値下げで割安とは限らない!? 新型登場の型落ち中古車は買い得か

 需要と供給のバランスで価格が決まる中古車。値落ちする要因はいくつかあるが、最も影響が大きいのが世代交代となるフルモデルチェンジだ。新型が登場することによって、旧モデルの中古車相場は下がることが多い。

 そこで本稿では、2020年にフルモデルチェンジを行った車種の中から、特に注目度の高いトヨタ ヴィッツ(現在ヤリス)、トヨタ ハリアー、ホンダ フィット、スバル レヴォーグの4車種について、フルモデルチェンジによって中古車相場がどのように動いたのかをチェックした。

文:萩原文博、写真:トヨタ、ホンダ、スバル

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旧ヴィッツは高年式の中古車を中心に割安感高まる

 まずは、2020年4~5月の新車販売台数(編注:軽自動車除く)で、No.1に輝いたヤリスから。4代目となる原稿型はヤリスとなったが、3代目の旧型モデルまで国内ではヴィッツの名称で販売されていた。

3代目ヴィッツ(販売時期:2010年12月~2020年1月)中古車平均価格:約80万円

 旧型ヴィッツは2010年に登場し、GRMNといったコンプリートモデルも発売されたコンパクトカーだ。約10年間販売されたロングセラーモデルで、現在中古車の流通台数は約3600台と非常に豊富。

 しかし、3カ月前の時点では、4000台以上流通していたので、約1割は市場から消えてしまった。平均価格は3カ月前が約81万円で、今月は約80万円とほぼ横這い。すでにモデルチェンジから8カ月が経過しているので、値落ち傾向は緩やかになっている。

 そこで平均価格の推移を1年というスパンで見てみると、2020年2月にフルモデルチェンジを行い、2020年3月までは在庫となっているクルマが未使用中古車として流入したことで、値上がり傾向となり、ピークとなる約89万円まで上昇。

 その後は一転して値落ち傾向となり、2020年8月に底値となる約80万円を記録。その後は横這いとなっているのだ。

 全体的には横這い傾向となっているが、安全装備の充実化という一部改良を行った2018年5月以降の高年式中古車はこの価格帯としては大きめの値落ち幅を記録している。

 したがって旧型ヴィッツは安全装備が充実した高年式車の買い得感が高くなっている。

割安感高い旧型フィットは特に2017改良型以降がお得

 ヴィッツとほぼ同時期にフルモデルチェンジを行ったのが、国産コンパクトカーの人気モデルであるホンダ フィットだ。

 2013年登場の3代目フィットは、搭載する1.5L、1.3Lガソリンエンジンを一新し、すべてDOHC化。またハイブリッドシステムも1.5L+1モーター&7速DCT(i-DCD)に一新され優れた燃費性能を実現した。

3代目ヴィッツ(販売時期:2013年9月~ 2020年1月)中古車平均価格:約98万円

 現在、旧型フィットの中古車の流通台数はヴィッツを上回る約5840台と非常に豊富。しかも3カ月前が約5600台だったので、増加傾向となっているのだ。

 また、平均価格の推移を見てみると、3カ月前の時点が約102万円で、しばらく横這いの状況が続き10月に入ると値落ちが進み、現在は約98万円まで値落ちが進んでいる。

 旧型フィットも平均価格の推移を1年スパンで見てみると、2020年2月にフルモデルチェンジを行った直後は約120万円まで値上がりしたが、その後は順調に値落ちし約8カ月で20万円というこの価格帯としては大きな値落ちを記録している。

 その順調な値落ちを示している旧型フィットの中で特に値落ちが目立つのが、2017年6月に行ったマイナーチェンジ後のモデルだ。

 このマイナーチェンジでは内外装の変更に加えて、ホンダ独自の運転支援システムである「ホンダセンシング」を搭載し、安全性を向上させているのが特徴だ。

 このホンダセンシングを搭載した中古車の値落ちが目立っているので、ビギナーや高齢ドライバーにオススメのクルマと言える。

新型登場でもハリアーの中古車は値落ちせず

 続いては2020年9月の新車販売台数で、5位にランクインした国産プレミアムSUVのトヨタ ハリアー。新車のハリアーはグレードや装備によっては納期が2021年春となるほどの人気を誇っているが、中古車でもその人気は健在。

