海外にも救世主は存在した!
●ポルシェ ボクスター
ドイツを代表する自動車メーカーのポルシェにも、その長い歴史において何度かの経営危機が訪れている。
1990年代のポルシェも販売不振に喘いでいたが、これは同社の主力モデルである911シリーズのRR(リアエンジン・リアドライブ)+空冷式水平対向エンジンというコンセプトに時代遅れという印象を持たれていたのも理由のひとつ。
そんなポルシェが1993年のデトロイトオートショーで公開したコンセプトモデルは、1970年代の914以来となるミドシップエンジンマウントを採用し、エンジンも水冷式に改められていた。
ボディフォルムもポルシェの伝統にのっとっていながらミドシップの強みを生かした流麗なものであり、ショーに登場するやいなや、世界中の注目を集めることになった。
そしてコンセプトモデルにはボクスターの名称が与えられ、1996年から市販を開始。
その人気は予想を上回り、発売翌年には生産が追いつかなくなるほどのものだった。
初代ボクスターの大ヒットによってポルシェは息を吹き返し、そのボクスターは現在4代目の718ボクスターとなって高い人気を維持している。
ひとつのクルマのヒットによってメーカーが復活するという事例は意外に多く、それが同時に自動車ビジネスの難しさも表している。
もちろん、一度は復活を果たしたものの、その後また経営難になったというメーカーもあり、継続的にヒット車を生み出すのが困難であるのも間違いない。
現在不調といわれているメーカーにも、ある日突然救世主が現れるかもしれない。
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