ハイエースの中古車事情に変化あり!! ミニバン界の雄は国内外で大人気!

 車両盗難の多いクルマランキングで上位にランクインするのが、トヨタ「ハイエース」と「ランドクルーザー」だ。

 一見するとトヨタ車であること以外、何の関連性も内容に感じるが、実はグローバルマーケットで人気の2車種なのである。この2車種は盗難されるとランドクルーザーは車両のままコンテナに搭載。そしてハイエースはパーツごとにバラバラにされ海外に輸出されるケースが多いというほど人気だ。

 そこで今回は、よくも悪くも国内外問わず人気の高い1BOX車「ハイエース」のなかでも、中古車の流通台数の多いバンに絞った中古車事情を紹介しよう。

文/萩原文博
写真/TOYOTA

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■利便性の高い豊富なバリエーションで心をつかむ

 ハイエースバンと聞くと、日産「NV350キャラバン」と同様にビジネスユースが主流と思うはず。しかし、実態はそうではない。ハイエースバンの広くシンプルな室内空間はカスタマイズにピッタリなのだ。ミニバンのカスタマイズというとトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」と思いがちだが、カスタムできる範囲がハイエースとアル/ヴェルでは全然レベルが違うのだ。

 以前、ハイエースのオフ会を取材したことがあるが、改造費だけで、1000万円以上というクルマもザラにあるほどなのだ。ハイエースバンの場合ビジネスユースはもちろんカスタムをメインとしたパーソナルユースとしても非常に人気の高いモデルなのだ。

左からハイエースバン、ワゴン、コミューター。ビジネスユースだけでなくパーソナルユースでも人気となっている

 200系と呼ばれる現行型ハイエースは、2004年8月に15年振りのフルモデルチェンジを行い登場した。現行モデルも登場から間もなく16年を迎え先代を超えるロングセラーモデルとなっている。

 ハイエースバンは、全長が4695mm(一部4840mm)のロングと、5380mmのスーパーロング。全幅が1695mmの標準と、1880mmのワイド、そして全高は1980mmの標準ルーフ、2105mmのミドルルーフ、2240~2285mmのハイルーフの3種類を用意。ドア枚数は4ドアと5ドア、フロア形状はタイヤハウスの出っ張りがある標準とジャストローの2種類を用意する。

 また、乗車定員は2人、3人、5人、6人乗りとバラエティー豊富だ。加えて、グレードはエントリーグレードの「DX」、快適装備の充実した「スーパーGL」を用意。搭載するエンジンは2L&2.7L 直列4気筒ガソリンエンジンと2.8L 直列4気筒ディーゼルエンジンの3種類となっている。

ハイエースバン 「スーパーGL(2WD 標準ボディ)」の室内。リアシート通常時荷室長は1855mm(6尺)、リアシート折りたたみ時荷室長は2470mm(8尺)となっている

■改良を重ねて進化 選ぶなら防犯性が向上した年式がオススメ

 登場してから間もなく16年を迎えるハイエースバンは、マイナーチェンジや一部改良を重ねて進化している。そのなかからトピックスだったものをピックアップした。まずは最初のマイナーチェンジを行った2007年8月。全モデルのフロントグリルを変更するとともに、搭載するディーゼルエンジンは2.5Lから3Lへと排気量を拡大させるとともに、新長期規制に適合させている。

 また、バンの「スーパーGL」にワイドボディ・ミドルルーフ車の追加や「DX」に「GLパッケージ」を設定している。2010年に行った2度目のマイナーチェンジでは搭載するディーゼルエンジンの仕様変更を中心に、フロントグリル、ヘッドライト、フロントバンパーの形状を変更した。

 2012年4月の一部改良では、盗難防止システムのエンジンイモビライザーシステムを全車に標準装備。2013年の3度目のマイナーチェンジでは、ヘッドライトを含むフロントマスクの変更に加えて、インテリアもセンタークラスターパネルを変更し、様々な情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイを全車に標準装備とした。

 また、バンの「スーパーGL(2WD車)」はサスペンションのチューニングが変更されている。2014年12月の一部改良では搭載するガソリンエンジンにデュアルVVT-iが採用され、燃費性能を向上。同時にATが従来の4速から6速へと多段化された。

 そして2017年11月の一部改良では、ディーゼル車のATも6速へと多段化されると同時に衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」を標準装備した。ただし、高速道路などで追従走行が可能な、レーダークルーズコントロールは採用されていない。

 直近の2020年4月にはデジタルインターミラーを全車にオプション設定したのをはじめ、パノラミックビューモニターやインテリジェントクリアランスソナーといった運転支援装備をAT車にオプション設定するなど安全性を向上させている。

2020年の一部改良で、鏡面インナーミラーモードからデジタルインナーミラーモードに切り替えられるデジタルインターミラーを全車にオプション設定。後方視界の悪いバンだが、駐車時などに死角を減らすことに貢献してくれる

 こうして見ると、改良を重ねて進化してきたハイエースバンだが、中古車の購入はもちろん予算の都合はあると思うが、盗難が多いクルマだけに、2012年の一部改良でエンジンイモビライザー機能が付いたクルマはマストの条件と言えるし、できれば、エンジンとミッションが変更された2014年の一部改良後のモデルを狙いたいところだ。こうしたことを踏まえて、ハイエースバンの最新の中古車相場を見てみよう。

■中古車相場は最安値更新中 一部ディーゼルモデルは注意が必要

 2020年6月上旬現在、現行型ハイエースバンの中古車の流通台数は約3200台。3カ月前の2020年3月上旬の時点では約2900台だったので、3カ月で300台も増加した。特にコロナウイルス感染が世界規模で拡大した4月から台数が増加しているのが特長だ。そして流通している中古車の走行距離は3カ月前の時点が約6.4万kmで、現在は約7万kmと延びている。

 このふたつの要素だけで、これまで海外に輸出されていた走行距離の延びたハイエースバンの中古車が海外の港が閉鎖されたため、国内市場に流入したことが想像できる。

 そこで、平均価格の推移を見てみると、3カ月前が約243万円だったが、現在は約227万円となり、3カ月で16万円の値落ちを記録している。平均価格の推移をもっと長いスパンで見てみると、2019年6月の時点での現行型ハイエースバンの平均価格は約230万円その後値上がりし、2020年2月にはピークの約243万円まで上昇。その後は一気に値落ちし、現在はこの1年で最安値を記録しているのだ。

こちらの写真をクリックすると「ハイエースバン(2014年以降)」の中古車情報が見られます

 現行型ハイエースバンの中古車の価格帯は約39万~約1065万円で、だいたい500万円を超えるクルマはキャンピングカーを含んだカスタムカーとなっている。グレードでは「2.0 スーパーGL」が約350台と最も多く、続いて約240台の「3.0ディーゼルターボ スーパーGLロング」、そして約200台の「3.0ディーゼルターボ DXロング」となっている。

こちらの写真をクリックすると「ハイエースワゴン(2014年以降)」の中古車情報が見られます

 2014年12月の一部改良以降で、人気の「2.0 スーパーGL」の中古車の価格帯は約140万円~予算200万円以下でも走行距離の少ない中古車が手に入る。ハイエースバンのディーゼル車は2007年8月以前のモデルは排気ガス規制により、都市部などでは登録できないので注意が必要だ。

 また走行距離が延びた中古車が多いのがハイエースバンの特長で、走行距離が多いことを気にするのではなく、どれくらいしっかりとメンテンナンスされているかどうかの確認が大切になってくる。

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