今はコンパクトなSUVの人気が高い。その主力車種とされるダイハツロッキー&トヨタライズが、登場から約2年を経過してマイナーチェンジを実施し、e-スマートハイブリッドという、新しい1.2Lのハイブリッドシステムが搭載される。
すでにダイハツは、2021年10月1日から公式ホームページに、「2021年11月に発売予定の新ロッキーについて一部情報を公開し、試乗キャンペーンを開始しました」と掲載している。
販売店によると「マイナーチェンジの正式発表は2021年11月1日だが、半導体やワイヤーハーネスの不足により、納車の開始時期は不明だ。販売店が試乗車を導入する時期も、12月に入るかもしれない」という。それでもロッキー&ライズともに予約受注が開始され、販売店に出向くと価格や大雑把な装備内容が分かる。
最も注目されるのは「e-スマートハイブリッド」の採用だ。新開発された直列3気筒1.2Lエンジンをベースに、ハイブリッドシステムを構成する。e-スマートハイブリッド搭載車の駆動方式は前輪駆動の2WDのみだ。
また従来のエンジンは直列3気筒1Lターボに限られたが、マイナーチェンジ後は、ターボは4WD専用になる。2WDのNAエンジンは、新開発された直列3気筒1.2Lに変更される。
本企画では今、わかっているライズ&ロッキーに追加されるe-スマートハイブリッドの中身と、ラインナップおよび価格(ディーラー調べ)を紹介していこう。
文/渡辺陽一郎
写真/トヨタ、ダイハツ、ベストカーweb編集部
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■新しいe-スマートハイブリッドは日産e-POWERと同様 100%モーターの力で走りワンペダルも搭載
まずは、e-スマートハイブリッドはどんなハイブリッドシステムなのか見ていきたい。ロッキー&ライズはダイハツ製のSUVで、トヨタ版のライズはOEM車だ。したがってe-スマートハイブリッドもダイハツによって開発され、トヨタ車に幅広く使われるTHSIIとは仕組みが違う。
e-スマートハイブリッドは、既存のシステムに当てはめると、日産のe-POWERに近い。1.2Lエンジンは発電機を作動させ、モーターが駆動を受け持つ。100%モーターの力で走行するということだ。
ホンダのe:HEVなどは、同様のシステムながら、高速巡航ではエンジンがホイールを直接駆動して効率をさらに高める制御も行う。この機能はe-スマートハイブリッドやe-POWERには備わらず、発電はエンジン、駆動はモーターと役割分担を単純にした。開発/製造コストを抑える目的もある。
e-POWERに似た機能として、Sペダル(スマートペダル)も採用した。アクセルペダルを戻すと同時に強めの減速が行われ、ブレーキペダルを踏まずに速度を幅広く調節できる。
いわゆるワンペダルドライブだ。Sペダル作動時には、減速時に減速エネルギーを使ってモーターが発電を積極的に行うので、駆動用電池に充電する回生効率も優れている。
e-スマートハイブリッドはモーター駆動だから、e-POWERと同じく加速が滑らかだ。モーターは瞬発力が強いので、アクセルペダルを踏み増した時など、機敏に加速できる特徴もある。
ノーマルモードと燃費をさらに節約するエコモードもあり、その一方でSペダルの制御に違和感が伴うユーザーは、キャンセルすることも可能だ。
なおe-スマートハイブリッド搭載車は、遮音を入念に行って吸音材も追加した。車内は静かになり、快適性も向上している。このほかフロントマスクのデザインもメッシュ(網目)状になり、上質なクルマであることを表現している。
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