■豪華な花束贈呈や記念撮影は減少傾向
販売店から注文したお客へ新車を引き渡す納車は、昔はお客の自宅で行うのが一般的だった。が、今では店頭で行うのが主流。
販売店によっては、“納車室”のようなものがあったり、花束贈呈や記念写真などセレモニー化が顕著となっているが、本来、そのような華やかなものではない。
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納車は、注文したとおりの新車か、キズはついていないかをしっかり確認する“事務作業”なのである。
“新車はキズがあって当たり前と思え”とは、新人セールスマンが教わることのひとつ。配車された納車予定車の事前確認を怠ったり、納車時にお客がいい加減な確認をしている時にかぎりキズがついていたりするのだ。
納車時、変にセールスマンが一定の場所から動かない時には、そこにキズがある可能性が高い。
稀に他車のナンバープレートがついていたりすることもあるので、しっかり確認すること。注文時に中途半端な確認で済ました結果、装着を頼んでいたオプションが付いていなかったということも稀にある。驚くべき話ではあるが……!
●納車後にキズ発見。でも……
最近は、“注文内容どおりのクルマでした”というような確認書の類が多く、それに署名していくので、納車にかかる時間は長時間化の傾向。
納車後にキズを発見しても、“納車後にキズがついたかもしれない”ということになり、話が面倒になるので、買う側は納車時に厳重に確認することが大切。
なお納車時に不具合があれば、受け取りは拒否すること。これ、大事なことです。
■このままリモート社会が進むと…販売店そのものが要らないの!?
数年前から幹線道路沿いに、「メガディーラー」と呼ばれる、敷地の広い大型販売店舗が目立つ。
建築関係の法令上、市街地に建つ古いディーラーはそのまま建て替えができないことが多く、建て替えのタイミングで別の場所に移転するといったことが多いようだ。その際、誕生するのがメガディーラー化された販売店。
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今どきの新車販売は電話やメールなどを使い、お客をショールームに呼び込んで商談を進めることがメインの流れ。そうなると、ショールーム内の商談スペースも数が必要となる。
点検・整備も店頭持ち込みが当たり前なので、点検・整備を待つお客のスペースも確保しなければならない。このようなこともあり、メガディーラー化となるのである。
●大型化したがお客は来ず
ただし、店舗が大型化すればセールスマンやメカニックなどのスタッフの数も多くなり人件費がかかる。また、店舗の大型化に伴い冷暖房の光熱費などもかかるので、売り上げもそれなりに多くなければならない。
そんななかビフォア・コロナの時代から新車販売の不振傾向は続いており、メガディーラー化しても集客力はなかなかアップせず、思うように収益を上げられない販売店舗も目立っていた。店によっては冷房なら28度、暖房なら20度以下に設定し光熱費を節約しているため、夏は暑く、冬は各テーブルにひざ掛けが置かれたりもする。
そして、ウィズ・コロナの時代となり、日本でもリモート商談が注目されている。ビフォア・コロナの頃から商談のリモート化が進む北米では、すでに現場に出るセールスマンの数は少なめで(多くはリモート商談専属要員となっている)、整備工場は愛車を持ち込むお客で賑わう状態。
週末でも商談客は激減しているので、「ショールームは必要なのか?」ということまで議論されそうな状況で、日本も同じような流れとなる可能性もある。
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