3代目ハリアー(販売時期:2013年11月~2020年5月)中古車平均価格:約266万円

 2013年11月~2020年5月まで販売されていた旧型ハリアーの中古車の流通台数は現在約3050台。3カ月前の時点では、約2190台だったので、右肩上がりで増加中だ。

 中古車の平均走行距離も約3.2万kmだった3カ月前から現在は約3.5万kmまで延びているにもかかわらず、平均価格は約261万円だった3カ月前から現在は約266万円へと値上がり傾向を示している。

 ハリアーは2020年6月にフルモデルチェンジを行ったが、旧型ハリアーの平均価格の推移を1年スパンで見てみると、2019年12月に最高値の約274.5万円を記録。

 その後は値落ち傾向が続き2020年6月、まさにフルモデルチェンジを行ったタイミングに当面の最安値となる約257万円を記録した。

 しかし、その後は値上がり傾向となり、わずか3カ月で平均価格が9万円も値上がりし、現在も値上がり傾向となっている。フルモデルチェンジしてもハリアーの中古車の人気に陰りはない。

レヴォーグは廃止された2Lターボ車が人気で値上がり傾向

 そして、最後は2020年10月に初のフルモデルチェンジを行ったばかりのスバル レヴォーグだ。数少ない国産ステーションワゴンとして指示されているレヴォーグの中古車相場はフルモデルチェンジによってどのような動きを示したであろうか。

初代レヴォーグ(販売時期:2014年4月~2020年9月)中古車平均価格:約196万円

 2014年に登場した初代レヴォーグの中古車の流通台数はステーションワゴン人気を反映して、約790台と少なめだ。しかし、3カ月前は約650台だったので、フルモデルチェンジの影響で流通台数は増加している。

 いっぽう中古車の平均走行距離は約3.7万kmだった3カ月前から現在は約4万kmまで増加しているものの、平均価格は約186万円から約196万円へと値上がり傾向となっているのだ。

 レヴォーグの平均価格の推移も1年スパンという長い期間で見てみると意外なことがわかった。2019年12月に約206万円という最高値を記録した後は、2020年8月に約181万円という最安値を付けるまで順調に値落ちしていた。

 しかし、新型レヴォーグのティザー広告が始まったタイミングに合わせて値上がりに転じ、わずか2カ月で25万円という値上がり幅を記録したのだ。

 旧型レヴォーグの値上がりの要因の一つは最高出力300psというハイパワーを発生する2Lターボ車の中古車相場が高騰していること。

 新型レヴォーグは1.8L水平対向ターボエンジンを搭載しているが、最高出力は177ps、最大トルク300NmとFA20型2Lターボエンジンと比べると見劣りする。

 ハイパワーワゴンを求める人には新型レヴォーグのパワーでは満足させられていないということが中古車相場の値上がりにつながっていると考えられる。

まとめ

 こうして、2020年にフルモデルチェンジを行ったビッグネームの4車種の先代モデルの中古車相場の推移を見てきたが、ヴィッツ、フィットは値落ち。

 いっぽうのハリアー、レヴォーグは値上がりと値動きが分かれている。現在は値落ち傾向のヴィッツ、フィットも、フルモデルチェンジのタイミングと中古車相場が値落ちとなるまでにタイムラグがあった。

 したがってフルモデルチェンジしたからといって必ずしも中古車相場が下がるとは限らないことを覚えておいてもらいたい。

 今回紹介した4モデルについていうと、ヴィッツとフィットは高年式車を中心に割安感が高くなっているが、ハリアーとレヴォーグは値上がり傾向となっていて、買い得感は低い。

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