■デュアルクラッチ
VWグループが量産車に使ったことで、一気に“常識”となりつつあり、いっぽうの日本車もランエボⅩやGT-R、そしてついにハイブリッドのフィットにまでデュアルクラッチを採用したから、今後はさらに普及が促進していくだろう。
で、どのシステムが一番優秀か。ミッションにもエンジンと同様に“クラス”があるし、その目標性能もクルマによって異なるから、何をもって世界一というか、一概には言いがたい。また、デュアルクラッチを共同開発できるミッションメーカーも限られているから、基本的な技術は横一線だ。
スーパーカー用を比べてみても、耐久性を重視したSLS AMGの湿式タイプと切れ味の鋭さを追求したフェラーリF1マチックの乾式タイプとでは、まったくもってフィールが違う。
気持ちよさでは、文句ナシにフェラーリの各モデルが積むF1マチックが世界一だ。特に、12気筒のF12に搭載されるデュアルクラッチシステムの変速フィールがすばらしい。
もっとも、シフトダウンの気持ちよさは、以前のシングルクラッチ2ペダルタイプのほうが上だった。デュアルタイプになって気持ちがいいのは、俄然、シフトアップのほうである。
おそらく、458スペチアーレでは、さらに変速時間も短くなって、身を切るような変速を味わうことができるはずだ!(TEXT/西川 淳)
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公表されているスペックだけで決めるなら、新型スカイラインの自律自動ブレーキが最も高い性能を持っている。なにしろメーカーのウェブサイトに「60km/hまでの衝突回避が可能」と書いてあるのだ。もちろんウエット路や雪道は対象外ながら、60km/hで止まれる、と公言するのだから相当の自信があるということ。実際に試していないので明言できないものの、これが現在世界最先端の技術かもしれません。
私の現時点での最高評価はアイサイトである。自律自動ブレーキの性能として考えればすばらしい!
メーカーは30km/hといっているが、英国保険協会の実車テストによれば52km/hから完全停止してます(2番手は35km/hだった)。私のテストでも40km/hなら余裕。50km/hでも止まれるケース多い。さすがに60km/hだとダミーに軽く衝突するがそれでも相当速度が落ちる。次のアイサイトは大幅に性能アップするし。
現状の課題はメディアを含め自律自動ブレーキのスペックをキッチリ評価していないこと。例えばスズキなんかレーザーを使う自律自動ブレーキなのに「レーダーブレーキサポート」と称している。レーダーの「R」はレディオだから電波を使うセンサーだ。レーザーセンサーの頭文字は光を示す 「L」。電波を使うレーダーより性能もコストも大幅に低い。
だからこそレーザーセンサー使う自律自動ブレーキは30km/hまでしか稼働しないワケ(31km/hだと機能そのものがオフになる)。かといってレーダーだけしか使っていないシステムも、歩行者などを検出できない。レーダー波は柔らかい物体を上手にキャッチできないからだ。
ということでアイサイトを除いて、最低でもレーダーとレーザー、カメラという3つのセンサーを組み合わせたものじゃないと最先端のシステムとはいえません。(TEXT/国沢光宏)
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