■斎藤聡氏の評価「精度の高さをそのままに、シャープさを抑えた上質な仕立て」
XDハイブリッドを推す。まず感心したのが静かなこと。遮音材がふんだんに使われロードノイズがしっかり抑えられている。乗り心地のよさや室内のデザインの品のよさを含め、上級SUVを感じさせる居心地のいい室内空間を作り出している。
室内の静かさとともに感心したのが運転のしやすさ。ハンドルを切り出した時のクルマの動きの精度感が高く、またアクセルの微妙な操作によく応えてくれる。
ステアリングとシートとペダルの配置がいいことも少なからず関係しているのだろう。ボディサイズが全長約5m、ホイールベースが3m超もあるのに、不思議な一体感がある。
操縦性についてもう少し言及しておくと、シャープさや鋭さは抑え気味。サスペンションの動きをよくすることでマイルドな乗り味、操縦感覚がある。
こうした味付けは、ともすると曖昧さにつながりやすいのだが、CX-80は遊びが少なく、マイルドが曖昧さにならないのだ。これが精度感の高さにつながっているのだろう。
エンジンはディーゼルとはいえ、直6エンジンのフィーリングが好ましい。低圧縮比ディ-ゼルということもあり吹けあがりがスムーズで、適度な振動がエンジンの存在感を主張しているところもよい。
●POINT採点チェック
・ハンドリング:8.5点
・加速性能:8点
・静粛性:9点
・内外装の質感:9点
・乗り心地:8.5点
・コストパフォーマンス:8点
■渡辺陽一郎氏の評価「CX-60とほぼ同じ見た目ではユーザーも満足できない」
CX-80の全長とホイールベースはCX-60よりも250mm長く、室内を広げて3列目のシートを加えた。このボディの違いに基づく価格上昇を算出すると約55万円だ。
そうなるとCX-80のフロントマスクやインパネの形状がCX-60とほぼ同じでは物足りない。CX-80の外観はもう少し質を高めて、爪のような装飾の違い以外でも表現すべきだ。CX-60とほぼ同じ顔立ちでは、ユーザーも満足できない。
ディーゼルのマイルドハイブリッドも割高で、駆動方式や装備の違いを補正すると、正味価格差が約45万円に達する。トヨタにはストロングハイブリッドとノーマルエンジンの価格差を35万円に抑えた車種が多く、マイルドハイブリッドが45万円では割高だ。
CX-60にも同じことが当てはまる。そしてディーゼルのマイルドハイブリッドとガソリンのPHEVは全車が4WDだから、中心的な価格帯も550万~700万円と高い。
選ぶべきは電動機能のないディーゼルの2WDになり、価格は実用装備を充実させて安価なXD・Sパッケージが約440万円、質感と装備の水準が上昇して推奨度の高いXD・Lパッケージは約480万円、2列目シートの中央にコンソールボックスが備わる上級のXDエクスクルーシブモードが約520万円だ。
選ぶべき3つのグレードが約40万円刻みで用意されている。
●POINT採点チェック
・ハンドリング:7.5点
・加速性能:9点
・静粛性:7点
・内外装の質感:8点
・乗り心地:7点
・コストパフォーマンス:4.5点
コメント
コメントの使い方ロータリーHVの実燃費リッター10kmより大幅に良い数字。
利幅の大きい60と80が売れないとMAZDAは厳しいので、どんどん買ってください