またこの季節が来た…自動車税・重量税はまだ高すぎる!! 2026年版「クルマの税金」納得いかないポイント

BEV優遇は是正に向かう!??

 クルマの電動化が進むなかで、BEVへの優遇についても議論の余地があります。BEVは比較的高額で財産的価値が高いのに、所有に対する課税である自動車税が乗用車の最安クラス(1.0L以下)と同じで、さらに登録翌年度は75%も軽減されることは納得できませんよね。

 重量税もBEVは購入時と初回車検時が免税となるのは、重くなりがちなBEVの特性を考えると、なぜBEVのぶんも他のエンジン車ユーザーが負担しなければならないのかと思いたくなります。

 ただ、これに関しては見直しの方向も示されています。令和8年度税制改正大綱では、2028年5月1日以降、BEVおよびPHEVに対して重量に応じた新たな負担を導入する方針が示されており、電動車も含めた課税の公平性を図る動きが進みつつあります。

電動車は税制上優遇されてきたが、今後は重量に応じた新たな負担の導入も検討されており、制度は転換期を迎えている(PHOTO:Adobe Stock_InfiniteFlow)
電動車は税制上優遇されてきたが、今後は重量に応じた新たな負担の導入も検討されており、制度は転換期を迎えている(PHOTO:Adobe Stock_InfiniteFlow)

必要なのは「納得感」

 こうした個別の論点もさることながら、現時点の自動車関連諸税におけるもっとも大きな問題点は「制度の複雑さ」にあるのではないでしょうか。取得時の環境性能割は廃止となりましたが消費税はもちろん課税されますし、保有段階では自動車税と重量税、使用段階では燃料課税が課されるという三段階構造に加え、エコカー減税やグリーン化特例といった環境政策が重なり、全体像が非常に分かりにくくなっています。

 ここまで複雑になってしまった背景には、これら車体課税が後から追加されてきた制度であり、一つの思想で設計された税制ではないことがあります。重量税は「インフラへの負荷」に対する課税、自動車税(軽自動車税)は「所有能力」に対する課税、燃料税は「使用量」に対する課税と、複数の異なる課税思想が同時に適用されており、課税の考え方が整理されていません。ユーザーの立場からすれば、課税の理由よりも負担の総額だけが意識され、「結局、負担が増えている」という印象につながりやすい構造となっているのです。

 令和8年度税制改正では、多様なパワートレインの併存を前提に、それぞれに対応した税制へと見直していく方針が示されています。今後は、所有(パーソナルユース)から共用利用(シェア)へのシフトやモビリティサービスの拡大も踏まえ、車体課税と燃料課税を含めた全体の再設計が進められる見通しです。

 日本の基幹産業であり、私たちの生活に不可欠な存在であるクルマ。その税制についても、ユーザーが納得できる、筋の通った仕組みへと一日も早く整理されることを期待したいです。

取得・保有・使用の三段階に加え、異なる課税思想が重なった日本の自動車税制。複雑さこそが最大の課題。一日も早く整理されることを期待したい(PHOTO:Adobe Stock_ ponta1414)
取得・保有・使用の三段階に加え、異なる課税思想が重なった日本の自動車税制。複雑さこそが最大の課題。一日も早く整理されることを期待したい(PHOTO:Adobe Stock_ ponta1414)
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