世界中から圧倒的な支持を集める、トヨタ ランドクルーザー(以下ランクル)。現行型であるランクル200は、すでに登場から12年が経過した。
いよいよここにきて、次期型が2021年春~夏頃にデビュー、という情報が出てきている。
いよいよ待望の新型登場となるわけだが、ご存じのとおり、ランクルはそのボディのデカさゆえ、日本国内で本領発揮させることが難しく、いささかその性能をもてあましてしまうクルマだ。
ではこの新型ランクルが狙う市場とは、どんなところなのであろうか。
文・表:吉川賢一、写真:トヨタ、予想CG:ベストカー編集部
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ランドクルーザーが狙う市場とは?
昨年(2019年)8月、「ランドクルーザー」シリーズのグローバル累計販売台数が1000万台を突破した。
ランクルは、1951年8月に試作車「トヨタジープBJ型」が完成して以来、世界170ヶ国で販売されるグローバルカーであり、トヨタ車のなかで最も長い、68年の歴史を持つブランドだ。
もともとは警察(軍用)車両として誕生し、北米などで支持を集めたランクルであるが、ランクルがいま狙うのは、主に中東地域。年間の販売台数約38万台のうち、3割以上となる約13万台が中近東で売れている。
中東地域に住む、お金持ちの若者は、週末のたびに砂漠へと出かけ、ランクルや、レクサスLX、ニッサンサファリ、ポルシェカイエン、といったクルマでの乗り比べを楽しむのだそうだ。
観光にも使われている。中東の経済の中心都市、ドバイの観光では、「デザートサファリ」と呼ばれる砂漠ツアーが定番となっている。ドバイを走る幹線道路から少し逸れると、もうそこは砂漠地帯。その砂漠地帯をクルマで豪快に走り回る、というツアーだ。
タイヤが砂の中に沈んで走れなくなってしまわないよう、タイヤの空気を抜き、砂丘の山をぐいぐいと、まるでジェットコースターのように走る。それにランクルが、多く使われているのだ。
もちろん、こうした使い方だけでなく、その走破力と耐久性を活かし、病院まで数百キロある荒れた道のりを走破して病人やケガ人を輸送したり、災害地へ出向いて救命活動に従事する、といった使われ方もしている。
移動できないことで生死に関わる地域にとって、ランクルはまさに「命綱」なのだ。
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