たとえばディーゼル。石原都知事時代に大気汚染の元凶であるかのように喧伝され、一時日本国内に国産ディーゼル乗用車は走ってないんじゃないかというような状況にまでなったが、いまでは国から購入補助金を受けられるほどクリーンなエネルギーとして認知されている。時が経つにつれ評価がガラッと変わった好例といえるだろう。
実際変わったのは、“イメージ”か、メーカーの努力による“事実”か、それとも世のなかの“常識”だろうか? 時とともに評価がガラリと変わった(あるいは変わってしまった?)クルマ界の様々なモノ・コト、その度合いを検証してみた。
※本稿は2018年1月時点のものです。
文:鈴木直也、渡辺陽一郎、伊達軍曹、ベストカー編集部
写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年2月10日号
【20年前までは?】 中国のクルマはパクリばかりで質も悪い!
〈以前の評価〉
中国のショーで見かけるのは各国の名車のソックリさんばかり。しかも似てるのは外見だけで、中身はヤバイ!?
〈最近の評価〉
私が初めて中国に行った2009年時の中国車はパクリカーのオンパレード。インパネはテカテカ、得体のしれないエンジンなど、お笑い状態。それが昨年(2017年)11月の広州モーターショーで見た中国車は、素直にカッコいいクルマや内装も上々というクルマがゴロゴロ。パワートレーンも現代的と劇的に進歩していた。これで耐久性&信頼性、安全関係に問題なければ恐ろしい存在と断言できる。
(永田恵一)
※こちらの記事もどうぞ!→日本車を越える日は来るのか!? 急成長する韓国、中国車の現在地(2018.1.25)
【20年前までは?】 「輸入車はオシャレだけど、やっぱり壊れるね」と言われていた
〈以前の評価〉
一部車種では「乗ってる時間より修理に出してる時間のほうが長い」との伝説が。
〈最近の評価〉
1990年代半ばまでは「確実に壊れるね」と恐れられていたが、2000年頃からは各部品が合理化され、いい具合になっていった。だが2005年頃にメルセデスがSBC(電子制御式油圧ブレーキ)で盛大にやらかしたため「やっぱ壊れるね」という評価に。
その傷もある程度癒えた2010年頃から「意外と大丈夫」との見解が広がったが、やはり傷は浅くはなかったようで、世間全体の評価をガラリと変えるところまではいっていないようだ。
(伊達軍曹)
【5年前までは?】 ATよりCVTのほうがイイぞ! とされていた
〈以前の評価〉
「CVTはエンジン効率がいい回転域を維持するから、燃費面で有利!」
〈最近の評価〉
JC08モード燃費計測のような低速ストップ&ゴーが、CVTに最も適したシチュエーション。この特性は今でも変わっていない。ところがステップATの多段化などで、そこでのアドバンテージが少なくなったのが痛い。それ以外、高速域での効率のよさやリズミカルな変速特性などでは、以前からステップATの評価が高かったわけだから、モード燃費でも追いつかれちゃったら、立つ瀬がないよね。
(鈴木直也)
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