■片岡英明Selection(自動車評論家)
マツダのMX-30は、心落ち着くインテリアがエモい。特にモダンコンフィデンスと名付けられたホワイト内装は気持ちいい。クロスと合成皮革のシートなどは手触りがよく見栄えも上々だ。樹皮から作られたコルク素材も手になじむ。TFT液晶を使ったメーターもシンプルだが、眼に優しいデザイン。本革ステアリングのグリップ感がいいのもMX-30の美点だ。
スカイラインのハイブリッド車は1モーター2クラッチ方式だが、その加速フィールと音色は感動的で、気持ちがいい。また、3LのV6ツインターボも滑らかで、バイワイヤの操舵フィールも意のままのハンドリングを楽しめる。加速時の音色も官能的だ。
エクリプスクロスPHEVは4輪制御が絶妙で、運転が楽しいからドライバーが主役になれる。ドライバーとの一体感が濃密で、モーターならではの応答レスポンスのよさも魅力だ。回生のパドルシフトの操作感も手になじむ。
●エモいクルマとエモポイント
・MX-30…気持ちよく、心落ち着く内装
・スカイライン…HV&ガソリンの加速時の音色
・エクリプスクロスPHEV…絶妙な四輪制御で運転が楽しい
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F1マシンの外観がどれも似たようなものであるように、理性で考え、効率を最優先すれば、クルマは多様性がなくなる。それはやはり面白くない。理性を超え、感覚に訴えてくるクルマがあるからこそ、面白いのだ。でも人間には理性も必要だ。面倒くさいね。
【番外コラム】言われがちな……「旧車はエモい」は本当か?
(話を聞いた人/鈴木直也)
それは本当でしょ。数値的な性能なんて関係ないんだよ。手探りで性能を上げようとしてたから、昔のクルマはエモいんだよ。手探りでやってるから、同じような目的を持って作ってるのにアプローチが違う。そこに面白さがある。その手探り感と、そうしてできたものに、みんな共感するんだな。
今の時代はさ、結局「金」だってわかっちゃったんだよ。性能上げるのも、安全性上げるのも、経済性能上げるのも金次第なんだって。それはエモくない。
要はすべてわかっちゃった、中年サラリーマンみたいなのが今のクルマで、昔のクルマは何者になるかわからない青春時代みたいなもの。何事も青春時代って楽しいでしょ? だからエモいんだよ。
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