クルマの世界は新しいものが出てきて、古いものがなくなることを繰り返しているが、近年はその動きが激しく速い。これから絶滅していきそうなアイテムや事象をレッドデータBOOKに記載していこう!!
※本稿は2023年1月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年2月10日号
■ヘッドライトの「OFF」スイッチ
2016年にクルマの保安基準が改正され、2020年4月以降に販売される新型乗用車にはオートライト機能が義務化されている。「最近のクルマはオートライトが当たり前に付いてるな?」と思っていたあなた、法律がそうなっていたのです。
それでもまだOFFスイッチは多くのクルマに設定されているが、メルセデスベンツをはじめとする欧州車にはないものが増えている。ライトは点灯も消灯もクルマ側がコントロールすることになっているのだ。
確かにヘッドライトのスイッチは「AUTO」に入れっぱなしというドライバーも多いだろう。OFFスイッチの役目は急速になくなってきており、絶賛リストラ中なのだ。そしてこのスイッチ、転職先もない(泣)。
■レバー式シフトノブ
AT、CVT、DCTのシフトは電気式が主流となっており、レバーでガチャガチャと操作することがなくなってきている。メーカー各社は「ここがセンスの見せどころ」とばかりにさまざまなパターンを投入していて、新しいところではボタンスイッチというものもある。
なかには「どこにシフトが入っているのかわかりにくい」という安全上問題があるようなケースも見られ、ほどほどにしておいてほしいと思うこともあるが、「今さらT字型のレバーに戻れるか」というデザイナーの気持ちもわかる。
同様に、パーキングブレーキもレバーを引くタイプはもちろん、足踏み式も急速に減少してきている。シフトもパーキングブレーキも「レバー」は絶滅危惧種だ。
■クルーズコントロール
前車との車間距離を保ち、停止や発進まで自動で行うACC(アダプティブクルーズコントロール)は、最近では軽自動車にも標準で装備されるほどの全盛期。このレッドデータブックに記載されるのは、一定速度で走るだけの単なるクルーズコントロールだ。これを装備している新型車を最近ほとんど見たことがない。
ACCに慣れてしまうと、前にクルマがいてもおかまいなしに突進していくクルーズコントロールは不便で使わなくなってくる。最新のACCは速度どころかステアリングも制御してくれるのだから、絶滅危機もやむなしか。
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