世界的人気となったSUVは、街乗りを意識した快適性重視のモデルが中心。しかし、近年、ジムニーの大ヒットやランドローバー・ディフェンダーの復活など、再びクロカンにもフォーカスが当てられている。その流れのなかで、フォードが往年のSUV「ブロンコ」を復活させた。
その名に相応しい荒野を駆ける動画を公開するなど、本格的クロカンへと磨き上げられているようだ。日本では入手が困難! とはいえ、気になるのも一台でもある。新生クロカン「ブロンコ」に迫った!
文/大音安弘
写真/FORD
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■質実剛健さが売りだった初代から24年ぶりのカムバック!
フォードによる「ブロンコ」復活の予告は、2017年のデトロイトショーでのこと。あれから3年の月日を経て、いよいよ新型が、お披露目された。ブロンコとは、北米西部の平原で放牧される小型の馬を意味する。まさに広大な米国の自然の中を自由に駆け回るクルマに相応しい名だ。ちなみに、ブロンコが野生化したものが「マスタング」となる。そういう意味では、自由だが、人とのつながりの強さも強調されているのかもしれない。
そんなブロンコの歴史は少し振り返ると、初代が1966年に誕生。民間向けのジープ「CJ」やフルサイズSUV「チェロキー」などの本格オフロード向け四輪駆動車を意識して、開発された。そのコンパクトなボディとショートホイールベースがオフロードでの強みとなり、クロカン愛好派から愛された。しかし、同クラスにシボレーがより豪華な「ブレイザー」を投入したことで、質実剛健なブロンコは、苦戦を強いられることになる。
1978年登場の2代目は、多くのライバルに対抗すべく、F-100トラックベースのフルサイズSUVへと進化。その結果、堅牢さは受け継がれたものの、初代の身軽さを活かしたクロカンという強みは失われてしまう。その後、乗用性能を高めていくも、多くのライバルに打ち勝つことは出来ず、1992年登場の5代目の1996年の生産終了と共に、その歴史に幕を閉じてしまった。そして2020年、6代目となる新型が公開されたのだ。
■伝統の2ドアに加えて4ドアを史上初設定
初代を彷彿させるたくましさとか愛嬌を兼ね備えたスタイルは、まさに荒野をかける馬のわんぱくさと力強さを感じさせるもの。これなら、ブロンコファンも納得のデザインだろう。初代の精神は、単なるオマージュではなく、初代モデルをデジタルスキャンすることで、スタイリングと悪路走破性の改めて検証。その結果が、新型に反映されているという。これは、初代ブロンコを現代の技術で蘇らせたと受け取ってもいいだろう。
新型では、伝統的な2ドアのショートボディに加え、より多目的に使える4ドアモデルを初設定。いずれもドアとルーフ部の着脱が可能で、アクティブなアウトドアユースや本格的なオフロードユースを強く意識していることが伺える。しかもルーフは、4分割されているので、一人での取り外しも可能だという。ルーフの素材は、2ドアがハードトップ。4ドアがソフトトップを標準とする。もちろん、4ドアもハードトップの選択ができる。
新型ブロンコのボディサイズは以下の通り。やはり3ドアはコンパクトで悪路での使い勝手はよさそうだ。
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