需要と供給のバランスで価格が決まる中古車。値落ちする要因はいくつかあるが、最も影響が大きいのが世代交代となるフルモデルチェンジだ。新型が登場することによって、旧モデルの中古車相場は下がることが多い。
そこで本稿では、2020年にフルモデルチェンジを行った車種の中から、特に注目度の高いトヨタ ヴィッツ(現在ヤリス)、トヨタ ハリアー、ホンダ フィット、スバル レヴォーグの4車種について、フルモデルチェンジによって中古車相場がどのように動いたのかをチェックした。
文:萩原文博、写真:トヨタ、ホンダ、スバル
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旧ヴィッツは高年式の中古車を中心に割安感高まる
まずは、2020年4~5月の新車販売台数(編注:軽自動車除く)で、No.1に輝いたヤリスから。4代目となる原稿型はヤリスとなったが、3代目の旧型モデルまで国内ではヴィッツの名称で販売されていた。
旧型ヴィッツは2010年に登場し、GRMNといったコンプリートモデルも発売されたコンパクトカーだ。約10年間販売されたロングセラーモデルで、現在中古車の流通台数は約3600台と非常に豊富。
しかし、3カ月前の時点では、4000台以上流通していたので、約1割は市場から消えてしまった。平均価格は3カ月前が約81万円で、今月は約80万円とほぼ横這い。すでにモデルチェンジから8カ月が経過しているので、値落ち傾向は緩やかになっている。
そこで平均価格の推移を1年というスパンで見てみると、2020年2月にフルモデルチェンジを行い、2020年3月までは在庫となっているクルマが未使用中古車として流入したことで、値上がり傾向となり、ピークとなる約89万円まで上昇。
その後は一転して値落ち傾向となり、2020年8月に底値となる約80万円を記録。その後は横這いとなっているのだ。
全体的には横這い傾向となっているが、安全装備の充実化という一部改良を行った2018年5月以降の高年式中古車はこの価格帯としては大きめの値落ち幅を記録している。
したがって旧型ヴィッツは安全装備が充実した高年式車の買い得感が高くなっている。
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