師走に入り、1日の気温差が激しく、日に日に寒さが増してきた。本格的に冷え込んでくるようになると性能が低下してくる自動車部品の一つがバッテリーです。
温度が低くなると活性が低下して、電圧も落ちてしまう。冬はバッテリーのトラブルが頻発する季節。
2019年の年末年始、JAFのロードサービス出動件数、出動理由をみると、「過放電バッテリー」(バッテリー上がり)が2万5447件で1位。2位は「タイヤのパンク、バーストなど」の8903件。3位は5019件で「破損/劣化バッテリー」。1位と3位がバッテリー関連で、実に出動件数全体の約47%を占めています。
また最近、アイドリングストップ機構はバッテリーの劣化を早める可能性が高く、総合的に考えるとエコでもないし、財布にも厳しい、という記事がアクセスを集めています。つまり、バッテリーを大事にすることはエコだし、財布にも優しいのです。
そこで、バッテリートラブルを起こさないための防止策はどんなものがあるのか、モータージャーナリストの高根英幸氏が解説します。
文/高根英幸
写真/ベストカーweb編集部 Adobe Stock(トビラ写真:Songkhla Studio@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】バッテリーを消耗させる装備品はこんなに電力を消費している!
本格的な冬将軍を迎える前に愛車のバッテリーを点検しよう
毎朝の出勤時の儀式として愛車のエンジンを始動する時、あるいは週末にエンジンを掛けようとセルスターターを回した際、モーターの回転音がいつもより低い、すなわち回転数が低いと感じたことはないだろうか?
それは、バッテリーの電圧が落ちているということ。バッテリーはエンジンを始動する際に一気に電力を放出する。この時のためにバッテリーは搭載されているといってもいい。
自宅で、あるいは出先でバッテリー上がりによりエンジンが始動不能になってしまい、ロードサービスのお世話になることは、クルマを持っているドライバーであれば誰でも一度はあるものだ。
ここで、基礎知識として、バッテリー寿命と交換時期を述べておきたい。使用環境によって異なるがバッテリーの寿命は、おおよそ2~3年。
バッテリーの交換時期はいつなのか、こんなことが起こったらバッテリーを交換したほうがいいという、バッテリーが寿命を迎える前兆は以下の通り。
■バッテリーが寿命を迎える前兆とは
●エンジンをかける際、スターターモーターのかかりが悪い
●パワーウィンドウの動作が遅い
●バッテリー液の減りが早い
●エンジンの回転数によってヘッドライトの明るさが異なる
●バッテリーを3年以上交換していない
●バッテリー本体が膨張する
●バッテリー上面にバッテリー液が漏れている
●バッテリーターミナル端子に粉が付いている
みなさんの愛車のバッテリーの状態はいかがだろうか? 本格的な冬将軍を迎える前に一度点検してほしい。
バッテリー上がりの原因はバッテリーの寿命以外にもある。それは発電機であるオルタネーターの故障であったり、電装品の故障による待機電力の増大、あるいはルームランプやスモールランプの消し忘れというドライバー起因のものまでいろいろある。
しかし防げたはずのバッテリー上がりも存在する。それはうっかり消し忘れるのではなく、弱ったバッテリーに追い討ちをかけてしまうような行為をドライバーが行なってしまったことによって起こったバッテリー上がりのことだ。
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