2021年高騰中古車爆上がり車ランキング 今年はどのモデルが爆上げする?

日産S15型シルビア

日産S15型シルビア(1999年1月発売)。スペックSはNAのSR20DE型2L、直4を搭載。4ATは160ps/19.2kgm、5MTは165ps/19.6kgmを発生。スペックRはSR20DET型2L、直4ターボで、4ATは225ps/28.0kgm、6MTは250ps/28.0kgm
日産S15型シルビア(1999年1月発売)。スペックSはNAのSR20DE型2L、直4を搭載。4ATは160ps/19.2kgm、5MTは165ps/19.6kgmを発生。スペックRはSR20DET型2L、直4ターボで、4ATは225ps/28.0kgm、6MTは250ps/28.0kgm

 「ここ数年の間に高騰していた相場が、2021年の1年間でさらに上がってしまった」という話は、S15型日産シルビアにも当てはまる。

 これまた筆者が2020年11月にベストカーWebに書いた原稿では、「走行距離少なめのMT車であれば300万円オーバーとなるのはザラで、なかには500万円近いプライスとなってる個体も散見される」となっているのだが、直近の相場に合わせて上記の文章を書き直すと、下記のとおりとなる。

 「走行距離少なめのMT車であれば400万円オーバーとなるのはザラで、なかには800万円近いプライスとなってる個体も散見される」

 ざっくり100万円から300万円は高騰した……ということだ。

 この手の「相場高騰中のネオクラシック車」についての原稿を書く際、筆者はこれまでほぼ常に「早く買ったほうがいいと、安っぽく煽るつもりはない。

 だがもしも買うのであれば、(さらに値上がりしてしまう前に)なる早で買うに越したことはないはずだ」というような意味のことを書いてきた。

 ……自分が書いてきたことが“嘘”にならなかったことには安堵している。だが、筆者は決してネオクラ車の相場高騰を望んでいたわけではないため(むしろ自分の予想が外れればいいとすら思っていた)、その心境はいささか複雑である。

ホンダ初代シビックタイプR

ホンダ初代シビックタイプR(1997年8月発売)。搭載されるB16B型1.6L、直4VTECはリッターあたり100psを超える185ps/16.3kgmを発生
ホンダ初代シビックタイプR(1997年8月発売)。搭載されるB16B型1.6L、直4VTECはリッターあたり100psを超える185ps/16.3kgmを発生

 このほかではホンダ シビックタイプRの歴代モデルは、初代の高値物件だけはそこそこ大きく値上がりしたが、全体としては、2020年10月に筆者が調査した相場からさほど大きな変化はしていない模様。具体的な直近の相場は、おおむね下記のとおりである。

●EK9(1997~2001年):230万~500万円
●EP3(2001~2005年):110万~270万円
●FD2(2007~2010年):190万~500万円
●FK2(2015~2016年):380万~500万円

 国産ネオクラシック系スポーツ全体が高騰しているなか、シビックタイプRは「物価的な優等生」と言えるのかもしれない。とはいえこの優等生もいつ何時“豹変”するかはわかったものではないため、いつものフレーズを言わせていただこう。

 ……歴代シビック タイプRの中古車を「早く買ったほうがいい!」と安っぽく煽るつもりはない。だがもしも買うのであれば、なる早で買うに越したことはないはずだ。

スバル S208、S207

スバルS208(2017年10月発売)。S208は2017年10月26日発表、11月12日までの期間限定450台。限定450台の4倍以上、約1900台の受注となり抽選販売となった。最高出力は329ps/7200rpmで前型のS207より1ps向上。最大トルクは44.0kgm/3200~4800rpmでS207と同一
スバルS208(2017年10月発売)。S208は2017年10月26日発表、11月12日までの期間限定450台。限定450台の4倍以上、約1900台の受注となり抽選販売となった。最高出力は329ps/7200rpmで前型のS207より1ps向上。最大トルクは44.0kgm/3200~4800rpmでS207と同一
400台限定で販売されたスバルS207(2015年10月発売)。EJ20型水平対向4気筒ターボエンジンはバランス取り、専用設計のECUによるエンジン制御、ボールベアリングターボの採用によって328ps/44.0kgmを発生。またフロントサスペンションは専用開発のビルシュタイン製減衰力可変ダンパー「DampMatic II」を初採用
400台限定で販売されたスバルS207(2015年10月発売)。EJ20型水平対向4気筒ターボエンジンはバランス取り、専用設計のECUによるエンジン制御、ボールベアリングターボの採用によって328ps/44.0kgmを発生。またフロントサスペンションは専用開発のビルシュタイン製減衰力可変ダンパー「DampMatic II」を初採用

 さらにそのほかでは、スバルが2017年10月に450台限定で発売したWRX STIの特別仕様車「S208」の相場は、2020年10月時点から30万円ほど上がったのみで、具体的には660万~890万円となっている。

 しかしながら、S208以上にマニア人気が高い「S207」はこの1年で250万円ほど上がってしまい、直近では680万~820万円ほどになっている。

 これも2022年の年末には果たしていくらになっているのか……あまり考えたくもない車種のひとつである。

 最後に、中古車高騰の要因の一つといわれている、アメリカの25年ルールが対象となる車両の高騰が予想される。

 初年度登録から25年以上経過すれば、米国運輸省(NHTSA)が関税や排ガス規制を対象外として、右ハンドルの輸入・登録・走行を認める制度だが、これをクリアした日本車は高騰が予想される。

 特に日本国内市場で販売された日本車の「JDMブーム」も起きているため、25年ルール対象車以外のネオクラシックカーなども2021年よりも暴騰するかもしれない。

 車種としては1997年に登場した初代シビックタイプR、NSXの3.2Lモデル、2代目アリスト、トヨタ80スープラ後期型、2代目トヨタセンチュリー、日産R33GT-R後期型、日産パルサーVZ-R、日産ステージア260RS、三菱パジェロエボリューション、いすゞビークロスが考えられる。

 日本のクルマ好き、特に5~10年前の流通価格を知っている旧車ファンにとっては、あまりの値上がりぶりに閉口気味。早く終息することを願ってやまない。

【画像ギャラリー】今や新車価格の6.6倍は高すぎ? 妥当? 人気爆発のネオクラをギャラリーでチェック(21枚)画像ギャラリー

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