中古車購入の際に役立つ日本仕様の歴史
さて、詳しい人にとっては今さらな話だろうが、「これからW124を買うかも」という各位のため、W124ミディアムクラス/Eクラスクラスの歴史というか「日本仕様のグレード紹介」のようなものを、極力シンプルに紹介していこう。
●前期型(1986年12月~1992年10月)
この時期のクラス呼称は「Eクラス」ではなく「ミディアムクラス」。なお、下記記載のプライスは登場初年度の新車価格で、その後変更された場合も多い。またごく一部、記載を省略したグレードもあることを断りしておく。
・230E|2.3L、直4SOHC、135ps、547万円
・260E|2.6L、直6SOHC、165ps、604万円
・300E|3L、直6SOHC、185ps、670万円
・500E|5L、V8DOHC、330ps、1550万円
・300E-24|3L、直6DOHC、225ps、785万円
・300CE-24|3L、直6DOHC、225ps、835万円
・230TE|2.3L、直4SOHC、135ps、660万円
・300TE|3L、直4SOHC、185ps、760万円
●中期型(1992年10月~1993年10月)
エンジンがDOHCとなり、排気量も変更されて、俗に言う中期型へ進化。ただし、この時点でもクラス呼称はまだ「ミディアムクラス」である。
・220E|2.2L、直4DOHC、150ps、605万円
・280E|2.8L、直6DOHC、200ps、695万円
・320E|3.2L、直6DOHC、225ps、770万円
・400E|4.2L、V8DOHC、285ps、950万円
・500E|5L、V8DOHC、330ps、1550万円
・320CE|3.2L、直6DOHC、225ps、932万円
・320CEカブリオレ|3.2L、直6DOHC、225ps、1120万円
・220TE|2.2L、直4DOHC、150ps、690万円
・320TE|3.2L、直6DOHC、225ps、825万円
●後期型(1993年10月~1995年10月)
エクステリアデザイン等を一部変更し、俗に言う後期型に。このタイミングでクラス呼称がミディアムクラスから「Eクラス」に変更され、車名も「○○○E」から「E○○○」という表記に。
・E220|2.2L、直4DOHC、150ps、580万円
・E280|2.8L、直6DOHC、200ps、650万円
・E320|3.2L、直6DOHC、225ps、710万円
・E400|4.2L、V8DOHC、285ps、870万円
・E500|5L、V8DOHC、325ps、1300万円
・E320クーペ|3.2L、直6DOHC、225ps、880万円
・E320カブリオレ|3.2L、直6DOHC、225ps、990万円
・E220ステーションワゴン|2.2L、直4DOHC、150ps、630万円
・E280ステーションワゴン|2.8L、直6DOHC、200ps、700万円
・E320ステーションワゴン|3.2L、直6DOHC、225ps、760万円
後期型ではこのほか限定モデルの「E500リミテッド」が500台製造されたが、日本への正規輸入はされていない。が、並行輸入車は数多く上陸している。
中古車価格はコンディションと整備履歴で決まる
さて、現在の中古車相場だが、おおまかな目安は以下の通り。
●直列エンジン搭載グレード:30万~250万円
●5L V8 の「500E/E500」:200万~1000万円
直列エンジン搭載グレードと500E系との価格差は確実に存在しているが、直列同士の場合は、300E、E280といったグレードや排気量、年式の違いに起因する価格差はほとんどない。
直列エンジン搭載車の価格は(まあV8の500Eもそうなのだが)、あくまで「個体のコンディションと整備履歴で決まる」という状況だ。
直6または直4搭載グレードの場合、「買ってそのまま、まともに1年以上走れる中古車」の価格目安は130万円以上、いや、できれば150万円以上とイメージしておくべきと考える。
数十万円クラスの格安物件は、交換されてしかるべき消耗部品が交換されていないケースが大半であるため、結局はかなりの確率で購入後、数十万円から100万円級の整備予算がかかる。
ならば最初から、経験豊富な専門店が適切な整備と部品交換を行っている個体を150万~200万円ぐらいで買うほうが、結局は安上がりなのだ。
5LのV8エンジンを搭載している500E/E500も同様に、200万円級の格安物件を買っても、半年後か1年後にドツボにハマるだけ。もしも買うのであれば、信頼できそうな専門店に大金を払って整備済みの上物を買うか、もしくはあきらめて「見てるだけ」にとどめておくべきだろう。
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