日産S15型シルビア
「ここ数年の間に高騰していた相場が、2021年の1年間でさらに上がってしまった」という話は、S15型日産シルビアにも当てはまる。
これまた筆者が2020年11月にベストカーWebに書いた原稿では、「走行距離少なめのMT車であれば300万円オーバーとなるのはザラで、なかには500万円近いプライスとなってる個体も散見される」となっているのだが、直近の相場に合わせて上記の文章を書き直すと、下記のとおりとなる。
「走行距離少なめのMT車であれば400万円オーバーとなるのはザラで、なかには800万円近いプライスとなってる個体も散見される」
ざっくり100万円から300万円は高騰した……ということだ。
この手の「相場高騰中のネオクラシック車」についての原稿を書く際、筆者はこれまでほぼ常に「早く買ったほうがいいと、安っぽく煽るつもりはない。
だがもしも買うのであれば、(さらに値上がりしてしまう前に)なる早で買うに越したことはないはずだ」というような意味のことを書いてきた。
……自分が書いてきたことが“嘘”にならなかったことには安堵している。だが、筆者は決してネオクラ車の相場高騰を望んでいたわけではないため(むしろ自分の予想が外れればいいとすら思っていた)、その心境はいささか複雑である。
ホンダ初代シビックタイプR
このほかではホンダ シビックタイプRの歴代モデルは、初代の高値物件だけはそこそこ大きく値上がりしたが、全体としては、2020年10月に筆者が調査した相場からさほど大きな変化はしていない模様。具体的な直近の相場は、おおむね下記のとおりである。
●EK9(1997~2001年):230万~500万円
●EP3(2001~2005年):110万~270万円
●FD2(2007~2010年):190万~500万円
●FK2(2015~2016年):380万~500万円
国産ネオクラシック系スポーツ全体が高騰しているなか、シビックタイプRは「物価的な優等生」と言えるのかもしれない。とはいえこの優等生もいつ何時“豹変”するかはわかったものではないため、いつものフレーズを言わせていただこう。
……歴代シビック タイプRの中古車を「早く買ったほうがいい!」と安っぽく煽るつもりはない。だがもしも買うのであれば、なる早で買うに越したことはないはずだ。
スバル S208、S207
さらにそのほかでは、スバルが2017年10月に450台限定で発売したWRX STIの特別仕様車「S208」の相場は、2020年10月時点から30万円ほど上がったのみで、具体的には660万~890万円となっている。
しかしながら、S208以上にマニア人気が高い「S207」はこの1年で250万円ほど上がってしまい、直近では680万~820万円ほどになっている。
これも2022年の年末には果たしていくらになっているのか……あまり考えたくもない車種のひとつである。
最後に、中古車高騰の要因の一つといわれている、アメリカの25年ルールが対象となる車両の高騰が予想される。
初年度登録から25年以上経過すれば、米国運輸省(NHTSA)が関税や排ガス規制を対象外として、右ハンドルの輸入・登録・走行を認める制度だが、これをクリアした日本車は高騰が予想される。
特に日本国内市場で販売された日本車の「JDMブーム」も起きているため、25年ルール対象車以外のネオクラシックカーなども2021年よりも暴騰するかもしれない。
車種としては1997年に登場した初代シビックタイプR、NSXの3.2Lモデル、2代目アリスト、トヨタ80スープラ後期型、2代目トヨタセンチュリー、日産R33GT-R後期型、日産パルサーVZ-R、日産ステージア260RS、三菱パジェロエボリューション、いすゞビークロスが考えられる。
日本のクルマ好き、特に5~10年前の流通価格を知っている旧車ファンにとっては、あまりの値上がりぶりに閉口気味。早く終息することを願ってやまない。
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