2024年8月1日から全国各地で先行展示会が開催されているスペーシアギアは2024年9月末のデビュー。そしてほぼ同時期にN-BOXのクロスオーバーSUVスタイルのN-BOXジョイが登場予定。これでクロスオーバーSUVスタイルの軽ワゴンは、タントファンクロス、デリカミニを含めて4車種揃いぶみ! 気が早いがどれがベストなのか考察してみた。
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部
■クロスオーバーSUVスタイルの軽2車種が9月末デビュー
今は軽自動車が人気のカテゴリーで、日本で新車として売られるクルマの35~38%を占める。このなかでも特に販売の好調なタイプがスーパーハイトワゴンだ。全高が1700mmを超えるボディで車内が広く、4名で快適に乗車できて、後席を格納すると自転車も積める大容量の荷室になる。
後席側にはスライドドアも装着されて乗降性も良い。電動開閉式であれば、子供を抱えた状態でも乗り降りしやすく、子育て世代のユーザーにも人気が高い。そのためにスーパーハイトワゴンは、軽乗用車の販売総数の内、半数以上を占めている。
このスーパーハイトワゴンの主力車種にダイハツタントがあるが、認証不正問題で出荷を停止させ、2024年1月以降は届け出台数が激減していた。それが今では出荷を再開して、同年5月以降は販売ランキングの上位に返り咲いている。直近の軽自動車販売ランキングを見ると、1位はホンダN-BOX、2位はスズキスペーシア、3位はダイハツタントの順位に戻った。
そして2024年は、N-BOXが1位ながらも以前に比べると売れ行きが伸び悩む。2024年上半期(1~6月)の届け出台数は、前年の同じ時期を11%下まわった。現行N-BOXの登場は2023年10月だから、現行型の売れ行きは、フルモデルチェンジを控えていた先代型よりも少ない。
■スペーシアギアは9月20日に発表予定
ほぼ同じ時期にフルモデルチェンジした現行スペーシアは、2024年上半期の届け出台数が前年同期を40%上まわった。その結果、2024年5月のスペーシアは、N-BOXよりも多く販売された。
2024年7月下旬には、スズキの販売店がスペーシアギアの予約受注を開始し、8月1日から全国で先行展示会を開催している。スペーシアギアは、スペーシアに設定されるSUVモデルで先代型では人気を得たが、現行型には用意されていなかった。それが改めて復活する。販売店では「正式な発売は9月20日を予定している」と言う。
新型スペーシアギアの価格を販売店に尋ねると「2WDの場合、ノーマルガソリンエンジン車は195万2500円で、ターボは203万7200円」とのこと。
スペーシアギアの基本装備はスペーシアカスタムに近いが、価格はノーマルガソリンエンジン車同士の比較でスペーシアギアが4万2900円安い。つまりスペーシアギアのルーフレールやSUV風の外装パーツは、スペーシアカスタムのエアロパーツよりも割安に装着されている。
スペーシアギアは、ボディが軽く、マイルドハイブリッドシステムを使うためにWLTCモード燃費が優れている。正確な数値は公表されていないが、ノーマルガソリンエンジン車のWLTCモード燃費は、マイルドハイブリッドの装着もあってカスタムと同じく23.9km/Lに達する可能性が高い。タントファンクロスのノーマルガソリンエンジンは21.9km/Lだから、スペーシアであれば燃料代を約8%節約できる。
またスペーシアギアは、撥水加工ファブリックシート、汚れを落としやすい荷室の床面加工などを施した。後席にはマルチユースフラップも装着され、ミニバンのオットマンのように足を支えたり、反転させて後席の上に置いた荷物が床へ落ちないようにできる。快適装備や収納設備も豊富だ。
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