説明しよう(いきなり)。「エモい」とは、感情的な、といった意味合いの英語「emotional」をもじらせた、気持ちを強く揺さぶってくれるものに対して与えられる言葉だ。「エモいクルマ」であれば、それだけ見る者・乗る者の感情に強く訴えかけてくるクルマ、と考えればいいだろう。
クルマは安くない。それだけに購入の際には慎重を期し、航続距離やら燃費やら居住性やらサイズやらを他車と比較し、間違った選択をしないよう気をつける、普通は。
が、なかにはそんな理屈をフッ飛ばすほど「これこれこれなのよ!」と思わせてくれるクルマが目の前に現れることがある。それは往々にして数字などで計れるものではなく、言葉で表現しきるのが難しいぶん、伝わったときの嬉しさはひとしおだったりもする。
自動車評論家5名に、そんなエモさ優先でビリビリ来たクルマを紹介してもらった。ギャラリーでは編集部の4人からも1台ずつご紹介。ぜひ。
【画像ギャラリー】編集部のメンバー選出のモデル・解説も掲載! 選りすぐりの「エモいクルマたち」をギャラリーで見る
※本稿は2020年11月のものです
文/小沢コージ、竹岡圭、国沢光宏、清水草一、片岡英明、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年12月10日号
■小沢コージSelection(自動車評論家)
HONDA eの何がエモいって、まずスタイルでしょ。あんなロボット玩具みたいなアニメデザインのクルマ、なかなかない。子供まで喜ぶデザインだ。
乗ってもほとんど乗り心地のよい電動レーシングカート。静かなのはもちろん、思ったとおりスイスイ曲がる。長距離EVを諦めたぶん、軽く曲がって超気持ちいい。
レクサスLCもフォルムがエモい。アレだけボンキュッボンとフォルムにクビレを持ちつつ、フェラーリやマスタングのような肉食っぽさなし。特にホワイトパールのボディなんて、米倉涼子が銀座のホステスでもやってるような、しとやかなエロさ。走っても滑らかなV8は、国産エンジンならではのトゲのないしっとりフィーリングがエモい。
ハリアーは、ほぼ300万円で買えるSUVであれだけリッチ感あって、あれだけ内装の質感から走りまで上質なクルマは見当たらない。性能ではなくタッチで買う気になる希有でエモい国産SUVだ。
●エモいクルマとエモポイント
・HONDA e…外観デザイン&コーナリング
・レクサスLC…外観のしとやかなエロさ
・ハリアー…上質タッチの内装&走り
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