■イメージ回復には成功。しかしこれが最後のモデルに…「日産 シルビア(7代目)」
1965年に登場した日産の2ドアクーペモデルが初代シルビア。
以降は日産のスポーティクーペの主力モデルとして確固たる地位を築き、1988~1993年に販売された5代目S13型は、バブル景気を象徴するデートカーの1台にもなって、好調なセールスを記録した。
そんな5代目の後を受けて登場した6代目S14型だが、これが想定外の売れ行き不振に陥ってしまう。
S14型ではボディが大型化されてシリーズ初の3ナンバーモデルになり、豪華さを全面に押し出していたが、これが従来のシルビアファンには不評で、さらにバブル崩壊の影響もあって販売台数を減らしてしまった。
こうした反省を踏まえて1999年には7代目のS15型がデビュー。
ボディは再び5ナンバーサイズになり、デザインも少々野暮ったさのあったS14に比べると洗練されていた。
シルビアの本流に戻った感のあるS15は高い評価を得たものの、クーペそのものがあまり売れなくなっていた時代背景も加わって人気ほどには販売実績を伸ばせず、2002年にシルビアシリーズの歴史とともに販売を終えている。
【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)画像ギャラリー■番外編~しばしの休息から華麗なる復活「トヨタ シエンタ(初代)」
トヨタの5ナンバーサイズミニバン・シエンタが発売されたのは2003年。
この初代シエンタは3列シートで7人乗車が可能などの使い勝手の良さが好評で、決して失敗作ではなかったが、2010年8月に事実上の後継車であるパッソセッテに道を譲るかたちで生産が終了された。
しかしこのパッソセッテの売り上げが思わしくなく、2011年5月にまさかの販売再開になり、結局2015年まで通算12年も生産されるロングセラーになった。
その勢いで2015年にはフルモデルチェンジが行われ、この2代目も好調なセールスを記録。現在は2022年登場の3代目が元気に走っている。
シエンタに関しては自身ではなく後継車種の失敗をリカバリーしたわけだが、少々珍しい経緯なので紹介させてもらった。
自動車メーカーも失敗モデルと作ろうと思って作るわけではないが、狙いが外れることも意外に多い。
そしてそんな失敗から名誉挽回できるかどうかでメーカーの底力を知ることができる。
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