値段が上がりそうなランボルギーニは?
清水「少ないね~。じゃ、カウンタック以外に値段が上がりそうなランボルギーニってある?」
榎本「ミウラなど、もっと古くて希少なモデルだけです。カウンタックより新しいモデルでは、ディアブロのSVと最終型の6.0は比較的いいと思いますが、ランボルギーニの場合、カウンタックより後のモデルはすべて、『新しいほどイケイケでオラオラ』という価値観になるんです。
どうしてもディアブロがいい、という方はまだいらっしゃいますけど、ムルシエラゴ、ガヤルド、ウラカン、ウルスはもちろんのこと、アヴェンタドールであっても、最新の限定モデル以外は全部負け、みたいな部分があります。今ですと、アヴェンタドールSVJ以外は全部負けです」
清水「負けですか!」
榎本「はい。そのSVJも限定800台でちょっと台数が多すぎますから、今以上に値段が上がることは期待できないんじゃないでしょうか」
近年のランボルギーニの価格は上がらない!?
近年のランボルギーニ社の業績は絶好調。生産台数でフェラーリに迫っている。アヴェンタドールの合計生産台数は1万台を超えた。カウンタックの5倍だ。
市場原理は残酷で、希少価値のない商品の相場は上がらない。
もちろんランボルギーニは、メルセデスなどに比べたら圧倒的に生産台数が少なく、相対的には希少価値が高い。メルセデスの新車は、3年ごとに市場価値が半分になっていくが、ランボルギーニの場合、そういうことはあり得ない。
すべてのランボルギーニは、すべてのフェラーリ同様、メルセデスやBMWなどを買うのに比べれば、ある意味猛烈にお買い得感が高い。ただ、発売直後の瞬間風速的現象を除けば、新車価格より高くなるモデルは稀だ。
このところ市場では、アヴェンタドール(スタンダードモデル)の暴落が話題になっている。
その背景には、アヴェンタドールオーナーが、SVやSVJといった限定モデルが出るたびにそちらに買い替えるため、スタンダードモデルが大量に中古市場に供給されたことがある。
現在、アヴェンタドールは、市場に約70台も存在する。一時は100台に迫っていた。この価格帯の中古車としては、明らかに供給過剰だ。
買取サイトを調べてみると、アヴェンタドールの現在の平均買取価格は約2800万円。初期モデルのLP700-4でも新車価格は4100万円だったから、かなりの下落だ。特に3年から5年経過したモデルは、この1年で20%以上買取価格が下落した。
最近のアヴェンタドールの買取額を見ると、2015年式LP700-4(走行距離1万1000km)が約2790万円、2013年式LP700-4(走行2000km)が約2630万円、2012年式LP700-4(走行5000km)が約2330万円だった。
しかしそれでも、新車価格の半額は楽に超えている。カウンタックだって、新車価格を超えたのは近年の高騰以降の話。
バブル崩壊後しばらくは誰も手を出さず、「ボロでもピカピカでも1200万円」だった時期もあった。
まったく買い手が付かずに半分地中に埋まり、子供たちがすべり台にしていたカウンタックもあったほどだ。そういう時代を経ての、現在の価格なのだ。
新車価格より高く取引きされるのは、本当に希少な名車のみ。好きでもない人が「ランボルギーニを買って儲けよう!」などとは考えないほうがいい。すべり台になってしまうかもしれないから……。
ただ、ランボルギーニが大好きならば、買えばきっとシアワセになれるだろう。たぶん。
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