2020年9月25日、日産自動車は、横浜グローバル本社ギャラリーにて新型インフィニティQX60のデザインスタディモデル(コンセプトカー)「QX60 Monograph(モノグラフ)」を世界初公開した。
インフィニティブランドは米国、カナダ、欧州、ロシア、中東、中国、韓国で展開されている日産自動車のプレミアムブランド。
なぜ、日本で展開されていないインフィニティブランドのクルマを日産自動車のお膝元である、横浜で発表したのだろうか? もしやインフィニティブランドの日本展開もあるかもしれないと淡い期待をした方も多いはずだ。
インフィニティと聞いて、すぐに思い浮かぶのはどのクルマだろうか? 古くからのクルマ好きは、バブル全盛期、1989年11月に発売されたインフィニティQ45ではないだろうか。
そのほか、インフィニティQ50がスカイラインクロスオーバー、Q70がフーガとして販売されたこともあった。さらに一時期、現行スカイラインにインフィニティエンブレムがつけられていたことが物議を醸したこともあった。
なぜ、日産自動車は、インフィニティブランドを日本で展開してこなかったのだろうか?
そして、今後、インフィニティブランドの日本展開はあるのか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/日産自動車
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インフィニティブランドの発足から31年
SUVの人気動向で注目されるのは、日本と海外の両方で好調に販売できることだ。軽自動車とミニバンは、後者の一部が海外で売られるが、基本的には国内向けになる。
海外で扱わないと世界生産台数は伸び悩むが、SUVなら売れ行きを伸ばしやすい。開発も積極的に行われ、車種の数も増えた。
そして2020年9月25日に、日産はSUVのインフィニティQX60モノグラフを披露した。インフィニティは日産の上級ブランドで、トヨタのレクサスに相当するが、日本では事業を展開していない。日本では展開していない海外専門のブランドのコンセプトカーをなぜ日本で発表したのだろうか?
インフィニティもSUVを豊富に揃える。取り扱い車種は地域によって異なるが、欧州ではコンパクトなQX30、全長が4.6mを少し超えるミドルサイズのQX50、全長が5m以上のQX60、後輪駆動をベースにしたスポーティなQX70、Lサイズで悪路走破力を高めたQX80がある。
このうち、QX60モノグラフは、2021年に発売を予定するQX60のコンセプトモデルだ。フロントマスクには厚みのあるグリルと切れ長のヘッドランプが備わり、ボディサイドのパネルは緩やかな曲面で構成される。
過剰な装飾を抑え、力強く洗練された仕上がりが美しい。車内には3列のシートが装着され、ミニバン的なファミリー需要にも応えられる。
ボディサイズは従来型と同様に大柄だが、レクサスLXもLサイズのボディで、全幅は5mを超えて全幅も約2mに達する。そこを考えると、QX60モノグラフも海外向けではあるが、日本でも販売可能な大きさだろう。
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