クルマ購入時に役立つ耳寄り話も!? 自動車販売店の意外な話&ナルホド話

■「販売店員はつらいよ」。軽自動車ユーザーは軽自動車だけに乗り続ける。アフターメンテナンスでの収益も期待薄

 自販連の統計によると、2019年(1~12月)の登録車販売台数は328万4870台。一方で軽自動車は191万264台となり、新車販売全体に占める軽自動車の割合は約36%という状況。

 月別、年間など、あらゆる統計でホンダN-BOXが販売トップとなり、日本一売れているクルマとなっている。

 ホンダの2019年の年間国内4輪車販売台数は72万2003台で、そのうち軽自動車は36万4832台となり、軽の占める割合は約50.5%。さらに、全ホンダ軽自動車販売台数に占めるN-BOXの比率は約69%と、物凄く高い比率だ。

すべての日本車のなかでず~っと販売1位のN-BOX。でも、ホンダの販売員さんは素直に喜べない事実が……

●点検を安くおさえる

 しかし、そのN-BOXなど、軽の人気は販売店としてはツライという現状がある。

 軽自動車ユーザーは登録車とは異なる動きが目立つ。まずは、軽自動車から軽自動車への乗り継ぎがほとんどということ。

 以前ほどではないが、登録車の場合、例えば「ヴォクシーからアルファード」という、ステップアップして新車に乗り換える動きも期待できるが、軽ユーザーではほぼ期待できない。

 しかも、保有年数も長めのケースが目立ち、10年スパンぐらいで新車へ乗り換えるケースも多く、薄利多売が使命の軽自動車販売中心では、販売店の疲弊が加速するのである。

 それだけではなく、軽ユーザーは生活防衛意識が高いので、割高な販売店での定期点検や車検を嫌い、ガソリンスタンドや格安車検業者などを利用するケースも目立つ。

 新車販売より、アフターメンテナンスでの収益を重視する販売店にとって、軽は価格が手頃で売りやすいが、なかなか利益には結びつかない。ただ売りやすいので、セールスマンは軽ばかり売る傾向もある。

 トヨタ系ではマージンを減らすなど、軽自動車に販売が偏らないような工夫をする販売店もある。

■トップセールスマンは寡黙なメカニック経験者が多いという事実

 新車をたくさん売る、“トップセールスマン”と聞くと、“口から先に生まれたような”という表現がよく似合う、饒舌なセールスマンを連想しがちである。が、実際は寡黙なタイプが多いのである。

 もちろん、“絵に描いたような”セールスマンを好むお客もおり、実際そのようなタイプは“マダムキラー”などとも呼ばれガンガン新車を売るケースも目立つ。が、長続きしないことが多い……。

 販売店には整備学校で自動車整備を学んだ人がメカニックとして入社してくることもあり、ある一定年数勤務すると同期のなかから営業職、つまりセールスマンへメカニックの一部が転用されるのである。

“メカ上がり”と呼ぶ販売店もあるようだが、このメカ上がりが新車販売においては貴重な戦力となるのである。

 商談において口数は少ないものの、自動車の構造に長けているのでお客にとって説得力のあるトークとなり、お客からの信頼を得やすい。

クルマのこと、ライバル車の構造まで知っている、メカ上がりの寡黙なセールスマンはたしかに好感が持てる

 さらに趣味レベルでもクルマ好きが多く(純粋なセールスマンはそれほどクルマ好きが多くない)、ライバル車も含めて商品知識も豊富なので、ライバルとの比較などの話が商談でもメインとなり、それほど値引きを拡大せず受注するので、1台当たりの利益も高い。

 セールスマンの評価は販売台数がメインとなるものの、粗利もしっかり評価される。薄利多売はそれほど評価は高くなく、逆にそこそこの台数で値引きを絞って売る、メカ上がりのセールスマンのほうが評価は高いことも!

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