフロード最強」の血筋を受け継ぐラングラーは、高い耐久性と、悪路走破性の高さが自慢です。それもそのはず、米軍の軍用車両としても使用されており、その頑丈さは折り紙付き。それにもかかわらず、2ドアのWRANGLER SPORTが税込499万円(2020年11月現在)と、思いの他、安くも感じます。

ラングラーの強みである4×4性能をさらに鍛え上げ、ラングラー史上最強のオフロード走破性を実現したという現行モデル まさに「どこへでも行ける、何でもできる」オフローダーだ

世界最大のダイアモンドの原石がその名の由来「ロールス・ロイス カリナン」

 イギリスのロールス・ロイスのSUV「カリナン(Cullinan)」は、2018年に誕生した新しいクルマです。「ロールス・ロイス初のSUV」としてデビューしており、その価格はなんと税込4008万円にもなります(2020年11月現在)。

 ポルシェ・カイエンターボを筆頭に、ベントレー・ベンティガやランボルギーニ・ウルス、アストンマーチン・DBXなど、2000万円超の高級SUVが近年、続々と登場してきましたが、カリナンの価格には届きません。

 フロントのパンテオングリルや、角ばったボディシェイプなど、ロールス・ロイス伝統のデザインを踏襲していますが、近代的なスタイリングとのギャップが激しく、不思議なオーラを発しています。

 なお、これまではイギリスの高級車レンジローバーが「砂漠のロールス・ロイス」と呼ばれてましたが、カリナンの登場によって、この愛称も、残念ながら終わることになりました。

ロールス・ロイスのファントムの車高を上げたようなスタイリング 全長5341mm×全幅2164mm×全高1835mm、ホイールベース3295mmと、価格だけでなくサイズもビッグ

アメ車テイストの雰囲気「光岡 バディ」

 そして、光岡から登場した新型SUV「バディ(Buddy)」も挙げておきたいクルマです。光岡といえば、2019年に開発したオープンカー「ロックスター」が、大人気となったことも話題となりましたが、今回はSUVに、アメ車ライクなデザインをとりいれてきました。

 ベースのトヨタRAV4の面影を感じさせないフロント周りのデザインは、クラシカルなアメリカンSUVを彷彿とさせるように改修されています。縦目2灯のヘッドライト、格子状のメッキグリル、さらに縦型のテールランプなど、80年代を代表するアメ車、シボレーにも似たデザインです。

 ですが、中身は最新のRAV4そのもの。まさに、デザインはクラシカル、中身を現代の技術水準に置き換えたSUVです。

 価格はガソリン車が469万7000円~549万4500円、ハイブリッド車が525万300円~589万9300円。それでもこのデザインのクルマを手に入れられるのは、なかなかないチャンスです。発表は2020年11月26日、先行予約受付を同日から開始し、発売は2021年6月の予定です。なお、限定生産ではなく通常の光岡自動車のラインナップモデルとなります。

ボディサイドには、ベースのRAV4の面影を感じられるが、フロントとリアのデザインは、オリジナルパーツへと置き換えられ、まったく別のクルマへと生まれ変わっている

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