今年も早いもので季節はもう秋、まもなく冬がやってくる。冬といえばウィンタースポーツなのだが、そういった趣味で使うために寒冷地仕様のクルマが欲しいと考えている人もいるのではないだろうか。
中古車で寒冷地仕様のクルマを探そうと思うと、降雪地域からの出品になるケースがある。しかし、降雪地域では融雪剤などの影響で、下回りなどの見えない部分にダメージを負っていることもあり注意が必要だ。
今回は、インターネットが発達し遠方からでもクルマを調べることができるようになった今だからこそ、購入時に気を付けたい降雪地域の中古車を購入する時の注意点を解説したいと思う。
文/萩原文博
写真/編集部、Adobe Stock
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■中古車市場で重視される 中古車の出どころ
北海道や東北、上越そして北陸地方など降雪地のオーナーはそろそろスタッドレスタイヤに交換する時期を迎えている。こういった雪の多い寒冷地に対応した「寒冷地仕様」というクルマが用意されている。
「寒冷地仕様」と言われているクルマは、ラジエターのクーラント液の濃度をアップしているのをはじめ、バッテリーの強化、リアシートへ温風を送るダクトの設置、ドアミラーへ熱線を追加。そして、ワイパーブレードの仕様変更などが行われている。
寒冷地仕様=降雪地で使用されたクルマとは限らないが、中古車を購入する場合降雪地で使用されていたクルマは、雪の少ない地域で使用されていたクルマ以上にチェックしなければならない場所があるのだ。
もう10年前の話だが、仕事で北海道の中古車販売店に取材に行ったときのエピソードを紹介したい。
北海道なので、展示してあるクルマはほとんどが4WD車。フロントガラスに設置されたプライスボードを見てみると、多くのクルマに「内地」という文字が書かれていた。装着されているナンバーも北海道ではなく、関東地方や関西地方などのまま展示されているのだ。この理由を販売店に聞いてみた。
すると「北海道の人が中古車を購入する場合、北海道で乗られていたクルマは選ばない。やはり北海道以外特に雪の少ない地域で乗られていたクルマを選ぶことが多い」と話してくれた。
さらにその理由を聞くと「雪の多い地域のクルマはしっかりとメンテナンスしていないと、冬の融雪剤によって下回りに錆が発生する可能性が高くなる。そうすると長く乗ることができなくなる。したがって錆びの心配の少ない雪の少ない地方からクルマを持ってくる」ということなのだ。
確かにスキーやスノボなどに行った帰りには、ガソリンスタンドなどで洗車する場合、ボディだけでなく下回りも洗車したほうがいいと聞く。特にクルマの下回りはジャッキアップしない限り見ることができない部分。こういった部分に錆びが発生したら、修理するのも高額になってしまう。
したがって融雪剤による錆びの可能性を避けるため、降雪地で使用されたクルマを避けるという予防をユーザーだけでなく、仕入れる販売店も行っているということなのだ。
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