ドイツのBMWに3.2L自然吸気直6の名機「S54B32」があり、同じくドイツのAMGには6.2L自然吸気V8の名機「M156」があるように、日本にも誇るべき名作エンジンがある。
それはトヨタの直6、「1JZ-GTE」(1990年8月~2006年5月まで生産)だ。
第1世代では2.5Lの直列6気筒DOHCにトヨタ製CT12型セラミックターボチャージャー2基を組み合わせ、当時の自主規制の上限値「280ps」を最小排気量で実現。
それでいて、軽量なセラミックタービンにより良好なアクセルレスポンスを有し、さらに、当時としてはターボラグがきわめて小さいという、まさしく「名機」であったのだ。
第2世代では可変バルブタイミング機構とCT15B型シングルターボチャージャーとなり、280psの最高出力は変わらないものの、フルカウンタークランクやセミ鍛造ピストン、メタルヘッドガスケットなど、高強度のパーツが使われており、エンジンの耐久性は高かった。
だが、「EUの2035年にガソリン車の新車販売を禁止する意向」などのニュースを聞くまでもなく、この種のガソリン名機を堪能できる残り時間はそう長くはないはず。
また人気が高いゆえに、1JZ-GTE搭載モデルの中古車相場がどんどん上がっているという問題もある。
クルマ好きなら、運転免許を返納するまでに一度は味わうべき1JZ-GTE搭載モデルは今、いくらぐらいで探せるのか? また、その流通量はどうなっているのだろうか?
文/伊達軍曹
写真/トヨタ
【画像ギャラリー】トヨタの1JZは何がすごかった? 名機1JZ-GTE搭載モデル一覧
コメント
コメントの使い方