ワイルド・スピード1作目公開から20年 日本車の世界的人気はどう変化した?

ワイルド・スピード1作目公開から20年 日本車の世界的人気はどう変化した?

 いまや「クルマ関連の映画」としては世界最高峰の人気を誇る『ワイルドスピード』シリーズ。今年新作も発表されたが、今年(2021年)はなんと「第1作」から20周年となる。この人気シリーズの足跡は、そのままアメリカでの爆発的な日本車人気上昇(と中古スポーツの高騰)時期と重なっている。

 そんな大人気作品『ワイルドスピード』の足跡をたどりつつ、人気の要因と功績を分析していただいた。

 文/加藤久美子
写真/加藤久美子、加藤博人、VeilSide、Mediastream Film GmbH & Co. Productions KG. All Rights Reserved.ほか

【画像ギャラリー】世界で大人気! ワイルドスピードの足跡を画像で辿る


■ワイルド・スピード1作目は2001年10月に公開

 ワイルド・スピード最新作『ジェットブレイク』(原題F9:The Fast SagaまたはFast&Furious 9)が8月6日。当初の予定より1年3か月遅れて待望の日本公開となった。ご覧になった方も多いと思うが、どのような感想を持たれただろうか?

 筆者の率直な印象は(宇宙に行ったりもしているが・笑)、原点回帰を感じるシーンがいくつかあり、『TOKYO DRIFT』に出て来る俳優さんたちも複数名登場したり、TOKYO DRIFTに絡むネタも随所に登場し、これでシリーズでは「異質」なTOKYO DRIFTがうまく「合流」できたようで少し嬉しく感じたのも確かだ。

 ワイスピシリーズ(『The Fast and the Furious』)は2001年の1作目公開から今年でちょうど20年となる。いまや世界中のクルマ好きが夢中になる、いやクルマ好きじゃなくても楽しめるスケールの大きなカーアクション映画に成長した。北米においてはもはや「国民的映画」と言えるほどの絶対的人気を誇っている。

ワイルドスピード第1作。DVDが発売中で、各種ストリーミングサービスでも視聴可能の名作
ワイルドスピード第1作。DVDが発売中で、各種ストリーミングサービスでも視聴可能の名作

 この20年間で映画に出て来る90年代の日本製スポーツカーに対する世界的な評価も爆上がりした。

 初期(1-3作目)の作品には数多くの日本車が登場しているが、記念すべき1作目にはどんなクルマが登場していたのだろうか?

 チラッと登場した車両含め、1作目に登場した日本車(四輪)を挙げてみよう。

(★マークの数は登場の頻度)
1994 アキュラ インテグラ GS-R(DB8) ★★
1996 アキュラ インテグラ GS-R(DC2) ★★★
1996 ホンダ アコード(CD5) ★
1994 ホンダ アコード クーペ(CD7)★
1994 ホンダ アコード ワゴン(CD1)★★
1992 ホンダ シビック(EH2) ★
1992 ホンダ シビック Si(EH3) ★★
1993 ホンダ シビック Si(EH3)★
1999 ホンダ シビック(EJ6) ★
1993 ホンダ シビック クーペ EX(EJ1)★★★★ (高額貨物を載せたトレーラーを襲撃する窃盗団の長が使用)
1993 ホンダ シビック クーペ EX(EJ1) ★★★
1996 ホンダ シビック クーペ(EJ) ★
1993 ホンダ シビック デルソル(EG、日本名 CR-X デルソル) ★
1990 ホンダ シビック CR-X(ED) ★
1996 ホンダ デルソル(EH6、日本名 CR-X デルソル) ★
1997 ホンダ プレリュード(BB) ★
2000 ホンダ S2000(AP1) ★★★(悪役ジョニー・トランが使用。2作目では黒→ピンクに塗り替えて再登場)
1995 いすゞ ロデオ(UC) ★
1998 レクサス GS 300(JZS160) ★★
2001 レクサス GS 430(UZS161)★
1995 レクサス SC 400(UZZ30)★★
1992 マツダ 626(GD、日本名 カペラ)★
1993 マツダ RX-7(FD)★★★(準主役ドムの愛車)
1995 マツダ RX-7(FD)★★
1992 三菱 ディアマンテ(F17A) ★
1995 三菱 エクリプス(D30) ★
1995 三菱 エクリプス(D30) ★★
1995 三菱 エクリプス RS(D31A) ★★★★(ブライアン刑事の1台目の愛車)
1997 三菱 エクリプス スパイダー(D30)★★
1997 日産 240SX(S14、日本名 シルビア)★★★
1999 日産 マキシマ(A32、日本名 セフィーロ)★★★
1995 日産 セントラ(B14、日本名 サニー) ★
1995 日産 スカイライン GT-R(R33)★★★
1994 トヨタ カムリ XLE V6(XV10) ★
2000 トヨタ セリカ GT-S(ZZT231) ★
1982 トヨタ セリカスープラ(MA67、日本名 セリカXX) ★
1993 トヨタ カローラ DX(AE102) ★
年式不明 トヨタ MR2(SW20)★★
1994 トヨタ MR2(SW20)★
1996 トヨタ パセオ(EL54、日本名 サイノス) ★
1995 トヨタ スープラ(JZA80)★★★★(ブライアンの2台目の愛車。オレンジ色の80スープラ)

 カウントしてみると個体別で実に40台以上の日本車が1作目に登場している。

 日本車以外を含めた全体では約80台弱なので半数以上が日本車となり、その半数近くを占めているのがホンダ車であることも興味深い。

 もともと、『ワイルド・スピード』は「90年代末のアメリカ西海岸でストリートレースに明け暮れる若者たちのちょっとアンダーグラウンドで躍動的な生態」を描くところから始まっているため、90年代当時の西海岸で大流行していた「スポーツコンパクト」と呼ばれるカテゴリの日本車が数多く登場する。

 有名なオレンジ色の80スープラは故ポール・ウオーカー演じるブライアン・オコナー刑事の愛車として使われている。

1作目に登場するオレンジ色のスープラとそれに乗るブライアン&ドミニク (C) 2001 Mediastream Film GmbH _ Co. Productions KG. All Rights Reserved.
1作目に登場するオレンジ色のスープラとそれに乗るブライアン&ドミニク (C) 2001 Mediastream Film GmbH _ Co. Productions KG. All Rights Reserved.
2019年5月に開催されたGRスープラ発表会にはオレンジスープラのレプリカモデルも登場
2019年5月に開催されたGRスープラ発表会にはオレンジスープラのレプリカモデルも登場

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