1992年9月、ランサーエボリューションの輝かしい歴史が始まった。しかし、エボリューションの系譜は、2015年8月に限定1000台で販売されたランサーエボリューションの生産終了によって約24年10代にわたる歴史に幕を閉じてしまった。
ランサーエボリューションシリーズは、ラリーなどの競技のベース車として熱烈なファンに支えられていたクルマだ。世界ラリー選手権を舞台に、インプレッサやセリカとのチャンピオン争いを繰り広げた激戦は、今でも脳裏に焼き付いている方も多いだろう。
惜しまれつつも生産終了となってしまったが、現在でも中古車市場において高値で取引きされている。
ランサーエボリューション(以下ランエボ)は、I~IIIの第1世代、IV~VIの第2世代、VII~IXの第3世代、そしてXの第4世代と分けて語られることが多い。
今回、どのモデルが中古車市場で高騰しているのか、中古車事情に詳しい伊達軍曹が解説する。
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 三菱
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どの世代のどのモデルが高騰しているのか?
三菱ランサーエボリューションXの中古車相場が上昇している。まぁ走行10万kmを大きく超えた通常モデルのランエボXは車両100万円そこそこで狙えたりもするのだが、2015年8月に1000台限定で発売された「ランサーエボリューション ファイナルエディション」は最安値でも400万円オーバー。走行数千kmレベルのMT車では700万円以上になることも珍しくない。
ファイナルエディションを中心とするランエボXの中古車相場は今、どんな具合になっているのか? また、それ以前の「懐かしのランエボ」各世代の相場はどうなのか?
そのあたりのモロモロを世代別に調査してみることにしよう。まずは「第1世代」と呼ばれるランサーエボリューションIからIIIまで。
1992年9月に発売されたランエボIこと初代三菱ランサーエボリューションは、世界ラリー選手権(WRC)の出場資格を得るため、当時のランサー1800GSRに、ギャランVR-4に搭載されていた最高出力250psの4G63型2L、直4ターボエンジンと4WD機構を移植したモデル。
今にして思えばおとなしめのビジュアルだが、当時としては衝撃的なまでの武闘派フォルムで、まず発売された2500台は3日で完売。最終的には7628台が販売された。
が、2020年の今となってはランエボIの中古車流通量は0台で、ほぼ絶滅状態。相場もないという状況なのであった。まぁ年式的にそりゃそうか……という話ではあるのだが……。
続いて1994年1月に発売されたのがランサーエボリューションII。登場時のキャッチコピーは「またも、最強へと進化をとげた。」で、エンジンの改良により最高出力は260psに。
同時にボディ剛性を向上させ、鍛造アルミロアアームの採用やホイールベースおよびトレッドの拡大等々により、走行性能は大幅に改善された。
しかし、こちらの中古車も今や全国で数台しか流通していない。車両230万円前後で(意外と安くはない)ほそぼそと販売されているようだ。
1995年1月に発売されたランサーエボリューションIIIは、当時の市販車としては異例の大型リアウイングや開口部の大きなフロントバンパーを採用して人気となった世代。
4G63型2Lターボエンジンの最高出力は、細かな改良により270psまで増強された。
これもまた中古車の流通量は「全国で数台」といったレベル。ただし車両価格は220万円から300万円ぐらいとまあまあお高く、TOMEI製の2.3Lエンジンに換装された個体には400万円以上の値札が付いている。
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