【今の時代にこそこの遊び心を!!!】こだわりルーフの日本車傑作選

スズキカプチーノ

デビュー:1991年11月
こだわりのルーフ:Tバールーフ、タルガトップ、フルオープンが変幻自在
デビュー時の価格:145万8000円(ベースグレード)

アルミ製ルーフの脱着状態をアレンジすることでTバールーフ、タルガトップ、フルオープンが楽しめた。パネルをすべて装着すれば立派なクーペにもなった

 1991年登場のカプチーノは、同じ年に登場したビートと並ぶ軽ながら痛快なオープンスポーツカーだった。

 単純なソフトトップだったビートに対し、カプチーノのルーフはアルミ製の分割できるものとなっており、クーペ状態からTバールーフ、タルガトップ、フルオープンという3つのオープンエアモータリングが楽しめた。

 さらにルーフはフルオープンにしても荷物の積載はともかくとして、分割したしルーフがトランクにキッチリ収まるというのだから恐れ入る。

 ルーフの脱着にそれなりの時間が掛かったのは事実だが、このルーフを市販化したスズキの開発陣には敬意を送りたい。

ホンダCR-Xデルソル

デビュー:1993年3月
こだわりのルーフ:トランスフォーマーもビックリの電動トランストップ
デビュー時の価格:188万〜196万6000円(SiRトランストップ)

ルーフは手動と電動の2タイプが用意されていた。電動トランストップが開閉している状態を見ると感動的。クルマが生きているかのような動きをする

 初代と2代目のCR-Xは1.6Lのスポーツエンジンを主力にし、ジムカーナのベース車によく使われるなど硬派なイメージが強いクルマだった。

 しかし1992年登場の3代目モデルはエンジンこそ変わらなかったものの、デルソルというサブネームが付く、タルガトップの2人乗りオープンという軟派なクルマとなった。

 その是非はともかくとして、CR-Xデルソルのメタル製タルガトップは手動に加え、トランストップと呼ばれる電動タイプも設定されていた。

 トランストップの開閉はトランクリッドが上昇し、トランクリッドの中にルーフを出し入れするという、トランスフォーマーかサンダーバードを思い出させる見事な動きだった。

 CR-Xデルソル自体は残念ながら商業的には失敗に終わり、CR-Xの歴史も3代目で幕を閉じた。

 しかし21世紀になってルノーウインドというCR-Xデルソルによく似たクルマが登場し、CR-Xデルソルの影響力は小さくなかったことが分かる(ウインドも短命に終わったが)。

三菱RVRオープンギア

デビュー:1993年8月
こだわりのルーフ:RVに電動ルーフを組み合わせた
デビュー時の価格:208万8000円(オープンギア)

クロカンを除いたRV+オープンエアという当時では画期的なコンセプトで登場。この頃の三菱は遊び心に溢れていた。ルーフが全開するデリカD:5、ぜひ作ってほしいなぁ

 1991年に登場した初代RVRは今でいうクロスオーバーカーで、リアドアはスライドドアを採用することで乗降性、使い勝手もよく、人気車となった。

 当時業績もよく遊び心も強かった三菱自動車はRVRを3ドア化し、前席部分のみながらスライド式でルーフがオープンになるオープンギアを追加。

 RVRが似合うアウトドアへの移動などでオープンエアモータリングも楽しめるという欲張りなクルマだった。

 さらに後に初代RVRには2ℓターボ+4WDという仕様も加わり、オープンギアにこのパワートレーンを組み合わせたスーパーオープンギアまで追加され、悪ノリにも感じる当時の勢いが今の三菱自動車にも欲しいところである。

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